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The Roots 志の章 美しき伝統の余韻 Vol.3

明治初期の京都にキリスト教主義女子教育の道を切り開く アリス・ジャネット・スタークウェザー 1849年~不明

明治初期の京都に
キリスト教主義女子教育の
道を切り開く

同志社のキリスト教女子教育について考える場合、一体、誰によって、どのようにして始められたかを疑問に思うことから始めなければならないであろう。

250年に及ぶ徳川幕府のキリシタンご法度のご時世が終わって10年も経たない内に、日本で、京都で、キリスト教教育を基本にする女学校を設立すれば、周囲の人の反感、危惧、抵抗があることは自明のことであり、キリスト教の女子教育を担うことのできる人材がいるはずもなかった。

同志社のキリスト教女子教育を可能にしたのは、当時の日本の教育制度の中での女子教育の軽視、アメリカにおける海外伝道運動の高まり、アメリカン・ボード準宣教師として帰国した新島襄の存在と志であった。特にアメリカ人独身女性宣教師たちの来日を応援し、渡航費・支度金・給料は言うまでもなく、校舎建築の募金をして支援したウーマンズ・ボードの信仰と熱意を忘れてはならない。その高まりの中で、京都で働く第1号女性宣教師として送り出されたのがアリス・J・スタークウェーザーである。

生まれは1849年8月3日、アメリカのコネチカット州ハートフォード。彼女の家系は1640年イギリスから移住してきたピューリタン一家で、彼女は6世代目にあたる。熱心なキリスト教徒だった両親のもと、子供のころから教会に通い、家庭・教会・日曜学校で宗教的感化を受けて育った。平素から国内または外国の宣教のために働きたいと祈っていたが、折も折、アメリカン・ボードの会合に出席し、日本への宣教師派遣の募集を聞いた。そして、周囲の反対を説き伏せて応募の決意を固めたスタークウェザーを所属教会の牧師は、「几帳面で素直で礼儀正しい。教会を休んだことがない。クリスチャンの働き手として有能、控えめで静かな人柄だが、宣教師魂はしっかり持っている」と推薦した。

A.J.スタークウェザーのバイブル・クラス(1877年)英学校と女学校の生徒がともに学んだ。(1.2本間重慶と許嫁・春 9.6伊勢(横井)時雄と妹・宮など)★

同志社女学校にとって幸運であったのは、1876年(明治9年・同志社英学校創立の翌年)は、アメリカ独立100周年を迎える年であり、ウーマンズ・ボードは記念の募金活動を行っていたことである。新島を派遣したアメリカン・ボードと連動して働く女性団体がウーマンズ・ボードであったため、同志社とペアの関係にある女学校設立の情報が伝わるや、その校舎のために6,000ドルを捧げようと献金先を全員一致で決めた。

スタークウェザーは、太平洋ウーマンズ・ボード支援の女性宣教師として1876年(明治9年)3月にサンフランシスコを発ち、4月10日に京都入りをした。J.D.デイヴィス一家が住んでいた柳原前光邸(現在の京都御苑内の東側に位置し、50室以上の部屋があった)に入居し、「美しい庭に面した一番大きい一番条件のいい部屋を3~4室使ってクラスを始めた。」1876年(明治9年)10月24日のことであり、同志社女学校の前身となる女子塾の始まりであった。

2年後、ウーマンズ・ボードの寄付金で建てられた同志社女学校の最初の校舎(寄宿学校、当時キリスト教女子教育を実施するためには、毎日の生活を通して、キリスト教の価値観を教え、身に着けさせることが必須と考えられていた)に移り、女生徒と共に暮らすことになったスタークウェザーの期待と喜びは如何ばかりであっただろうか。

人力車に乗るA.J.スタークウェザー(左)と
H.F.パーミリー(右)★

残念ながら、その1年前に京都ホームでスタークウェザーと共に働くために来日していたH.F.パーミリーに京都在住の許可が下りず、代わりに舎監となった山本佐久と新島八重母娘と女性宣教師たちとの間に葛藤が生じ、とうとう、スタークウェザーは1883年(明治16年)には帰国することになった。

しかしながら、彼女と起居を共にして、聖書を学び、オルガンを習得し、立派な牧師夫人となった「お春さん」(本間春)や「お宮さん」(海老名みや)たち、また「親も及ば無い慈愛の手に育てられた私共は此上も無い幸福でありました。真の教育家とは先生の如き人」(『創設期の同志社』)と追憶してくれる女生徒(杉山恒)との出会いはかけがえのないものであったと、後になって懐かしむことができたのではないだろうか。

同志社女学校の初期の歴史は、明治の初めに来日し、封建色の強い古都京都で7年間、日本人と共に過ごした外国人女性の異文化体験の一つのモデルとして見ても大変興味深い。

(坂本 清音)

写真提供
同志社女子大学史料室
同志社大学 同志社社史資料センター(★印)

2015年6月25日更新

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