鴨東・岡崎地域における近代期の都市開発を辿るフィールドワーク

2021/11/12

京都・大阪・奈良フィールドワーク(水2・3)担当:天野 太郎

東山山麓を含む鴨東地域は、古代からの京都への主要街道・東海道の入り口にあたるとともに、近代期には琵琶湖疏水開削といった陸路と水路の古代〜近代にわたる結節点となっていました。また、交通の要衝である同時に、その結節性を重視してとりわけ近代期の京都の発展を支える重要な意味を有してきました。

このような観点から、近代期の陸軍測量図、絵図資料や担当者の執筆した解説書をもとに現地の地域的特質を把握した後に、まず琵琶湖疏水の開発を見学するため、疏水施設(蹴上水力発電所、九条山ポンプ場)を見学しました。さらに南禅寺境内に存在する琵琶湖疏水の疏水分線を支える水道橋・水路閣の成立と都市景観に与える意味についても学習を行いました。

この岡崎の地は、明治28年(1895)に第4回内国勧業博覧会会場となり、さまざまな近代的な技術や各地の産物が集い展示・交流する場となりました。その跡地は、日本で2番目に誕生した動物園や、美術館・博物館へと連続性を持って展開していますが、そうした諸施設を見学するとともに、近代期に作られた「平安神宮」を事例としながら、観光のまなざしと共に発展した寺社や,疏水の水利用の一環である近代庭園を見学し、「京都らしさ」の本質的なあり方について学ぶことができました。

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