現代社会学部公開講座 第37期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第3回『京の町家で紡ぐ、音の物語-ヘルマンハープとともに』
日時:2026年9月19日(土)
ヘルマンハープの誕生は、ドイツでダウン症の息子を持つヘルマン・フェー氏が音楽をこよなく愛す我が子のために開発されたことに遡ります。五線譜を介さずに自らが奏でることができるバリアフリーな本物の弦楽器。この楽器に2003年に日本人として初めて出会い、日本への普及・啓発活動に携わってこられたのが今回の講師、日本ヘルマンハープ振興会会長の梶原千沙都先生です。
まだあまり馴染みのない楽器であるため、最初に振興会のスタッフの方より弾き方の仕組みの説明があり、参加者が実際に楽器に触れていただく体験の機会もありました。ヘルマンハープの楽器の特性は障害がある人への音楽療法として、また音楽の経験の有無を問わずシニアなど幅広い世代に「自分が幸せな思いができる楽器」として受け入れられています。余韻が長く続く音から奏でられる曲、心地よい音量、無理のない奏法、ドイツの職人技による精緻な手仕事による美しいフォルム。そこには人生を心豊かに歩むパートナーとして、誰もが音楽を奏でる喜びが享受できるようにとの願いが込められています。
世界初の体系的な奏法を確立し、ソロ演奏者として国内外で活躍される梶原先生による演奏と歌唱に、美しいオーラに魅せられ、共鳴するかのような参加者の表情が印象的でした。本講座では<シューベルトの子守歌><トロイメライ><オーバーザレインボー><蘇州夜曲>が演奏され、最後に<琵琶湖周航の歌>を会場の方々と共に歌い、京町家は心和む雰囲気に包まれました。誰でも弾ける楽器ではありますが、そこには人間の潜在的な能力を最大限に引き出し、澄んだ音色は聴く人とも響き合い、感動を与える奥深さを秘めている楽器であることを知ることができました。


