生活科学部

人間生活学科

平光 睦子(人間生活学科教授)

書名/編著名 NAKED FASHION ーファッションで世界を変えるーおしゃれなエコのハローワーク / サフィア・ミニー 著
出版社、出版年 サンクチュアリ出版 , 2012.10 書誌ID BB13081725
おすすめのポイント フェアトレード・カンパニー、ピープル・ツリーの代表、サフィア・ミニーさんの著。環境問題や貧困問題をはじめ、21世紀のファッション界には世界規模の問題が山積しています。実践からそれらの問題に取り組む著者が、フェアトレードカンパニーのビジネスモデルとして同社を検証し、その可能性について語っています。また、ファッションをとおして世界をかえようとする50名の著名人へのインタビューや数多く掲載された美しいヴィジュアルは、ファッションに興味のない人にも楽しんでいただけます。
書名/編著名 僕たちはファッションの力で世界を変える ザ・イノウエブラザーズという生き方 / 井上聡, 井上清史 著
出版社、出版年 株式会社 PHP出版 , 2018.2 書誌ID BB13107408
おすすめのポイント ザ・イノウエブラザーズは、デンマーク生まれの日系二世の兄弟、井上聡、清史が2004年に立ち上げたファッションブランドです。彼らの服作りはまさに現場主義で、アルパカの産地の南アメリカ、ビーズ細工が盛んな南アフリカなど活動の場は世界各地に広がっています。失敗や挫折を乗り越えて「つくる人、売る人、着る人、すべてを幸せに」することを目指して突き進む、彼らの大冒険を共有できる一冊です。
書名/編著名 Third Way(サードウェイ) 第3の道のつくり方 / 山口絵理子 著
出版社、出版年 ディスカヴァー・トゥエンティワン , 2019.8 書誌ID BB13140097
おすすめのポイント 著者は、若くしてエシカルブランド・カンパニー、株式会社マザーハウスを起業した山口絵理子さん。バングラデシュでたった一人でスタートした同社は、今では途上国5カ国に生産拠点を構え、世界に38店舗を展開し、スタッフ600名を抱える企業にまで成長しました。本書はその経営理念やビジネス手法を語ったもの。対立や分断を招く二者択一ではなくそれらと異なる第三の道を探るという彼女の思考法は、現代社会をしなやかにたくましく生き抜くためのヒントにもなるでしょう。

土井 幸輝(人間生活学科教授)

書名/編著名 「良かったこと探し」から始めるアクセシブル社会:障害のある人の日常からヒントを探る/星川安之 著
出版社、出版年 小学館、2023.4 書誌ID BB13260027
おすすめのポイント 誰もが安心して暮らせるアクセシブル社会の実現に向けて様々な取組をしているのが公益財団法人共用品推進機構です。私も共用品推進機構が推進するいくつかの活動に関わらせてもらったり、活動を通して学ばせてもらったりしています。アクセシブル社会の実現の担い手である皆さんにも是非一読いただきたい書籍として推薦いたします。

食物栄養科学科

今井 具子 (食物栄養科学科教授)

書名/編著名 ナイチンゲールは統計学者だった! : 統計の人物と歴史の物語 / 丸山健夫 著
出版社、出版年 日科技連出版社 , 2008.6 書誌ID BB10284133
おすすめのポイント 白衣の天使として有名なナイチンゲール。従軍看護婦としてクリミア戦争に赴き献身的な看護を行いました。終戦後母国イギリスに帰ったナイチンゲールは戦争で多くの兵士が死亡したのは、野戦病院の過密さと不衛生な環境が伝染病を蔓延させたことが原因であることを統計学を駆使して報告しました。女王や政治家もナイチンゲールの主張を認め、陸軍の衛生改革を成し遂げたのです…本書では他にも統計の人物と歴史が読みやすく紹介されています。
書名/編著名 介護されたくないなら粗食はやめなさい : ピンピンコロリの栄養学/熊谷修 著
出版社、出版年 講談社(講談社+α新書), 2011.5 書誌ID BB12295688
おすすめのポイント 高齢者人口が20%を超す日本において、健康な高齢者を目指すための指南書。東京都老人総合研究所(現在 東京都健康長寿医療センター研究所)で得られた研究データを元に、科学的根拠が明らかな高齢者の健康づくりのための栄養について、一般向けに解説しています。高齢者栄養を勉強する際の基礎的な知識として利用できます。

