現代社会学部公開講座 第33期 町家講座~京町家で学ぶ歴史と文化~ 第6回『截金のいまとあす』を開催しました

2022/11/17

11月12日(土)に截金作家の江里朋子氏をお迎えし、『截金のいまとあす』と題して講演いただきました。

截金は仏教伝来とともに仏教美術の荘厳技法のひとつとして日本に伝えられました。その技法は金箔を数枚焼き合わせて、竹刀で線状に截ったものを1本ずつ貼って、模様を描き出します。道具は静電気を起こさないために主に竹製のものを使います。接着剤として膠と布海苔を混ぜ合わせたものを用い、左手の筆に線状の金箔を巻きつけて垂らし、右手に持つ筆に糊を含ませ、金箔を置きながら模様を紡ぎ出します。

截金は仏像や仏画の荘厳のために使われたものでありましたが、重要無形文化財「截金」保持者であった母親の江里佐代子氏が、截金のすばらしさを多くの人に知ってもらうために茶道具などの工芸品も手掛けるようになりました。漆でコーティングする透塗すかしぬりという新たな技法も生み出されました。

今後は異分野の作家とのコラボを通じて新たな可能性を開いていくとともに、截金が元来もつ精神性を忘れることなく、時代に合った表現をして可能性を広げていきたいとお話しいただきました。当日は仏師であるお父様の江里康慧氏もお見えになり、仏像とその加飾荘厳に欠かせない截金の関わりについて少しお話をいただきました。

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