実施方法

本学薬学部の教育では、下記の図2に示されている項目を番号順にこなしていくわけではなく、また実際の講義や実習にあたって、各授業科目とユニットが一対一に対応してはいません。それは皆さんの理解のしやすさを考え、再編成した結果です。例えばコアカリキュラムでは薬の作用と副作用を同じ細目の中で扱うことになっていますが、副作用の部分だけを取り上げて詳しく解説することが必須であり、別に専門の講義を設けています。また、A群(ヒューマニズム)は全学年を通して組み込まれていますが、その内容は、各講義の中で少しずつ触れられています。さらに、コアカリキュラムは最低限確保しなければならない部分(全体の7割)であり、各大学は独自に3割の発展的内容を加えることになっています。このコアカリキュラム外の項目に関しても、独立した科目にせず、関連する各ユニットに追加する形で行う場合がほとんどです。

【図2】

薬学教育モデルコアカリキュラム 図1

次の図3は、上記のコアカリキュラムの各ユニットに、それぞれの講義科目を当てはめたものです。各講義科目は各ユニットの内容にもっとも近いものに近接させていますが、上述の理由から、完全に一致しているわけではありません。1回ごとの講義目標は、各講義科目にリンクが張ってあるシラバスを参照してください。各科目のシラバスには、コアカリキュラムのどの部分を扱っているのかが明記されており、全体としてコアカリキュラムのSBO全体をカバーし、かつ大学独自の項目も付け加えられています。

【図3】

薬学教育モデルコアカリキュラム 図2臨床医学概論 薬物代謝学 医薬品分析化学II 物理薬剤学 医薬品有機化学I 臨床薬剤学I 臨床製剤学 薬物作用学I 薬理学II 薬物作用学II 薬物治療学II 薬物治療学I 基礎生物学 機器分析学 創薬有機化学I 微生物学 病態生理学 医薬品有機化学II 食品衛生化学 基礎数学 生薬学 医薬品物理化学I 薬剤管理指導特論 薬事法規・制度 日本薬局方概論 薬業経済学 薬局管理学 衛生化学 医薬品物理化学II 調剤学 薬物動態学I 薬物動態学II 臨床薬剤学II 臨床検査学 医薬品情報学 臨床薬理学特論 医療安全性学 臨床医学概論 生体有機化学 病態生化学II 病態生化学I 創薬理論科学特論 内科学総論 薬理学I 薬理学特論 医薬品毒性学 生化学I 免疫・感染症学特論 機能形態学I 公衆衛生学 天然医薬品化学 天然薬物資源学 病理学 生体分析化学 機能形態学II 環境衛生学 分子生物薬学 免疫・感染症学 院内感染対策特論 生化学II 医薬品無機・放射化学 東洋医学特論 新薬開発特論 臨床栄養学特論 基礎物理化学 医薬品分析化学I 臨床病態生化学 基礎化学 創薬有機化学II ゲノム創薬特論

薬学の領域は基礎から臨床まで幅広く、薬剤師はそれらすべてに関して一定以上の知識と能力を身につけていることが要請されています。学生諸君は、特に低学年の時期には、現在学んでいる科目が一体何をめざしているのか理解しづらく、学習の目標を見失うことがあるかも知れません。そういう場合に、まず図に示した全体像を理解したうえで、各ユニットの位置づけをつかみ、その中で当該の科目が何をめざしているか、そしてそれが毎回の講義・実習でどのように達成されているかを確認するようにしてください。



薬学教育モデルコアカリキュラム