現代社会学部公開講座 第35期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~  第6回『南山城地域へ向けられた観光のまなざし』を開催

2025/02/26

町家講座第35期の最終日は、本学現代社会学部教授天野太郎先生に「南山城地域へ向けられたまなざし―八幡市を中心として―」と題してお話いただきました。

観光による地域の活性化が政策に応用され、特に過疎化が進む地域では若者や高齢者を巻き込む多世代方社会の必要性が課題とされてきました。ジョン・アーリによって提唱された非日常的な写真的映像にまなざしを向ける「観光のまなざし」に加え、本講座では歴史地理学的観点から京都と八幡に関連する歴史的図像資料をもとに観光拠点の所在と変容が示されました。配布資料に加えて、天野先生が所蔵される「京大絵図」や『京城勝覧』などを実際に見せていただき、歴史的資源の有効活用の可能性について思いを馳せる機会となりました。

八幡市の今後の持続可能な観光振興策として、周辺を含めた地域と連携した空間的分散化によって面的活性化を促す取組みが推進されています。学生らがフィールドワークを通して実装した、二次元コードの読み取りにより見ることができる動画の紹介は、地域の魅力発信のツールとして新たな気づきに繋がるのではないかと期待されます。