良質な湧き水を求めて、四条醒ヶ井の地に1803年に創業された亀屋良長。今回講師としてお招きした吉村由依子さんは、本学生活科学部食物栄養科学科を卒業後、Le Cordon Blue Paris校へ留学してフランス料理を学ばれました。

帰国後、亀屋良長八代目との結婚を折に和菓子の世界へ入り、挑戦が始まりました。伝統を重んじる体質の和菓子の世界へ新しい感性が吹き込まれ、様々なヒット商品が誕生する転機となりました。時代のニーズに合った楽しく喜んでもらえるお菓子、身体に優しい素材を使って考案したもの、また和菓子にあまり馴染みのなかった若い世代を含む幅広い世代の目に留まるものなど、今に寄り添うお菓子の可能性を広げられていらっしゃいます。

かつては全員が男性であった従業員は、現在は女性が６～7割を占めるようになったとのことでした。創業以来の伝統を重んじながらも、未来を視野に入れた新たな取り組みは、伝統産業の課題解決のロールモデルになっていくことでしょう。