看護学部

看護学科

萩本 明子(看護学科准教授)

書名/編著名 いのちは輝く-わが子の障害を受け入れるとき/ 松永正訓 著
出版社、出版年 中央公論新社 , 2019 書誌ID BB13137959
おすすめのポイント 小児外科医として子どもの命や家族の葛藤と向き合い続けている筆者が読売新聞の医療・健康・介護サイトのYomiDr(https://yomidr.yomiuri.co.jp/)で2017年10月から2019年4月まで連載したコラムをまとめた1冊です。わが子が重い障害があると知った親の思いや行動、医師の子どもを助けたいという強い意志と葛藤を一つ一つの事例を通して描いています。コラムをまとめた本ですから、一つ一つは短くまとまっておりとても読みやすくすぐに読めてしまいますが、どれも深く考えさせられるものばかりであり、そこには子どもの大きな可能性と深い愛情が感じられます。将来子どもを持つ可能性がある女子大学生である皆さんにぜひ読んで頂きたい1冊です。
書名/編著名 障害のある子の「親なきあと」/ 渡部伸 著
出版社、出版年 主婦の友社 , 2018.10 書誌ID BB13165362
おすすめのポイント 親がずっと障害のある子どもと暮らし支えている場合、親が亡くなった後子どもはどうなるのか?障害者のニュースが流れた時、そのコメントに「親が責任を取るべき」「家族や兄弟が責任を持つべき」にかなりの"いいね!”がついているのをよく見ます。昨今、個人の特徴だけで障害をとらえるのではなく、社会の仕組みに不備があるからハンディキャップを生み出しているという「社会モデル」で障害をとらえることがうたわれるようになってきています。社会の仕組みが変わり、だれもが不自由なく生きていけるのであれば、そのようなコメントは無くなるのではないでしょうか。この本は、「親なきあと」相談室を主宰する筆者が、現在の日本の仕組みの中で実際に何ができるのかを具体的に解説しています。この本を読むことは、自分の心のバリアを感じ、バリアフリー社会について考えるきっかけになるのではと思います。
書名/編著名 あのね、ほんとうはね:言葉の向こうの子どもの気持ち/ 副島賢和 著
出版社、出版年 へるす出版 , 2021.9 書誌ID BB13170038
おすすめのポイント 著者の副島先生は、ドラマ『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)のモチーフとなった、院内学級の先生で、ホスピタル・クラウンでもあります。ホスピタル・クラウンは、少し古い映画ですが、ロビンウイリアムズ主演で「パッチ・アダムス」として映画にもなっています。こちらもおすすめです。
この本は、入院している子どもたちの言葉や表情、行動の裏にある「言葉にならないほんとうの想い」が著者の目線で表現されています。本に書かれたメッセージを一つ紹介します。長期に入院している中学生の女の子が外泊から帰ってきた時の副島先生との会話です。先生「おうちどうだった」、女の子「うん。慣れないようにしていた。・・中略・・(1回目の外泊の時に)家ってこんな匂いがするんだなと思って、それがだんだん慣れて感じないようになって・・。病院に戻ってきたら、病院の匂いがして。またそれに慣れるようにするのがとてもつらかった。」この言葉を聞いて、あなたは何を考えるでしょうか。
書名/編著名 自閉症は津軽弁を話さない:自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く/ 松本敏治 著
出版社、出版年 福村出版 , 2017.4 書誌ID BB13170040
おすすめのポイント

この本は、著者の奥さんの保健師との売り言葉と買い言葉から始まった、10年にわたる、著者の紆余曲折の研究結果です。ある日、奥さんは「自閉症(ASD:自閉スペクトラム症)の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ」と言ってきましたが、著者は音声的特徴が・・・・、言語的特徴が・・・と説得しようとしました。しかし、奥さんは納得せず喧嘩状態に。「じゃあ、ちゃんと調べてやる」とはじまったのです。
この本は、ASDの特性と言語発達の特性だけでなく、子どもの言語習得についても理解が進みます。さらに、人を対象として研究を進めていく過程がきちんと踏まれており、人の心理や行動を科学的に研究するとはどういうことかという研究方法論を学ぶこともできる、一石二鳥、いやいや三鳥の本です。

