<特別講義>食品企業の管理栄養士として活躍中の卒業生、前口香穂氏による特別講義を実施しました

2022/07/13

2022年6月15日、食物栄養科学科管理栄養士専攻の特別講義が開催されました。
管理栄養士専攻の2年次・3年次生を中心に、約200名の学生が参加しました。

今回は、本学の卒業生で、企業での管理栄養士としてお勤めになられている前口香穂先生をお招きして、「食品メーカーで働く管理栄養士~食を通じて人々の健康に貢献する~」と題して講義を行っていただきました。

先生の学生時代のお話からは、ゼミの先生・仲間達との貴重な出会いがあり、切磋琢磨しながら卒論や国家試験に向かって頑張ってこられた様子などが伺えました。また、就職活動では決して順調に進んでこられたのではないこと、迷いながらも「管理栄養士の資格を生かして」進む方向で道が開けてきた様子、もちろん企業研究や自己分析も大切だけれども、「運やタイミング、ご縁」などが大切だったと振り返っておられ、そのためにもできることを一歩ずつ進めていかれたことをお話されており、もうすぐ就職活動が始まる学生たちにとっても大きなエールになっていたようです。
現在、株式会社明治の管理栄養士としてご活躍されている前口先生ですが、食と健康のニーズが高まる中、「赤ちゃんからお年寄りまで」全ての世代の健康に貢献すべく、様々な取り組みをされておりました。
「病院・産婦人科における各種指導」「ベビー専門店での栄養相談・サンプリング」「ドラッグストアでの売り場づくり」「栄養セミナー」「イベント対応」と、様々な場面でご活躍されている様子を、一つ一つ丁寧にご説明いただけました。「食品メーカー=商品開発」のイメージが大きいところですが、健康需要が高まる中、健康に役立つ食品(食品素材)をどのように普及してゆくか、というのを管理栄養士の資格を生かしながらセミナー等でお話されたり、災害が多い日本で、防災を意識したドラッグストアでの売り場づくりをされたりなど、学生にも、食品メーカーというフィールドで、管理栄養士という資格をどのように活かしながら活躍されているのか、具体的なイメージが湧きやすかったようです。また、お話の中には、勤め始められたころの苦労などもあり、やはり栄養相談には細やかな配慮が必要なこと、ご相談に来られる方に一方的に話を進めてゆくのではなく、傾聴の大切さを実感したエピソードなどをお話いただいたところが印象的でした。今でも日々勉強をしながら、取り組んでいらっしゃるそうです。
また、今回は、本学学生向けの栄養セミナーのデモンストレーションをして頂きました。テーマは、「ヨーグルトと乳酸菌」として、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の力、「消化・吸収」「栄養・機能」「整腸作用」などについてのお話と、乳酸菌の新たな可能性として、とてもユニークな働きをもつ3つの乳酸菌株についても詳しくお話いただけました。いずれも学生の理解度に配慮いただいたお話で、古くから身近にある乳酸菌の新しい一面などが伺えて、学生たちも興味深く拝聴しておりました。
講義全体を通して、とてもやさしい口調で分かりやすくお話頂き、先生の指導を受けられる方々や栄養セミナーに参加される方々も安心してご相談できるのだろうと推察致します。同行されていた上司の方も「彼女のセミナーはいつもご好評をいただいており、人気の高い講師の一人です。」とおっしゃっておられました。そろそろ就職活動が始まり、いざ社会にでて働くという意識が芽生えてきた学生たちからも、熱心な質問がでており、その一つ一つに対しても丁寧に真摯にご回答いただいていた姿が印象的でした。

この講義を通して感じたこと、学んだことを、学生たちそれぞれの今後に活かしてくれることを期待しています。

また、後輩のためにこのような貴重なお時間を頂きました前口香穂先生の今後のご活躍をお祈り致します。

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