助けてといえるあたたかな居場所づくり~コミュニティカフェの取り組みに学ぶ~

2022/07/25

日時:2022年7月16日(土)
「応用演習Ⅰ」 担当:山下智子

 

現代社会学部社会システム学科ライフデザインコース「応用演習Ⅰ」の学びの一環として、3回生ゼミ生16名で京都市内の2か所のコミュニティカフェを巡るフィールドワークを行いました。いずれのカフェも、本学同様、キリスト教の精神が活動の背景にあります。

最初に、日本キリスト教団京都教区とバザールカフェプロジェクトの協働で営業されている「バザールカフェ」を訪れました。バザールカフェは新制同志社女子大学初代学長であったヒバード先生や同僚のクラップ先生がお暮しになった宣教師館(クラッパードイン)で活動しており、その点でも本学とかかわりが深いです。

バザールカフェではセクシュアリティ、年齢、国籍などの異なる多様な人々が、互いを理解し合う場、働く場、ネットワークづくりの場などとして、多面的の働きがなされています。店長さんや大学3回生の時からかかわっている運営委員の方など、それぞれの立場からのお話を伺い、意見交換をしました。

次に公益財団法人である「京都YWCA」を訪れました。京都YWCAの敷地内にはふれあいの居場所食堂「うららかふぇ」のほか、サービス付き高齢者向け住宅「サラーム」、自立援助ホーム「カルーナ」、女子留学生寮「あじさい寮」、京都市認可「あじさい保育園」があり、女性が中心となって「多世代・多文化ふれあいコミュニティづくり」に取り組まれています。今年4月からは「うららかふぇ」にて若い女性のための居場所づくり事業「Yここキッチン」の取り組みもスタートしました。主事さんより館内を丁寧にご案内いただいたのちお話を伺い、理解を深めました。

それぞれに異なる特色をもった2つのコミュニティカフェですが、「居場所づくり」「助けてといえる場所」「支援する側/される側の区別がない」など共通して大切にされている点があります。現代社会において出会う一人ひとりを大切に歩むそれぞれのカフェの取り組みは、参加した学生たちにとっても大変心に響くものであったようです。

なお「バザールカフェ」「うららかふぇ」ともにヴォーリズ建築の古い洋館をカフェとして活用していますので、そうした意味でもキリスト教の価値観や文化の豊かさに触れ有意義な学びの時間となりました。

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撮影時のみマスクを外しています