片井 加奈子 (食物栄養科学科教授)

書名/編著名 脳からストレスを消す食事 / 武田英二 著
出版社、出版年 筑摩書房 , 2011.8 書誌ID BB12262044
おすすめのポイント タイトルは流行りの「~が効く」のような感じですが、栄養学に非常に精通した医師が書いた著書です。食べ物が心と身体にとって大事だということが、分かりやすく書かれています。また、何を物をどのように食べれば良いか等も具体的に書かれており、一般書ですが専門家が読んでも十分読み応えのある本です。
書名/編著名 生きる / 谷川俊太郎 詩 / 岡本よしろう 絵
出版社、出版年 福音館書店 , 2017.3 書誌ID BB13094612
おすすめのポイント 谷川俊太郎さんの詩「生きているということ、いま生きているということ」から始まる絵本です。毎日、ただ忙しく余裕なく過ごしているときに限って目にとまります。手に取って読み返すと「生きている」当たり前に感謝せずにはいられません。岡本よしろうさんの絵が、ギスギスした心を温かく包み込んでくれている気がします。【Vine78号より】
書名/編著名 保育所給食と子どものゆたかな育ち / 給食と子どもの育ちを考える会編
出版社、出版年 かもがわ出版 , 2009.2 書誌ID BB12594421
おすすめのポイント 2005年に食育基本法が制定され「食育」と言う言葉が日本中に浸透しました。この本はその食育の最前線の一つである保育所の奮闘記です。食育という視点から保育所を見据え、また女性が働く社会、日本の食環境について述べられています。

神田 知子(食物栄養科学科教授)

書名/編著名 小説体脂肪計タニタの社員食堂 / 田中大祐 著
出版社、出版年 角川書店(角川文庫) , 2013.4 書誌ID BB12600201
おすすめのポイント 栄養士がこんなに注目されたことがかつてあっただろうか。「体脂肪計タニタの社員食堂」のレシピ本はすでにベストセラーとなったが、この小説はタニタ社員のダイエットプロジェクトにまつわる事実をベースに描いた映画原作小説である。社員食堂の給食の目的は「従業員の健康の保持・増進」である。ダイエットの理論はもちろん、実践・継続することの難しさ、低カロリーのヘルシーレシピで従業員の満足度を得て、「結果」を出すまでの栄養士の奮闘ぶりが描かれている。

小切間 美保 (食物栄養科学科教授)

書名/編著名 いま「食べること」を問う : 本能と文化の視点から / サントリー次世代研究所企画・編集 ; 伏木亨, 山極寿一編 著
出版社、出版年 農山漁村文化協会 , 2006.11 書誌ID BB10209019
おすすめのポイント 栄養化学を専門とする伏木氏と霊長類学・人類学を専門とする山極氏の対談を中心に展開されています。さらに、食文化の専門家、料理研究家、ジャーナリスト、精神科医などを交えて「食」とは何かを考える中で、人類が「食べること」を通して得てきたものが見えてくるように思います。現代人が軽視しつつある「食べること」を考え直すために、とても興味深い図書です。「食育」に興味のある方は是非参考にしていただきたいと思います。
書名/編著名 生物学的文明論 / 本川達雄 著
出版社、出版年 新潮社(新潮新書) , 2011.6 書誌ID BB12394721
おすすめのポイント 環境問題、資源・エネルギーの枯渇、超高齢化社会、赤字国債・・・。先が真っ暗になりそうなほど、多くの問題を抱えた今とどう向き合っていくのか、誰もが深刻に考えるところです。それらの問題に少し視点をかえて、「生物学者」の感性で考えていくところがおもしろいです。特に、本川先生のような自然観察研究を重要視してきた研究者だから発想できる内容に感動します。「人間ってもっと普通にならなくてはいけない」と感じていた私には、とても興味深い一冊でした。

