現代社会学部

社会システム学科

張 瑋容 (社会システム学科准教授) 

書名/編著名 ガールズ・メディア・スタディーズ / 田中東子 著
出版社、出版年 北樹出版、2021.6 書誌ID BB13167220
おすすめのポイント ジェンダー研究の最先端で活躍している中堅と若手研究者たちは、若者世代女性になじみやすいテーマを取り上げ、メディアとジェンダーについて様々な分野の視点から議論を展開していきます。ジェンダー研究はもちろん、メディアへの想像力を広げてくれる一冊となっています。
書名/編著名 差別はたいてい悪意のない人がする / キム・ジヘ 著 ・  尹怡景 訳
出版社、出版年 大月書店、2021.8 書誌ID BB13168752
おすすめのポイント 「差別をしていないから自分と関係ない」と思われがちですが、実は差別はほとんど意識していないうちにやってしまうことをわかりやすく説明してくれています。この本を通して、差別という構造はいかに私たちの日常生活に根強く影響しているかを考えされられます。
書名/編著名 ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた――あなたがあなたらしくいられるための29問 / 佐藤文香 著
出版社、出版年 明石書店、2019.6 書誌ID BB13115148
おすすめのポイント 「ジェンダー」という言葉はもう新しい概念ではなく、みんな普通に使っていますが、あなたはジェンダーについて本当に理解しているのでしょうか?この本は皆さんと同じ年代の大学生が抱えるジェンダーについての素朴な疑問やよくある誤解が書かれています。その中に、自分と同じモヤモヤや誤解があるかもしれません。ぜひこの本を通してそれらを解明してほしい。
書名/編著名 ノンバイナリーがわかる本: heでもsheでもない、theyたちのこと / エリス・ヤング 著、上田勢子 訳
出版社、出版年 明石書店、2021.12 書誌ID BB13200895
おすすめのポイント ダイバーシティを高く唱える時代だからこそ、「みんな違って、みんないい」だけにとどまらず、多様性と差異についてちゃんと理解してほしい。本書はノンバイナリーという概念の説明、当事者が直面するミクロとマクロの問題、当事者が必要な支援などが書かれています。自分が当事者でなくても、多様性を理解することによって、より多様性を包摂する社会の実現につながります。

加賀 裕郎 (社会システム学科特任教授)

書名/編著名 未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学 / 宇野重規 著
出版社、出版年 東京大学出版会 , 2018.9 書誌ID BB13096885
おすすめのポイント 人と一緒にいることは素晴らしいことであるが、同時に摩擦の根源でもある。そうした対立や摩擦にどう対処するかというところから政治(学)が始まる。中高校生に五回シリーズで講義した内容の書籍化。
書名/編著名 「働く青年」と教養の戦後史 「人生雑誌」と読者のゆくえ / 福間良明 著
出版社、出版年 筑摩書房(筑摩選書) , 2017.2 書誌ID BB13096874
おすすめのポイント 教養というと学歴エリートに限定されたものに見えるが、かつて進学を断念した勤労青年のなかにも教養を求める人びとがいた。そうした不可視だった事柄を丹念に掘り起こしている。
書名/編著名 逆転の大戦争史 / オーナ・ハサウェイ&スコット・シャピーロ 著
出版社、出版年 文藝春秋 , 2018.10 書誌ID BB13096872
おすすめのポイント 1928年のパリ不戦条約(ケロッグ-ブリアン協定)は戦争違法化運動の成果であり、これはその後の国連憲章、日本国憲法第九条にも影響していると言われる。この条約を見直すことから、現在の平和問題にアプローチしようとする。

記虎 優子 (社会システム学科教授)

