現代社会学部公開講座第34期町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第6回『古都・鎌倉における人と自然のかかわり』を開催

2024/02/20

【日時】2024年2月3日(土)

今回の講師は自然地理学・植生地理学がご専門の、東京都立大学教授の吉田圭一郎先生。過去から現在までの人間の活動をうかがい知ることができる「痕跡」を手掛かりに、地域理解を深めることを目的としたフィールドワークを実施されています。自然環境と人間関係の相互依存関係の視点から、今回は鎌倉をご案内いただきました。

鎌倉は地形的には滑川より供給された土砂によって形成された沖積低地です。六浦道や古東海道が通る交通の要衝であったことから鎌倉幕府が開かれ、人・物・情報が往来する中世都市が形成されました。かつては松林が多い地でしたが、現在は常緑広葉樹林が広がり、景観変化が起こっています。

このような現象は鎌倉のみならず、京都にも同様の変化が見られます。沖積低地に形成された鎌倉には微細な高低差が見られ、そこに都市が形成されましたが、その地形的特徴は、現在のハザードマップと重なります。今後、自然災害と向き合うためには、自然地理と地形の上に成り立つ人々の暮らしに基づく研究が重要であると締めくくられました 。

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