現代社会学部公開講座 第35期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第4回『東日本大震災以降の自然災害と防災』を開催

日時:2024年11月9日(土)
今回は弘前大学より小岩直人先生をお招きし、ご専門の自然地理学的な観点から東北地方太平洋沖地震による被害、それ以降の自然災害や防災・防災教育の特徴や変化について解説をしていただきました。
地震発生後に津波が押し寄せた時の様子や、地質調査時に撮影された未曾有の被害状況が紹介されました。1959年の伊勢湾台風を契機に1961年に災害対策基本法が制定され、災害発生後の応急対策が重要とされてきましたが近年、地殻変動が活発になり、台風や前線に伴う大雨による被害も多発しています。このような災害の予防から復旧・復興にいたる一貫した対策の実施が課題となっており、計画的防災行政の推進や地域防災計画を進める必要があります。地域との連携をはかり、各地区の実態にあった防災教育や想定外の災害の発生時に臨機応変に適切な判断と行動ができる対応能力が求められます。最後に地形学的にみた京都盆地における形態・起伏、活断層、地質の脆弱性についての言及がありました。自分の生活する自然環境を知り、そこに潜む災害の危険を認識することが減災へと繋がることを再認識しました。