書名/編著名 本当にわかる公認会計士の仕事 / 武田雄治、平林亮子 著
出版社、出版年 日本実業出版社、2011.9 書誌ID BB12396415
おすすめのポイント 皆さんは、公認会計士という国家資格を知っていますか? 公認会計士は、最難関の国家試験の1つです。
本書は、公認会計士試験に合格するための必勝勉強法をただ単に教授しようとするものではありません。むしろ、本書の特徴は、公認会計士試験に合格した後に、会計専門職としてどのようなキャリア・プランを描きうるのか、著者の経験を踏まえて語られている点にあります。
公認会計士という仕事に興味のある学生諸姉におすすめの1冊です。
書名/編著名 大学生のための「学ぶ」技術 / 常見陽平 著
出版社、出版年 主婦の友社、2012.4 書誌ID BB12418601
おすすめのポイント 大学に入学して、高校までの仕組みと全く異なっていて戸惑っていませんか? 大学では何から何まで自分で興味を持って「学ぶ」ことが必要、と口酸っぱく言われているかと思いますが、では、具体的にどうしたらよいのか、についてはなかなか教えてもらえないと思います。そこで、具体的にどんなことに注意して大学生活を送るべきかを教えてくれるのがこの一冊です。大学生として、どのような姿勢で「学ぶ」のか、そのうえでその「学び」を効率よく行うにはどのようにしたらよいのかが軽快に書かれています。同じ著者の『就活難民にならないための大学生活30のルール』(主婦の友社)と併せて読むと、「学ぶ」ことを含めて大学生として何をすべきかが見えてくるのではないかと思います。
書名/編著名 女子と就活 : 20代からの「就・妊・婚」講座 / 白河桃子、常見陽平 著
出版社、出版年 中央公論新社、 2012.10 書誌ID BB12588191
おすすめのポイント 昨今の厳しい就活事情をみて、学生諸姉の多くが焦りや不安に駆られていると思います。ですが、ちょっと待ってください。人生は就職して終わりではないのです。就職した上でどう働いていくかも、もちろん重要です。そして女性なら、その先にある結婚と出産にも無関心ではいられないでしょう。そこまで見据えた上で、どう就職し、どう働いていくか考えてみませんか。この本にはかなり厳しめの「現実」が書かれています。この現実にどう立ち向かい、どう豊かな人生を送るのか。就活だけで終わらない、長い人生を見据えたキャリアプランを考えたい人におすすめの一冊です。
書名/編著名 働き女子が輝くために28歳までに身につけたいこと / 漆紫穂子 著
出版社、出版年 かんき出版、2017.11 書誌ID BB13080665
おすすめのポイント 大学を含め、学校におけるキャリア教育は、依然として、将来の就職を念頭に置いた指導が中心である。しかし、出産年齢にタイムリミットがある女性こそ、職業人としてどうありたいかという「公」の側面だけでなく、個人としてどう生きていきたいかという「私」の側面を意識して、自身のキャリア形成を考えるべきである。 本書の著者は、若い女性に対して、28歳をゴールにして目標を逆算すべきことを提唱している。本書は、学生諸姉が今後のキャリア形成を考えるうえで、ぜひとも読んでほしい一冊である。
書名/編著名 会計の世界史―イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語 / 田中 靖浩 著
出版社、出版年 日本経済新聞出版社、2018.9 書誌ID BB13114411
おすすめのポイント 高校で世界史を学んだ方も、多くいることと思います。会計学の中でも、会計が歴史的にどのように発展してきたのかを研究する「会計史」という分野があります。本書は、会計の世界史とでも呼べるような内容です。世界史が好きな方には、会計の視点から、世界史を紐解いている本書を特にお勧めします。また、本書は、勉強するぞ!と気負うことなく、気軽に楽しく、簿記や会計について学べる内容となっています。本書を読んで、会計学に興味を持った方は、私が担当しております「簿記論」や「会計学」の授業をぜひ受講してください。
書名/編著名 「専門家」以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書 / 西山茂 著
出版社、出版年 東洋経済新報社、2019 書誌ID BB13139774
おすすめのポイント 現代社会学部社会ステム学科のビジネスマネジメントコースでは、ビジネス全般について幅広く学びます。しかし、学部学科やコースに関係なく、卒業後に民間企業に就職することとなる本学学生は少なくありません。
本書は、将来ビジネスパーソンとして活躍するにあたって必要となる知識を大変分かりやすく説明してあります。本書を読んで、会計学やファイナンスに興味を持った学生は、ぜひ関連する授業を履修することを検討してください。本書読んで学問の扉が開かれることを期待しています。
書名/編著名 【図解】会計思考を使ってビジネス戦略・分析ができる本:「その数字、裏付けあるの?」と言わせない / 小嶋辰緒 著
出版社、出版年 翔泳社、2020.9 書誌ID BB13153103
おすすめのポイント コロナ禍のために甚大な影響を受け、業種によっては業績が急激に悪化している企業も少なくありません。こうした経済環境の中で就職活動を勝ち抜くには、十分な企業研究が不可欠です。
本書のような財務分析の入門書は多数ありますが、簡単な財務分析でも就職活動には有益です。学部・学科を問わず、一人でも多くの学生が財務分析の必要性を実感することに、本書が役立てばよいと思います。
書名/編著名 会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる / 石動龍 著
出版社、出版年 日本実業出版社、2022.6 書誌ID BB13205652
おすすめのポイント 本書の著者は、公認会計士や税理士といった資格を有しておられ、いわゆる士業と呼ばれる仕事をされている方です。同時にラーメン屋もされていたという異例の経歴をお持ちです。
著者のご経験を交えながら、会計の役立ちを分かりやすく説明されています。「会計学=カネの話」で何となく下品な感じがすると考えているかもしれませんが、社会において会計が果たしている役割は重要です。多くの学生に会計学に興味をもってほしいと考え、本書を推薦します。
書名/編著名 底辺駐在員がアメリカで学んだ ギリギリ消耗しない生き方 / US生活&旅行 著
出版社、出版年 KADOKAWA、2023.10 書誌ID 発注中
おすすめのポイント 大学図書館におすすめするのですから、普通なら匿名の図書は適切でないでしょう。しかし、本書の著者は、チャンネル登録者数なんと11万人の有名なYouTuberで、ネットではお顔をよく知られた方です。
本書を読むと、普通の日本人が普通に外国で暮らしたり外国を旅したりする悲喜こもごもがよく分かります。世界に向けて扉を開こうとしている若い学生に、ぜひYouTubeチャンネルと合わせて本書を手に取ってほしいです。

