平和学習の拠点と教員養成の「聖地」ならびに大阪地域の歴史的・地理的概要を俯瞰するフィールドワークを実施

日時:2024年11月16日(土)
授業名:教職実践演習
担当者:天野太郎 教授
参加学生:16名
中学校・高校社会科・地歴・公民科教員養成課程においては、地歴・公民という社会科全般にわたる知識・技能はもちろんのこと、最新の動向も含めて広領域の学びと探究心が必須の要件となっています。
今回の教職実践演習では、そうした社会科全般にわたる教育の補完として、まず大阪市中央区にあるピース大阪を訪問して、地域の平和学習を実施しました。大阪は、近代初期には人口が日本最大規模となり「大大阪」と称されていましたが、同時に日本有数の軍需工場も集積していました。そうした大阪市では、とりわけ戦争末期からの数度の大規模空襲により甚大な被害を受け、とりわけ軍需工場の多い森ノ宮・京橋周辺では終戦前日までの空襲により一般市民も大きな犠牲を強いられました。そうした近代における歴史的な都市形成史や戦争に至る背景、戦時中の市民の生活などについて、大阪国際平和センター(ピース大阪)において学習を行いました。とくに現在はシベリア抑留に関する企画展を実施しており、そうした戦後にまで及ぶ戦争の影響についても実践的な学びを得ました。
また、このピース大阪周辺には、中世のキリスト教関連遺構である細川ガラシャの越中井や、古代の難波宮跡などの史跡もあり、そうした関連遺構についても学びを深めつつ、大阪歴史博物館にて今日にいたる大阪の歴史的な重層性についても多角的に学習を行いました。
最後に、自然災害における殉職教員の慰霊施設である教育塔を訪問し、教員養成の重要性と社会的な意義について再認識する機会を得ることができました。