※続編:自閉症は津軽弁を話さないリターンズ:コミュニケーションを育む情報の獲得・共有のメカニズム

書名/編著名 トラウマインフォームドケア/ 野坂祐子 著
出版社、出版年 日本評論社 , 2019.12 書誌ID BB13205634
おすすめのポイント 「トラウマのメガネで見てみよう」と筆者は言う。トラウマとは、よく聞く言葉だが、震災やいじめ、虐待など逃れられない危険(怖いという主観的体験)にさらされたり、身近で生じるのを見させられたことにより心に怪我を負い、後遺症が残っている状況である。この後遺症は、ちょっとしたきっかけによってフラッシュバックを起こし、生々しいトラウマを繰り返し追体験させる。それでも何とか対応して生きていかなければならない。必死で生きるための対処が、周囲には、拒絶、暴力、キレるなど、問題行動として見えることもある。何が起きているのかを知るためには、私たちの常識や価値観で見ていては何時まで経っても理解できない。だから筆者は、「トラウマのメガネをかけよう」と呼びかける。「トラウマのメガネ」とは何かを知るきっかけとなる本である。
書名/編著名 おしゃべりアリスの物語: 難病の子どもの家族と医療者が倫理的課題に向き合う/ 萩原綾子 著
出版社、出版年 へるす出版 , 2022.4 書誌ID BB13205671
おすすめのポイント 尊厳死、安楽死、臓器移植など、科学技術、医療技術が発達し、様々な答えの出ない問題が生じ、ニュースでも取り上げられるようになっています。この物語は、アリスちゃん、脊髄性筋萎縮症という進行性の難病を持つ女の子とその家族が生きた物語です。そこには、アリスちゃんらしく生きるとは何か?、生きるとは?という問いが常に投げかけられています。命に対する考えかたは一つではありません。イギリスと日本の違い、治療をする医療者と家族の違い。よりそうとはどうい事なのか、相手の立場に立つとはどういうことなのか、日本の法律や生命倫理の判断ではどう考えるのか、様々な問いがあなたに投げかけられるでしょう。アリスちゃんの物語を読んだ後、あなたは何を考えますか?

和泉 美枝(看護学科教授)

書名/編著名 赤ちゃんがやってきた:誕生~6か月まで / 文:江頭恵子 絵:鈴木永子
出版社、出版年 大月書店 , 2014.1 書誌ID BB13150438
おすすめのポイント この本の最後に、「子育てを自分だけでのりこえようとがんばりすぎないでください、子育ては社会でするもの、公的な営みである」と読者へのコメントがあります。子育てをしているお母さんにぜひ読んでもらいたいと思います。【Vine85号より】

片山 由加里(看護学科准教授)

書名/編著名 プレイフル・シンキング : 働く人と場を楽しくする思考法〔決定版〕 /  上田信行 著
出版社、出版年 宣伝会議 , 2020.8 書誌ID BB13148449
おすすめのポイント 状況を俯瞰的に把握し、その言語を通して自分の可能性を拡張すること、それは「プレイフルに働く」ためのコアスキルである、と紹介されています。目標をデザインし、チャレンジしてみること、そのためには、どんどんと形にしていき、他力を大いに頼り、プレイフル・エンジンをスパークさせよう!というワクワクする読み物です。著者は本学名誉教授の上田信行先生です。
書名/編著名 実習指導を通して伝える看護 : 看護師を育てる人たちへ / 吉田みつ子 著
出版社、出版年 医学書院 , 2018.5 書誌ID BB13096710
おすすめのポイント 病院などの医療現場で看護学実習が行われる様子を、教員目線からリアルに伝えている。医療の世界は、なんとも人間ドラマであるが、実習もまたドラマチックであり、学生と教員の泣き笑いが繰り広げられる。看護学生にとっては、業界の裏側を知ることで実習の攻略本となるだろう。そして、看護学関係でない人にとっても、異世界の実状を面白く理解できるようになっている。
書名/編著名 愛、深き淵より。 〔新版〕 / 星野富弘 著
出版社、出版年 学習研究社 , 2000.5 書誌ID BB13115888(学習研究社)
BB13163641(学習プラス)新装版
おすすめのポイント この名著を看護学部の科目「看護理論」の教科書に使用しています。看護を深く理解するには、病の中にある一人の人物から学ぶことが大切だからです。頚髄損傷を受傷した若い体育教師が、頸部から下を麻痺した状態での苦悩や葛藤、そして、周囲の人々に支えながら生き抜く著者自身の体験が克明に記録されています。筆を口にくわえて描く草花のイラストと詞は読む者に大きな力を与えてくれます。

木村 洋子(看護学科准教授)

