京都・伏見地域の成立と展開に関するフィールドワーク
日時:2025年12月10日(水)
授業:京都・大阪・奈良フィールドワーク
担当:天野 太郎 教授
京都南部の伏見地域は、伏見街道・竹田街道・鳥羽街道などの街道と、淀川水運とを結ぶ古代から京を支えてきた交通の要衝にあたります。こうした地域の特性を活かして伏見城やそれに伴う港湾、さらには酒造業が発展してきました。そうした水運と結びついて発達してきた伏見について、伏見城の痕跡を辿りながらその構造を理解するために、指月伏見城の跡や、その後の桃山御陵へとつながる木幡山伏見城の対比について現地学習を行いました。
また酒造業の成り立ちと今日の成り立ち、伏流水の特質を考えるために御香宮神社、月桂冠大倉記念館を訪問しました。酒造の仕組みから樽の構造まで解説を伺いながら、なぜ伏見が全国有数の日本酒生産地たりえたのか、その立地と流通の側面から考察を行いました。さらに、そうした製造品を大坂や江戸に運搬するために重要であった伏見港についても理解を深めるために、船宿の寺田屋にみられる港湾史跡の見学などを通して港湾の歴史を学ぶ機会となりました。