日下 菜穂子 (社会システム学科教授)

書名/編著名 100歳の美しい脳 : アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち / デヴィッド・スノウドン 著 ; 藤井留美 訳
出版社、出版年 DHC , 2004.6 書誌ID BB10259054
おすすめのポイント 1986年から続けられている、アメリカのノートルダム教育修道女会のシスター678人が参加したアルツハイマー病研究「ナン・スタディ」についての報告。
健康な老いについての新たな知見を得るだけでなく、病の解明というテーマに向き合う著者とシスターの姿勢から、学ぶことや研究することの意味を深く考えさせられる1冊。
書名/編著名 ポジティブ心理学入門 : 幸せを呼ぶ生き方 / 島井哲志 著
出版社、出版年 星和書店 , 2009.7  書誌ID BB12258447
おすすめのポイント ポジティブ心理学は、人間のこころの働きの中で、幸福や生きがい、希望といったポジティブな側面に注目しその研究と実践をめざすものです。人生に意味を見出し、目的を追求する中に喜びを見出すための心理学の基礎がわかりやすく説明された入門書。

K. Mattison (社会システム学科助教) 

書名/編著名 Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking / Susan Cain
出版社、出版年 Crown , 2013 書誌ID BB13170068
おすすめのポイント

People tend to focus on talking, not listening. This book shows the value of listening as an important communication technique and social skill.

※〔日本語版〕内向型人間の時代 : 社会を変える静かな人の力

書名/編著名 Like Water for Chocolate  / Laura Esquival
出版社、出版年 Black Swan ,  1993 書誌ID BB13170067
おすすめのポイント A beautiful love story with wonderful chocolate recipes-- a wonderful example of magic realism.      

