宗教部長からのメッセージ
新入生のみなさま、ご入学おめでとうございます。そして、同志社女子大学へようこそ!
新しい命の輝きに満ちた春です。今、みなさんはどんなお気持ちでしょうか?おそらくこれからの大学生活で与えられる、素晴らしい出会いや経験、学びを想像し、希望で胸が一杯でしょう。同時に、新たな環境を歩み始める不安もあることと思います。もしかすると、私たちを取り囲む世界や社会の状況と、その中で見聞きし、あるいは実際に直面した困難さが、心配をより大きくしているのかもしれません。
同志社の創立者である新島襄は、若い頃に聖書の言葉「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3:16)と出会い、この聖句を「聖書の中の太陽」と呼び、生涯最も愛しました。「独り子」とは「イエス」のことですが、新島は聖書の伝えるイエスの言葉や生き方に、太陽のように私たちを明るく、温かく包みこみ、人として成長させる愛の力を見出したともいえるでしょう。
「他者を尊重すること(隣人愛)」を何よりも重視したイエスの言動は、時に私たちには理解しがたく「なぜ?」との疑問を生じさせるものです。しかし、そのような新たな価値観に出会うことは、私たちが乗り越えられそうにないと感じる個人的・社会的課題に真摯に取り組み、日々出会う様々な人々と共に歩もうとする上で大きな助けとなりうることです。
自分自身も、自分とは様々な点で異なる他者も、「大切な一人」として受けいれつつ、ぜひご一緒に、ますますぬくもりにあふれた学びの共同体、あたたかな居場所を見出すことのできる同志社女子大学としていければと願っています。宗教部では、そうした願いから、皆さんに様々な出会いと経験の機会を提供するとともに、日々の心配や不安に寄り添うための活動を行っています。どうぞお気軽にいらしてください。
みなさまの毎日の歩みがすべて守られ、喜びの多いものでありますよう、心から願っています。
宗教部長 山下 智子