現代社会学部公開講座 第34期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第5回『宇治の魅力の歩き方』を開催

2024/01/31

日時:2024年1月13日(土)

 

今回は5名の方にそれぞれ違った立場から宇治の魅力のアプローチの仕方についてお話いただきました。最初に京都府総合政策環境部の地域政策室の岩井瞳さんより、京都市以外のエリアの地域のあり方として、統一テーマのもとで地域の多様な主体がコラボレーションすることによって観光地域づくりに取り組む組織「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の乙訓」が紹介されました。観光地域づくり法人(DMO)がその舵取り役として地方誘客や旅行消費拡大を目指して取り組んでいます。

次に京都府のDMOの一つであるお茶の京都DMOとして上野友也さんより、地域内の具体的な取り組みや今後に向けての課題などがあげられました。平成29年に設立されて以来、行政と一緒になってお茶の京都のブランド力を高め、地域経済の活性化を目指しています。その戦略として潜在的な地域の魅力を顕在化させ、国内外からの関係人口の拡大を図るために着地型・体験型・周遊型旅行商品の開発や、地域ビジネスの創出を促します。エリア内の2次交通の弱さや都市開発の進展、担い手不足による茶園面積の減少は今後の課題です。

続いて本学現代社会学部天野太郎教授より、宇治の魅力の引き出し方を持続可能な発展に向けて、専門の歴史地理学的、かつ観光学的な観点から、宇治地域がどのような歴史的過程で「観光のまなざし」が向けられてきたのか、現在とは異なる構造について紹介するとともに、現在の京都観光の課題であるオーバーツーリズムの解決の一方策として、動画作成が有効であることが論じられました。

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そうしたプロセスを踏まえた上で、本学3年次生の学生から、それぞれに宇治の魅力を若者の視点で収録した動画が披露されました。これらの新しい取り組みは寺社など観光スポットとしての「点」から「線」へと繋ぐツールであり、さらにそれらは地域活性化への貢献、また広く若い世代の関心を取り込む「面」への発展が期待されます。

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