現代社会学部公開講座 第36期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第3回『観光公害を超えて-丘のまち美瑛町のまちづくり戦略-』を開催

日時:2025年7月12日(土)
美瑛町は琵琶湖の大きさに匹敵し、9,200人余りが暮らす北海道の中央に位置する丘の町。同志社大学を卒業し、京都新聞で記者として勤務の後、就農のために移住した美瑛町で2019年より美瑛町長を務める角谷浩幸先生に「観光公害を超えて-丘のまち美瑛町のまちづくり戦略-」と題してお話いただきました。
美瑛を象徴する美しい丘の景色は噴火によって形成された土地を入植者や農業従事者が耕し、維持して生み出した農業景観です。青い池や温泉などもあり、観光地として人気が高まる一方で、観光マナー違反や渋滞等によって景観の保全や観光の維持への対策が必要となってきました。パトロールや看板設置・観光マナールール違反の目撃を通報する窓口の設置・パークアンドライドの推進・立入禁止区域へ検知システムの導入などAI技術を取入れるなど様々な対策が講じられています。
近隣の観光地に比べて美瑛町では宿泊に伴う消費が少なく、通過型観光であるという課題があるため、体験型・ガイドツアー・ライトアップなど滞在型観光へと繋がるアイデアが創出されています。また、地方創生策として手厚い移住・子育て支援サポート・日本で最も美しい村などブランディングの推進・大学や企業との連携や交流・ゼロカーボンシティの実現に向けた取り組みが推進されています。持続可能な地域づくりを継続的に発信し、未来を見据えた魅力的なまちづくりを目指すことが期待されます。
