京都・伏見地域の成立と展開に関するフィールドワークを実施

2023/11/20

科目:京都・大阪・奈良フィールドワーク

日程:2023年10月25日(水)

担当:天野太郎 教授

 

京都南部の伏見地域は、伏見街道・竹田街道・鳥羽街道などの街道と、淀川水運とを結ぶ古代から京を支えてきた交通の要衝にあたります。さらに豊臣秀吉の築造による伏見城郭・城下町を中核として現在まで続く伏見市街地が広がっています。そうした水運と結びついて発達してきた伏見について、まず伏見城址と明治天皇陵の見学を行いました。「桃山御陵前」という駅名は知っている学生が多いものの、その桃山御陵の成立の背景や、なぜこの場所に御陵が造営されたのか、当時の時代背景とともに学ぶことができました。さらに、城下町の構造の特徴や「銀座」の成立など、今日の日本社会の中で普通に見聞することがこの伏見の地で育まれてきたのかを実感することができました。

そして、酒造業の成り立ちと今日の成り立ちを考えるために月桂冠大倉記念館を訪問しました。酒造の仕組みから樽の構造まで解説を伺いながら、なぜ伏見が全国有数の日本酒生産地たりえたのか学習を行い、その背景となる伏流水に関連して、御香宮神社の立地についても考察するために足を運びました。さらにそうした製造品を大坂や江戸に運搬するために重要であった港についても理解を深めるために、港湾史跡の見学や、十石船の乗船を通して港湾の近代化などの重層的な歴史を学ぶ1日となりました。

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