2020年度 食物科学専攻特別セミナー 『食品企業における研究開発の最前線と商品開発を学ぶ』第2回

2020/11/06

2020年11月4日純正館S013教室で食物科学専攻特別セミナー第2回が開催され、63名の学生と9名の教職員が参加しました。

今回はパナソニック株式会社アプライアンス社キッチン空間事業部主任技師の松山真衣氏をお迎えし、「美味しい『冷凍』や調理時の時短・省手間を実現した家庭用冷蔵庫の開発」という題で講演して頂きました。

前半、まず、企業のグローバル展開の中、「各国の食文化によって求められる冷蔵庫のタイプが異なる」という興味深い事実が紹介され、続いて冷蔵庫の基礎原理と主目的(食品保存)が解説されました。後半では、「冷蔵と冷凍の間(微凍結状態)」を実現するパーシャル冷蔵という機能を持たせることで食品の長期保存と調理の利便性を両立させたこと、さらに「急速冷凍」という機能を付加することで「保存庫」から「調理庫」へと発展させ、多忙な現代人の時短・省手間を実現することを目指したという、近年、松山さんが携わってこられた家庭用冷蔵庫開発の経緯が詳細に語られました。

講演後、参加学生からは「パーシャル機能の使い方が初めてわかった。上手く活用したい」「急速凍結と緩慢凍結など、最近習ったことが色々出てきた」「冷蔵庫が保存だけでなく、おいしさを引き出す調理のための電化製品という視点で捉えられていることが興味深かった」「家族の形や地域性などユーザーのニーズに合わせて冷蔵庫が開発されていることに感心した」「家電の開発と食品分野のつながりを知ることができ、視野が広がった」「あえて冷凍して美味しくする方法があると知り、驚いた」といったコメントがありました。

「家電・食品保存・おいしい調理」という希少な組み合わせのお話を冷蔵庫開発者の松山さん自身から伺うことで、普段、食品分野で学んでいる学生達は大きな刺激を受けたようです。講演後に頂いたエコバッグ(写真)も「可愛い!」と大好評でした。

次回、第3回セミナーのテーマは「野菜」です。EVE(大学祭)の初日である 11月20日(金)、楽真館4F R401教室で開催されます。カゴメ株式会社イノベーション本部自然健康研究部長の菅沼大行氏をお迎えし、「野菜を知る・野菜を計る:野菜摂取不足ゼロを目指して」という題でご講演頂きます。菅沼さんには、当日、皮膚のカロテノイド量を簡易測定する装置をお持ち頂き、希望者に対して「野菜摂取量が十分かどうか」を判定して頂く予定です。多数の参加をお待ちしています。

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