真部 真里子(食物栄養科学科教授)

書名/編著名 全国アホ・バカ分布考 : はるかなる言葉の旅路 / 松本修 著
出版社、出版年 新潮社 , 1996.12 書誌ID BB00936668
おすすめのポイント 著者は、娯楽番組『探偵!ナイトスクープ』のプロデューサーである。丁度、私が大学院生だった頃、「大阪では『アホ』、東京では『バカ』というが、アホとバカの境界線はどこか」という投書から、「アホ」や「バカ」に相当する全国各地の方言調査がなされた。この本はそのドキュメンタリー的最終報告書である。ささいな疑問に興味という遊び心が加わって、それが研究になっていく、学問のワクワク感を是非感じてください。
書名/編著名 天ぷらにソースをかけますか? : ニッポン食文化の境界線 / 野瀬泰申 著
出版社、出版年 新潮社 , 2009.1 書誌ID BB10293953
おすすめのポイント 日本の食文化の境界線を調査分析した労作。タイトルの問いにあなたはYES?それとも NO? 自分では「当たり前」と思っていた食べ物が、他の人には「許せない」とさえ思われる。そんな無意識の食の地域性を軽妙な文章で語ってくれます。どうしてそんなちがいが生まれたのか、その謎を解き明かしたいと思った時、あなたは学問の入り口に立っているのかもしれません。

西村 公雄 (食物栄養科学科特任教授)

書名/編著名 生物と無生物のあいだ / 福岡伸一 著
出版社、出版年 講談社(講談社現代新書)、2007.5 書誌ID BB10225012
おすすめのポイント 「生命」についての認識を一変させる著書である。生物の体は,「秩序を守るためには、絶え間なく壊され続けなければならない」。我々の体は、一体どういうメカニズムで成り立っているのか?分子生物学がたどりついた地平を明らかとし、かつ、分かり易く著した著書である。文系・理系の関係なく知的教養書として読んでほしい。
書名/編著名 歴史の使い方 / 堺屋太一 著
出版社、出版年 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)、2010.1 書誌ID BB12295784
おすすめのポイント 「歴史は、繰り返す」という。でも,全く同じシチュエーションで再現されることはない。でも、どうして同じようなことが繰り返されるのか。詰まるところ,古代の人たちも現代人も人間としての生物学的な形態,思考性などは変わっていないからだろう。この著書は,このような観点から、歴史を楽しみ、未来に活かすヒントを我々に与えるものである。
書名/編著名 遠き落日(上・下) / 渡辺淳一 著
出版社、出版年 角川書店(角川文庫)、1982.9 書誌ID BB00704022
おすすめのポイント 野口英世を知らない日本人は、まずいない。名前を知らなくても千円札を見れば、彼の肖像画に触れることができる。お札にもなった偉人「野口英世」。じゃ、何故彼は、偉人と言われるのか。梅毒の原因菌としてスピロヘーターを見つけたりしているものの、科学者の目から見れば、特に、医学史に残るような業績を持たない彼が・・・。我々が知らない彼の劇的な生涯を描いた著書。
書名/編著名 食品添加物はなぜ嫌われるのか / 畝山智香子 著
出版社、出版年 化学同人、2020.6 書誌ID BB13147539
おすすめのポイント ○○は体に良いらしい。ダイエットには△△を取ると良い。××には発がん性がある。と言った情報が、ちまたにはあふれています。信頼に足る情報は、どう見極めたら良いのか?印象やイメージに惑わされることなく、科学的知見に基づいて適切に判断するためのポイントをわかりやすく解説した著書です。
書名/編著名 誤解だらけの「危ない話」 / 小島正美 著
出版社、出版年 エネルギーフォーラム、2008.9 書誌ID BB10338209
おすすめのポイント 添加物にせよ、遺伝子組み換え作物にせよ、電磁波にせよ、実際私たちの健康を害するリスクはほぼゼロと言って良い。一方,心の病や糖尿病。過労や睡眠不足、運動不足など健康リスクの大きいものはたくさんある。どうして,人々は、こうした大きいリスクよりも、無視してよいほどのささいなリスクに不安を感じるのか?その正体の構図を「食品添加物」「遺伝子組み換え」「BSE」「電磁波」などの例をあげマスメディアによる不安増幅メカニズムを解き明かしてゆく。
書名/編著名 花埋み / 渡辺淳一 著
出版社、出版年 新潮社(新潮文庫)、1975.6
角川書店(角川文庫)、1978.7
書誌ID BB12872067(新潮社)
BB00852862(角川書店)
おすすめのポイント 学問好きの娘は家門の恥という風潮が根強かった明治初期に、一人の女性が、日本初の女医を目指した。さまざまな偏見や障害を乗り越え医師資格を獲得。その苦労は、想像を絶する。同志社で学んだ夫と共に社会運動にも参画し、必死に生きる波乱の生涯は、読者の心を揺さぶるに違いない。