大倉 真人 (社会システム学科教授) 

書名/編著名 データ社会を生き抜くための武器と教養 (統計学が最強の学問である ; [正編]) / 西内啓 著
出版社、出版年 ダイヤモンド社 , 2013.1 書誌ID BB12582583
おすすめのポイント 情報化社会といわれる現代社会において、「統計学的考え方」を身に付けることは必須です。「統計学」って言われると、「私、数学苦手なんだけど」「取っつきにくい」などという印象を持つかもしれません。しかし「統計学的考え方」の基礎は、データや情報をどのように扱い・理解し・評価するかにあり、それゆえに、同志社女子大学にある全ての学部における学びにおいて重要な位置を占めています。本書は、この「統計学的考え方」について、数式なしで解説したものです。みなさんも是非一読してみて、著者がいう「統計学が最強」が本当かどうかを確かめてみてください! 
書名/編著名 フェルマーの最終定理  / サイモン ・ シン 著 ・  青木薫 訳
出版社、出版年 新潮社(新潮文庫) ,  2006.6  書誌ID BB10176436
おすすめのポイント その問題の単純さとは裏腹に、証明に300年以上を要した「フェルマーの最終定理」。本書は、その証明の歴史の中でのさまざまな数学者による挑戦、そして最終的に証明に成功した数学者アンドリュー・ワイルズの苦悩と波乱が描かれたノンフィクションであり、数学が苦手な人でも楽しくかつ興味深く読める一冊です。【Vine 81号より】

大西 秀之 (社会システム学科教授) 

書名/編著名 文化社会学の視座 : のめりこむメディア文化とそこにある日常の文化 / 南田勝也, 辻泉編 著
出版社、出版年 ミネルヴァ書房 , 2008.5 書誌ID BB10270847
おすすめのポイント 「ケータイ」や「マンガ」、「ヲタク」に「萌え」、そういった一見学問の研究対象にはならないのでは?と思われるポップカルチャーやサブカルチャーこそが、現代社会を読み解くために不可欠の素材となることを学ぶことができます。現代社会の分析は、決して堅苦しいものでも、高尚な理論や方法が必要不可欠なわけでもなく、わたしたち自身の身の回りのありきたりな日常の一場面から始められることが理解できるでしょう。 
書名/編著名 フィールドワークへの挑戦 : 「実践」人類学入門 / 菅原和孝 編
出版社、出版年 世界思想社 , 2006.4  書誌ID BB12983312
おすすめのポイント どんなに知識を蓄えても、どれほど難しい理論や方法を学んでも、それだけで現実社会が理解できるわけではありません。現実の社会を理解するためには、実際に自分自身が直接現場に赴いて体験するしか得ることのできないことが数多くあります。そういった意味で、フィールドワークは、実社会に出た時にこそ必要とされる能力とっても過言ではありません。「フィールドワークってなんだろう?」と興味を持った方は、本書を是非手に取ってみてください。その方法から事例を、楽しく学ぶことができるはずです。
書名/編著名 世界神話学入門 / 後藤明 著
出版社、出版年 講談社 , 2017.12 書誌ID BB13080650
おすすめのポイント 神話学って聞いたことなかった、そもそもどんなことを研究しているのだろう、と思われる方が多いのではないでしょうか。本書は、そんな疑問に答えるだけでなく、われわれの予想を完全に裏切るものです。最新のDNA研究などに裏打ちされた、人類の進化と地球上への拡散の歴史を、世界中の様々な地域の神話と比較しつつ読み解いてゆく壮大な内容となっています。本書を読むと、研究って下手なSFやファンタジーなんかよりもはるかに面白い、という感想を抱かれるかもしれません。
書名/編著名 アイヌからみた北海道150年 / 石原真衣 著
出版社、出版年 北海道大学出版会 , 2021.9 書誌ID BB13170042
おすすめのポイント アイヌ民族は、決して歴史の教科書に出てくる過去存在ではなく、そのエスニシティを有しておられる方々が今日でも日本社会に暮らしています。また2019年には、「アイヌ施策推進法」と通称される法律が施行、公布され、日本国民の義務としてアイヌ民族の文化や歴史を知ることが義務づけらました。本書は、アイヌ民族の現在を知るための、ひとつの切っ掛けになる一冊です。

