
新たな気づきが生まれる場に。
美味しく食べて健康を維持する革新的な食事法
おいしく食べて体重を維持したいのは多くの方の願いです。エネルギーが低くても満腹度・満足度の高い食事のデンシエット弁当を作成してきました。デンシエット(Densiet)は密度(density)に注目した食事(diet)という造語です。
栄養バランスを楽しむ
米を主食とし、野菜が多く脂質が少ない日本食の良さを活かした食べ方のコツを客観的にお伝えできるように数値化してきました。この食材さえ食べれば良いということではなく、バランスよく食べること、また、食材に旬がありますので、その良さを取り入れ食事を楽しむことをコンセプトにしています。
デンシエットによる新たな食事システムの構築
デンシエット組成に準拠すれば、企業は、付加価値の高いお弁当を提供することができ、消費者は、自分の思考に合う食べ方を選択することができるシステムを構築し、研究を社会実装してきました。また、わかりやすくそのコツを伝えるため、栄養川柳も作成しました。「カルボナーラ 減量中は サヨウナーラ」といった具合です。48音ございますので、続きはWebサイト(カロリー密度 ( Calorie density) | デンシエット (Densiet))をご参照ください。
高齢者向けの新しい食事戦略
現在の研究では、これまでのデンシエットの発想を逆転させ、高齢者向けの高カロリー密度食に注目しています。高齢者は加齢とともに食欲が低下し、低栄養のリスクが高まるため、エネルギーを効率的に摂取できる食事設計が求められます。特に、フレイル(加齢による筋力低下)やサルコペニア(筋肉量減少)を防ぐため、たんぱく質、脂質、微量栄養素をバランスよく摂取できる食事の開発を進めています。たくさん食べられなくなった方に、たくさん食べるように栄養指導するのではなく、少量でも栄養を摂取できる食品があるといいなと思いました。高齢者に不足しがちなたんぱく質や脂質を補ったり、食べやすい物性の介護食の開発を目指しています。また、高齢者はせっかく食べた栄養が身になりにくい状態でもあります。その原因を改善する栄養素を添加した食品の開発にも取り組んでいます。
栄養学×フードテック×データサイエンスの融合
未来に向けて、栄養学とフードテック、データサイエンスを統合した新しいアプローチを確立することが重要です。日本食の良さや世界的な人気は異論がないと思いますが、その特徴を可視化するため、現在日本人が食べている栄養素のうち、たんぱく質をアミノ酸、脂質を脂肪酸まで詳細に計算しました。
世界の食文化と日本食の栄養特性の比較
日本だけでなく、アメリカ、地中海、インドネシアの国も計算しています。欧米の方々は体格が日本人よりも大きく、発展途上国の方は小柄なことが多いです。そこで、体格差を考慮して1000kcalあたりで表示することで、今までわからなかった日本食の特徴を改めて示すことにも取り組んでいます。この結果は、今後、家庭で包丁を使い調理していたことが、近未来的に、ロボットや機械が家庭でも調理してくれる際に必要な栄養素の設計図に貢献できると思います。また、持続可能な地球規模の課題を解決するためには、食品廃棄物の削減や資源の有効活用を目指したアップサイクル技術の導入や、未利用食品の利用が、食品産業全体のサステナビリティを高める重要な鍵となります。フードテックとデータサイエンスの活用により、環境負荷を抑えながらも高品質な食品を提供することが必要だと思います。 今後も、これらの分野を横断的に研究し、社会に貢献できる新たな栄養学のあり方を探求していきます。
取材に関するお問い合わせ
取材のお申込みをいただく際には、以下の注意事項をご確認いただき、「取材申込書」をご提出ください。