現代社会学部公開講座 第32期 〜京町家で学ぶ歴史と文化〜 第7回『京都における少子高齢化問題』

2021/12/08

今回の町家講座は、本学現代社会学部社会システム学科教授、倉持史朗先生を講師に「京都における少子高齢化問題」について、講演いただきました。また、リモート開催と対面聴講を取り入れたハイブリッド型にて開催いたしました。

京都市の少子高齢化の現状は数多くの問題点をかかえています。健康寿命、つまり健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間が京都府民は統計的に短いと言われます。子供の人口比率は全国平均より低く、少子化問題の加速化が進んでいます。また子育て世代・担税力の大きい世代である25歳以上45歳未満における転出から転入数を差し引いた転出超過人数についてもこの5年間、転出超過の状況にあります。介護福祉の分野においては、京都市が推進する地域包括プラン等と現状には乖離がみられます。介護保険サービスの認定を受けながらも様々な理由によりサービスを利用していない数が38.1%にのぼるにもかかわらず、65歳以上が加入する京都市の介護保険料が高いという矛盾もあります。今後は高齢者の数が増えることによって、さらなる財政負担や介護専門職員不足等が予測され、また少子化問題に関しては、保育や幼児教育の提供確保や質の向上についても財政面や指導を含めた体制作りが必要となります。しかしながら京都市は巨額な財源不足に直面しているため、市独自の福祉・子育て支援や援助の見直しを迫られているのが懸念されるところです。

少子高齢化問題は、京都だけではなく現代社会を生きる私たちにとって避けては通れない問題です。今回、京都が抱えている問題について講演いただいたことで改めて考える機会となりました。

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