現代こども学科

今井 敏博 (現代こども学科特任教授)

書名/編著名 零の発見 : 数学の生い立ち / 吉田洋一 著
出版社、出版年 岩波書店(岩波新書) , 1956.11 書誌ID BB00679965
BB00633053
おすすめのポイント 数学を材料とした読物集である。インドにおける零の発見は、人類文化史上に巨大な一歩をしるしたものといえる。その事実を背景から説き起こし、エジプト、ギリシア、ローマなどにおける数を書き表すための様々な工夫、そろばんや計算尺の意義にもふれながら、数学と計算法の発達の跡を平明に語った数の世界への道案内書である。名著として有名である。
書名/編著名 日本の数学 / 小倉金之助 著
出版社、出版年 岩波書店(岩波新書) , 1964.9 書誌ID BB00680140
おすすめのポイント 古代から現代にいたるまでのわが日本の数学はどんなものであったか、なぜそうなったのか、について読み物として記されている。わが国の学問の中でも日本人の独創性が発揮されたと世界の科学史上に輝く和算や明治期の数学が日本の文化との関わりをも含めて記されている名著である。著者 小倉金之助は、算数・数学と社会、算数教育・数学教育の世界の動きを日本に紹介したことでも有名である。
書名/編著名 算数再入門 : わかる、たのしい、おもしろい / 中山理 著
出版社、出版年 中央公論新社(中公新書) , 2008.4 書誌ID BB10266225
おすすめのポイント だれもが小学校で習う算数、日々の暮らしの中で使っている算数。けれども「6割る0.5の答がなんでもとの6より大きな数になってしまうの」と尋ねられたときとっさに説明できないのではないだろうか。様々な疑問に順序よく答えている。算数教育の経験豊富な著者の読みやすい力作本である。

松崎 正治 (現代こども学科教授)

書名/編著名 おこだでませんように / くすのきしげのり 作・石井聖岳 絵
出版社、出版年 小学館 , 2008.7 書誌ID BB13080652
おすすめのポイント お母さんや先生にいつもおこられてばかりいる小学校1年生の「ぼく」。その彼は、七夕の短冊に心を込めて願い事を書きました。それを見た先生は、彼に言います。「せんせい……、おこってばっかりやったんやね。……ごめんね。よう かけたねえ。ほんまに ええ おねがいやねえ。」すると彼は、「せんせいが ほめてくれた!!」と喜びます。彼が書いた短冊の言葉とは?みんなと仲良くしたいだけなのに、行動ではみんなに嫌われてしまうこどもの心の中。若い先生の素敵な対応。何度も読みたくなる絵本です。
書名/編著名 おおきな木 / シェル・シルヴァスタイン 著・村上春樹 訳
出版社、出版年 あすなろ書房 , 2010.9 書誌ID BB13080696
おすすめのポイント 象徴的な絵本です。一本のりんごの木(she=彼女)は、ひとりの少年に、彼の要求に従って、自分の木の葉を与え、果実を与えます。少年の成長とともに、さらに枝を与え、とうとう幹まで与え、切り株になってしまいます。すべてを与え、そのことに彼女は喜びを見出します。与えること、愛することの意味を考えさせられます。読者の貴女は、木であり、少年であるのですから。
書名/編著名 戦争は女の顔をしていない / スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著・三浦みどり 訳
出版社、出版年 岩波書店(岩波現代文庫) , 2016.2 書誌ID BB13059579
おすすめのポイント ソ連では、第2次世界大戦で100万人を越える女性が従軍した。看護婦や軍医だけでなく、多くが一般兵士として武器を手にとって闘った。これらの従軍女性から聞き取りのノンフィクションである。20歳になるかならないかの少女たちは、一晩で白髪になるような悲惨で激烈な戦いを経験した。かろうじて戦後に生き残った彼女らを待っていたのは、世間の白い目である。だって、お前さんたちは、戦場で男の人と長いこと一緒にいたんだろと。この人たちをドイツ軍から守るために、命を賭けて闘った彼女たちに、なんというむごい仕打ちか。この作品を主著とするアレクシエーヴィチは、2015年にノーベル文学賞を受賞した。【Vine 82号より】