書名/編著名 うつヌケ:うつトンネルを抜けた人たち / 田中圭一 著
出版社、出版年 KADOKAWA , 2017.1 書誌ID BB13163645
おすすめのポイント 精神疾患は5大疾病に含まれるようになったにもかかわらず、相変わらず身近な疾患とはなかなか言えません。うつ病を発症した方が「どのようなことでお困りになっているのか」「どのような支援を求められているのか」「どのような経過を辿るのか」について対象者の視点で描かれた作品です。このような作品を通して、うつ病を発症した方を理解する視点が広がるのではないかと考えています。
書名/編著名 ここからはじめる働く人のポジティブメンタルヘルス / 川上憲人 著
出版社、出版年 大修館書店 , 2019.5 書誌ID BB13115877
おすすめのポイント 近年、働く人のメンタルヘルス(心の健康)が注目され、企業内においてもラインからのサポートやコミュニケーションのあり方、うつ病で休職した後の職場復帰のあり方などさまざまな対策を行われている。この本では従来のンタルヘルス対策を超えて、働く人のポジティブな心理状態の向上へと拡大することを目的とした考え方が紹介されています。ポジティブメンタルヘルスを支える個人の心理的な資源には、自己効力感(頑張れば達成できるという感覚)や前向きでバランスの良い捉え方をすること、レジリエンスの高さ(困難な状況に遭遇した時に、乗り越える力)のことなどがあると紹介されています。学生の時代にご自身のストレス等への向き合い方を振り返り、あらゆる状況においても柔軟に適応できる力の付け方の一助になるのではないかと考えています。
書名/編著名 統合失調症とのつきあい方がわかる本〔改訂版〕 / 北林百合之介 著
出版社、出版年 幻冬社 , 2019.9 書誌ID BB13140845
おすすめのポイント 統合失調症は100人に1人がかかる疾患です。現在80万人の統合失調症をお持ちの方がいらっしゃいます。2020年度から高校の学習指導要領が改定され、保健体育の「現在社会と健康」に新たに「精神疾患の予防と回復」という項目が追加される予定です。統合失調症についても含まれるそうです。本書は統合失調症がどのような仕組みで起こるのか、どのような治療やサービスが受けられるのかについて詳しく書かれています。本書を読むことによって、身近に統合失調症の方がいなくても、個々人が統合失調症について正しい理解を身につけ、深め、医療や看護だけに限らず、私達ができる支援を考え、提供することにつながるのではないかと考えています。

小松 光代(看護学科教授)

書名/編著名 続 死ねない老人-希望の最期を叶え、後悔せずに見送る- / 杉浦敏之 著
出版社、出版年

幻冬舎 , 2021.1

書誌ID BB13205685
おすすめのポイント

人生100年時代において、自らが最期をどのように迎えたいかを表現し、それを家族や介護者がいかにサポートするかを在宅医がわかりやすく解説している。「死」は、これまで敬遠されてきたが、コロナ禍以降、「生きることが常に死と隣り合わせ」である現実に直面せざるを得なくなった。人生には100%終わりがあることを認識し、穏やかな最期の実現に向けて本人と家族のためにできることを考える一冊である。

※正編:「死ねない老人

書名/編著名 面倒だから、しよう / 渡辺和子 著
出版社、出版年 幻冬舎 , 2013.12 書誌ID BB12672590
おすすめのポイント 人が「生きていく」には面倒なことの連続である。面倒なことは避けがちだが、著者は、「あたりまえ」のこと、時には「つまらないこと」の一つ一つを心をこめて実行することをすすめている。効率・生産性が優先される現状において看護職はじめ、対人援助職を目指す学生にぜひ読んでほしい。

眞鍋 えみ子(看護学科教授)

書名/編著名 わすれられないおくりもの / スーザン・バーレイ 著
出版社、出版年 評論社 , 1986.10 書誌ID BB10165160
おすすめのポイント 野原のみんなから頼りにされ慕われていたアナグマが年老いて亡くなった後、友人達が、アナグマの死を悲しみながらも、やがてはそれを楽しい思い出としてそれぞれの心に刻んでいくお話です。かけがえのない友の死を通して、残された者たちが知恵や工夫を共有しながら、日々を生きていくことの大切さを、淡い水彩で着色されたイラストと穏やかな文章によって、静かに深く、そして優しく表現しています。ふだんは誕生に携わることの多い中、死について考える機会をくれた一冊です。【Vine75号より】
書名/編著名 ノーフォールト(上・下) / 岡井崇 著
出版社、出版年 早川書房 , 2007.4 書誌ID BB13060587
おすすめのポイント いのち、出産、緊急手術、医療事故、裁判、過酷な医師の労働環境、そして産科医療の危機を描いた本です。現役の医師が、35年の臨床経験と医学知識を基に産婦人科医不足や若手医師の過重労働について訴える目的で創作しています。ここに描かれていることは現在の産科医療現場で実際におこっています。少し難しい医学用語も出てきますが、緊急手術や裁判のシーンなど次々と起こる緊迫した状況に引き込まれていくと思います。
書名/編著名 ヤノマミ / 国分拓 著
出版社、出版年 新潮文庫 , 2013.11 書誌ID BB12637504
おすすめのポイント アマゾン最深部で独自の文化と風習を一万年以上守り続けるヤノマミ民族の集落での150日間の同居生活から、生と死を綴ったルポルタージュです。出産シーンでは、産まれたばかりの子どもは精霊のまま天に送るか、人間にするかは母親に委ねられます。「人間とは何か」を考えさせられる一冊です。DVD映像を併せて観ると衝撃的な体験とともに、出産直後の過酷な選択や儀式の意味を更に深く考えさせられることでしょう。

