薬物動態学研究室
薬物動態学研究室では、下記の基礎研究を通して、薬物治療に貢献することを目指しています。
1)病態モデル動物を用いた薬物の体内動態および効果・副作用の動態学的解析
薬物投与後の体内動態は血漿中濃度の測定で明らかとなりますが、期待される効果は血漿中濃度と必ずしも比例するわけではありません。そこで、血漿中濃度推移から効果の推移を定量的にモデル化すると、病態や相互作用による体内動態変動時の効果が予測可能となります。現在、高血圧・糖尿病・認知症治療薬について、病態モデル動物を用いて研究を行っています。
2)薬物溶解性と吸収性(膜透過)との関係の解明、水への溶解性に依存しない難水溶性薬物の吸収性改善方法の研究
薬物の多くは難水溶性薬物であり、その吸収性改善を目指して可溶化技術が発展してきました。しかし、薬物の吸収性改善にとって溶解性向上が必ずしも必須ではなく、薬物分子の存在状態が重要と考えられるようになってきました。そこで、薬物分子の分散状態と吸収性の関係性、また何がその分散状態に影響を及ぼす因子かなど、新しい吸収メカニズムの解明を目指しています。