現代社会学部公開講座 第31期 町家で学ぶ京都の歴史と文化 ~第3回『新島八重から学ぶ女性の生き方』~

2020/12/17

今回は同志社女子大学 准教授 山下智子先生を講師にお迎えし、「新島八重から学ぶ女性の生き方」と題してご講演をいただきました。

大河ドラマ『八重の桜』の主人公として多くの人に認知されることとなった新島八重は、福島県の会津若松の武士の娘として生まれました。兄の山本覚馬の先進的な影響を受け、男性にも負けない勇ましい姿で戊辰戦争を戦い抜きましたが、この戦争により父と弟は亡くなってしまいました。兄の山本覚馬も行方がわからなくなっていたが京都で生きていると聞き上洛しました。後の夫である新島襄とは、第4回京都博覧会で出会いました。翌年、新島襄と八重は結婚し、襄の妻として歩むことになりました。八重は14年間の結婚生活の中で、同志社女学校で礼法の教師として活躍し、キリスト教に基づいた男女平等の価値観を定着させました。襄の死後は、日清戦争・日露戦争で篤志看護婦として活躍し、日本女性初の看護師の一人として「日本のナイチンゲール」と言われています。この戦争では、元々敵であった薩摩藩の人間も看護したことから、八重らしい「隣人愛」の形が垣間見えたところでしょう。

本日の講座から、新島八重さんの生き方を改めて知ることができ、自分が自分らしく生きるためのヒントを得ることができる有意義な講演となりました。さらに女性が活躍する社会を推進している現代においても、己の生き方、考え方を今一度見直す機会となったという参加者の声も聞かれました。参加者:18名

201214_social_report_1.jpg