安田 志津香 (現代こども学科特任教授)

書名/編著名 明日の子供たち / 有川浩 著
出版社、出版年 幻冬舎、2014.8 書誌ID BB13205672
おすすめのポイント この小説は、児童養護施設に入所する子どもが「児童養護施設のことを知ってほしい」という手紙を著者に送ったことがきっかけで書籍化されました。児童養護施設を舞台に、子どもたちとのかかわりを通じて、成長していく新人職員の姿が描かれた小説です。児童養護施設の様子がわかりやすく、そして現場のリアル感も伝わるように描かれいます。また家族の多様性についても知ることができます。
書名/編著名 COCORA: 自閉症を生きた少女 1.小学校編 / 天咲心良 著
出版社、出版年 講談社、2017.1 書誌ID 発注中
おすすめのポイント 本書は発達障害の当事者が自らの壮絶な体験を克明に描いた自伝的小説です。幼い頃から「変わった子」と言われて育ってきた心良(ここら)に次々に訪れる様々な試練。誰にも理解されない障害を抱え、もがきながら、戸惑いながら、すべてのものと闘いながら、それでも必死に生きていく姿を描いています。本文中、主人公の行動に対して、著者が補足説明を行っていますので、発達障害の行動特徴への理解も促されます。また、別に思春期編もあります。
書名/編著名 あたらしいほうりつの本 改訂版 / 又村あおい 著
出版社、出版年 全国手をつなぐ育成会連合会、2018.10 書誌ID 発注中
おすすめのポイント 本書は特に知的・発達障害のある人に関係する福祉サービス、権利擁護、医療など、暮らしを支える制度や法令をわかりやすく、コンパクトに解説しています。障害当事者にも理解しやすいように、文章はできるだけシンプル、イラストはできるだけたくさん・・が貫かれています。知的・発達障がいのある人だけでなく、家族や支援者、行政担当者の入門書としても活用できます。福祉・教育を学ぶ学生はぜひ手に取ってほしい本です。

勝浦 眞仁(現代こども学科准教授)

書名/編著名 発達障害当事者研究:ゆっくりていねいにつながりたい / 綾屋紗月、熊谷晋一郎 著
出版社、出版年 医学書院、2008.9 書誌ID BB13112188
おすすめのポイント 発達障害のある人たちの体験世界がとてもよく伝わってくる一冊です。例えば私の場合、お腹がグウッーとなったら、「お腹が空いたな」という感覚は直感的にあります。しかし、著者の綾屋さんの場合、その感覚をまとめあげるのに、とても苦労しているのでした。私たちの内面世界の深い感覚に気づかせてくれます。人と人とが出会う対人的な場で、同じでも違うでもなく、多様な人たちが多様なままつながる世界を考えていくヒントを与えてくれています。
書名/編著名 ネガティブ・ケイパビリティ: 答えの出ない事態に耐える力 / 帚木蓬生 著
出版社、出版年 朝日新聞出版、2017.4 書誌ID 発注中
おすすめのポイント VUCAといわれる予測不可能な時代にこれから突入していく中で、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力とされるネガティブ・ケイパビリティが私たちに必要不可欠であることが分かる一冊です。いまの教育において、ポジティブ・ケイパビリティが求められすぎているため、生きづらさを覚える子どもも少なくありません。困っている子どもに常に寄り添う伴走者であるためにはどうすればいいのか。そのヒントになる考え方がこの本にあります。

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