病院管理栄養士として活躍中の卒業生 稲葉直子氏による特別講義を実施

2023/07/07

2023年6月28日、食物栄養科学科管理栄養士専攻の特別講義を開催しました。
管理栄養士専攻の2年次・3年次生を中心に、約200名の学生および教職員が参加しました。

今回は、本学卒業生で病院管理栄養士としてお勤めの稲葉直子先生が、「聞いてください、病院管理栄養士の日々~何年経っても毎日葛藤!成長途上!~」と題して講義を行ってくださいました。

学生時代のお話からは、管理栄養士を目指したきっかけや、大学生活での数々の経験、勉強以外にもサークル活動に熱心に取り組んでおられたこと、また、大学院への進学やインターンシップなどで経験を積み重ねてゆく中で、学会活動を通して就職先の決め手を見つけられた事などをお話いただきました。時折、学生時代に接した先生方との思い出話などで学生たちの関心を惹き付けながらお話される様子は、普段から色々な方と積極的にコミュニケーションをとり、協調性を大切にお仕事されているであろう姿を感じました。

現在、京都桂病院栄養科の管理栄養士としてご活躍中の稲葉先生ですが、「外来栄養指導」「入院栄養指導」「NST活動」について、例えばどういった患者さんをメインに指導が行われているのか、経腸栄養について具体的にどのようにプランニングされているのか、NST介入の必要な患者さんの指導に不可欠な看護師さんとの連携の方法など、まずは管理栄養士としての主要な業務を丁寧に説明されました。他にも、「院内の勉強会」「NST新聞や栄養だより」「動画やブログ作成」など、学内の座学だけではイメージしにくい日々の仕事の様子もお話いただけました。

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お話の中からは、特に「多職種連携」を大切にされている様子が伝わってきました。病院内に働く方々は、「一人一人の患者さんをより良くケアする」という使命は共通であるものの、医師、看護師、薬剤師など、色々な専門家の立場からの様々な考え方があり、その中の一つに、管理栄養士として「栄養」の方面から充実したケアを目指す立場として、いかに多職種の仲間の理解と協力を得られるかについて、日々の仕事の中で奮闘されている様子が伺えました。そのためにも、患者さんだけでなく、院内で働く方々にも「栄養」の大切さを知ってもらう取り組みが必要なのだということは、学生たちにとっても新しい視点だったのではないでしょうか。

講義の中では、時に失敗談や仕事上の悩み、母になることと仕事の両立に迷ったこと、実際、どのように子育てと仕事をされているかなど、普段の座学ではなかなか想像のできない等身大のお話に、学生も熱心に聞き入っていました。等身大のお話であるからこそ、最後の「今、目の前にあること、大学生活の中にある色々なことに前向きに向き合ってほしい。そのことが、必ず将来役に立つ。」という学生へのメッセージは、学生の心に深く残っていることと思います。講義全体を通して、非常に忙しい日々を過ごされている中、とても楽しそうに語って下さる様子も印象深く、管理栄養士を目指す中で、日々、悩みや迷いを感じている学生にとっても、前を向いて歩みを進めてゆく大きなきっかけになってくれたことでしょう。

この講義を通して感じたこと、学んだことを、学生たちそれぞれの今後に活かしてくれることを期待しています。
また、後輩のためにこのような貴重なお時間をいただきました稲葉直子先生の今後のご活躍をお祈りいたします。