現代社会学部公開講座 第36期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~  第2回『「虎に翼」のモデルと京都』を開催

2025/07/04

日時:2025年6月21日(土)

今回は、弁護士の佐賀千恵美先生をお招きし、2024年に放送されたNHK朝ドラ「虎に翼」のドラマのモデルとなった三淵嘉子を中心に、法曹界における女性の活躍についてご講演いただきました。1938年に高等試験司法科に女性として初めて合格した3人の女性のひとりである三淵嘉子は、初の女性裁判所長に任命され、男尊女卑の風潮が色濃く残る法曹界の草分け的存在となりました。佐賀先生は、三淵嘉子を取り巻く女性の社会進出に一早く注目し、後進への道を開いた貢献を残さねばとの思いから、今から30年以上前に既に他界していた三淵嘉子の元同僚や子孫を訪ねて自ら取材し、女性法曹の黎明期について出版されました。

講座のなかで家庭裁判所長になった三淵嘉子の人柄について次のように触れられました。「自我が強く一人よがりな面もあった一方で、外では自我にブレーキを掛けられる自制心もあり、他を気遣う人」。送致された5000人の少年・少女と直接向き合い、慰問を重ねたことなども紹介されました。時を経て、現存する少年院のうち、宇治市にある京都医療少年院は医療少年院として唯一存在します。

日本における現代の女性法曹が占める割合やジェンダーギャップ指数はまだまだ低いのが現状ですが、世代交代によって意識に変化が見られる傾向もあります。戦前に法曹界の道を力強く切り開いた女性達が佐賀先生のご活躍と重なり、その原動力は今なお引き継がれ、更なる飛躍へと繋がっています。

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