町家講座 第32期 京町家で学ぶ歴史と文化 『落語2席』

2021/06/29

6月から始まった第32期町家講座の初回は、京都府・大阪府など近畿地方に緊急事態宣言が発出されていた状況の中、Webexでのリモート開催となりました。今回は落語家の桂九雀さんによる落語を通して、今日のコロナ禍における一服の清涼剤となるよう町家落語を実施しました。落語家にとっては、聴衆の表情や反応が不可欠であることから、その改善策として高座の正面に設置した大きなスクリーンに参加者を映し出ながら講演を行うこととなりました。

最初の演目は在原業平が詠んだ「ちはやぶる 神代もきかず 龍田川…」を咄嗟の機転で珍解釈が連発される「千早振る」。二席目の「井戸の茶碗」では屑屋の手に渡った茶碗は、高級な井戸茶碗と呼ばれる高麗茶碗であることが判明するが、下心のない実直な人の手に渡り続け、話はさらに高額なものへと展開しました。

掛け合いで演奏された三味線の音色が町家の会場に心地よく響き、通りを歩く人々も町家から漏れ出る音色と声色に思わず足を止めるような状況でした。「コロナ禍で疲弊している心が、桂九雀さんの落語のおかげで笑顔になり、心が軽くなって癒された」と聴講者の方からの声が届いたことからもわかるように、第32期の町家講座が、遠隔地との人と人、こころを繋ぐリモート開催の長所も活かしながら始まることとなりました。今後の感染状況も踏まえながら、限定的な会場参加も交えたリモート+対面のハイブリッドでの運用も視野に入れながらの連続講座の開催となりました。

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