山本 寿 (食物栄養科学科教授)

書名/編著名 僕は君たちに武器を配りたい / 瀧本哲史 著
出版社、出版年 講談社 , 2011.9 書誌ID BB12285703
おすすめのポイント 読まない学生は損すると感じさせられた。今の世の中はどういう状態で、そこで働く若者はどういうことを心得るべきか。「籠りがちな大学教員」が与えられない「武器」を、著者は自分の経験に基づいて実にわかりやすく「配る」。印象に残ったキーワードは、「本物の資本主義の到来」「コモディティになるな」「他人に人生を預けるな」「リスクが取れる範囲のハイリスク・ハイリターン」「主婦はハイリスク」「駄馬を使いこなしてこそマネジメント」「マーケター・イノベーター・リーダー・投資家の生き方」「奴隷の学問ではなく、リベラル・アーツを勉強して自由になれ」。
書名/編著名 科学でわかる男と女の心と脳 : 男はなぜ若い子が好きか?女はなぜ金持ちが好きか? / 麻生一枝 著
出版社、出版年 ソフトバンククリエイティブ , 2010.3 書誌ID BB12396401
おすすめのポイント 普段、科学的な本を手に取らない学生に強く薦める。理由は3つ。(1) 身近な内容とコンパクトさ。2ページで一話完結、右ページ毎の可愛いイラストは女子大生を惹きこむ。(2) 科学的信頼性。「自然淘汰による進化」をヒトの行動解析に適用し、巻末に原著論文リストが並ぶ。読者に媚びない明晰な姿勢は痛快。(3) 女子大数学科を出て米国で生物学を研究した著者の文体は論理的で、「理系の日本語文章」の最良のお手本。悪文皆無で、それだけでも強く薦める。
書名/編著名 銃・病原菌・鉄 : 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 (上・下)/ ジャレド・ダイアモンド 著 ; 倉骨彰 訳
出版社、出版年 草思社 , 2000.10 書誌ID BB00492297 
おすすめのポイント 前回は「普段、読書しない若者が手に取り易い」ことを基準に選書した。今回は歴史を科学的に理解したい、高い知的志を持つ若者向けに本書を推薦する。数々の賞を受け、某大新聞の企画「ゼロ年代の50冊」で 1位に選ばれた本書の評価はネットで一目瞭然。後は実際に本書を手にし、序文を、プロローグを、読み始める人がいるかどうかだけである。「日本語版への序文」に「逆転の人類史」という、米国人学者の批評が紹介されているが、これは讃辞である。1万3千年前には全人類が狩猟採集生活をしていたのに、現代ではなぜニューギニアの人々が、アボリジニが、アフリカや南米の人々が、世界を支配せずに、ヨーロッパやその移民の子孫の国であるアメリカが世界を支配しているのか。その疑問に対する究極の答を、生物学、考古学、地理学、技術史、言語学の知識と事実を総動員して追い詰める本書は「知の結集作品」として文句なしの傑作である。

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