現代社会学部公開講座 第36期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第7回『京都の気候を読み解く~暑さ・寒さと気候変動~』を開催
日時:2026年2月21日(土)
昨今の気候変動に関心が高まるなか、自然地理学(気候学)、環境地理情報学がご専門の高橋 信人先生(宮城大学教授)により、「京都の気候を読み解く~暑さ・寒さと気候変動~」をテーマにお話いただきました。
京都は三方が山に囲まれていますが、盆地は一般的に空気が抜けにくく、湿度が低い傾向にあります。暑さの原因として山地に雨を降らせた後、山を越えて吹き下ろす時に気温が上昇して空気が乾燥するフェーン現象、さらに人間活動によって排出される人工排熱、地表がかつての土からアスファルトに変わったこと(土地被覆)、地表面構造の変化による等、ヒートアイランドに起因するものがあります。京都は都市圏である大阪の内陸側に位置するため、海風によって運ばれる都市化の影響も考えられます。一方、冬は盆地特有の気候に加えて日本海からの雨雲・雪雲が流れこむことがあり、頻繁に蒸発熱が奪われて寒くなります。
京都における気温の長期変化の特徴として、夏冬ともに最低気温の上昇率が大きく、8月の最高気温の上昇が大きいと言えます。極域の氷の急速な減少や偏西風の弱化、また夏の高気圧の拡大や近海海水温の上昇の影響があります。近年の冬の気候は統計上では変化が小さいようですが、偏西風の蛇行が大きいことによって暖冬・寒冬の差が相殺されると考えられます。京都の気候は盆地特有の特徴を有すると言われますが、それにとどまらず少し広域からの地形的、都市化による影響、さらに日本を覆う気圧配置にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。