光木 幸子(看護学科教授)

書名/編著名 「聴く」ことの力 / 鷲田清一 著
出版社、出版年 筑摩書房 , 2015 書誌ID BB10309088(阪急コミュニケーションズ)
BB13165705(筑摩書房)
おすすめのポイント 臨床哲学を専門とされているのでケアに活用できる部分がたくさんあります。自分の体験と重ねて読んだり、繰り返し読み返すことで自分の悩みを解決するヒントが得られます。
書名/編著名 「待つ」ということ / 鷲田清一 著
出版社、出版年 角川学芸出版(角川選書) , 2006 書誌ID BB10266696
おすすめのポイント ケアを行う中では「待つ」ことをコミュニケーションスキルとして活用する機会があると思いますが、もう少し幅広い観点から「待つ」という行為をとらえています。
書名/編著名 人口減少社会のデザイン / 広井良典 著
出版社、出版年 東洋経済新報社 , 2019 書誌ID BB13126572
おすすめのポイント 少子高齢化の現状についてデータ示しながら分析し、社会福祉や医療、死生観などについて多角的な視点から提言しています。それぞれの立場から10年後20年後を考えるきっかけを与えてくれる本です。

村田 尚子(看護学科実習助教)

書名/編著名 ケアの本質 - 生きることの意味 / ミルトン・メイヤロフ 著, 田村真 著, 向野宣之 著
出版社、出版年 ゆみる出版 , 1987.4 書誌ID BB00637383
おすすめのポイント

この著書のなかで「ケアするということは、ほかでもない私が恩恵を受けているものへの、私なりの感謝の仕方なのである。」という記述があります。この言葉は自分が対象者を支えているという傲慢さに気づき、ケアの対象者との相互作用の中で自身が生きる意味を感じ取っていることに感謝することを教えてくれます。対人援助職だけでなく、日常の暮らしのなかでも忘れてはいけないことを思い出させてくれる一冊です。

小笠 美春(看護学科准教授)

書名/編著名 あなたの知らない「家族」 : 遺された者の口からこぼれ落ちる13の物語 / 柳原清子 著
出版社、出版年 医学書院 , 2001.3 書誌ID BB10094429
おすすめのポイント 「私がしてきたことは、本当にこの人にとってよかったのでしょうか?」
最後のお見送りの際に、ご主人を看取られた奥様にかけられた言葉です。がん告知が主流となった近年、「本人に告知しない」という選択をした奥様が、どれだけの苦悩を抱えて生きていかれるのかと思うと、大きな衝撃を受けました。そのとき私が手に取ったのがこの本です。大切な人を亡くした家族の物語が、看護師として命とケアの本質に向き合う力を与えてくれます。

岡山 寧子(看護学科特任教授)

書名/編著名 脳科学者の母が、認知症になる ~記憶を失うと、その人は”その人”でなくなるのか?~ / 恩蔵絢子 著
出版社、出版年 河出書房新社(河出文庫), 2021.12 書誌ID BB13205673
おすすめのポイント

認知症になり、記憶を失うと、その人は、「その人」ではなくなるのだろうか?本著書は、その答えを求めて脳科学者の恩蔵絢子氏が認知症の母と向き合った2年半の記録から得たことをまとめたものである。一人の研究者として、また一人の家族として、その問いへの答えを導き出している。この内容は、最近NHKでも取り上げられて、放映された。その中で、筆者は、何が「できる/できない」という外から見てわかりやすい能力だけでなく、また、「こうあってほしい」という期待とも関係のない、母らしさを知りたいと思ったと述べている。そして、母自身は何を大事に思って、何が好きで生きてきたんだろう?はたして何かが「できる/できない」だけが、「その人らしさ」をつくっているのか。「その人らしさ」をつくっているものに「能力」だけではなく「感情」があることに、やがて脳科学の見地から気づいたと述べている。認知症ケアマインドの本質を示した著書であり、ぜひ一読してほしい。

鈴木 佑典(看護学科実習助教)

書名/編著名 人を動かす / Dale Carnegie 著, 山口博 訳
出版社、出版年 創元社 , 1999.10 書誌ID BB10211304
おすすめのポイント 少し古い本ですが、人間関係において大切なことは何かを教えてくれる本だと思います。これから社会へ出ていくにあたって人間関係に悩むことが多いとは思いますが、そういった時に何かヒントを与えてくれると思います。今でも時折読み返したくなる本です。

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