【学生インタビュー】2024京都・ミスきもの 岡口万海さんと内藤菜奈さんにお話をお聞きしました!

和装振興と観光都市・京都のPR推進活動を行う「京都・ミスきもの」。岡口さん(写真左)と内藤さん(写真右)は、京都市役所や京都府庁など各所への表敬訪問、京都劇場で開催されるファッションカンタータでのお客様のおもてなし、祇園祭での花笠巡行、京都物産展や京都マラソンなどの各種行事やレセプション、イベントへの参加、テレビ・ラジオへ出演など、精力的に活動されました。任期を無事に終えられたお二人にお話を伺いました。
「京都・ミスきもの」への応募について
Q.応募されたきっかけを教えてください。
曾祖父が呉服屋を営んでいました。その影響もあり、幼い頃からきものが大好きだったこと、大学で京都の文化や歴史について学び、さらに京都やきものが好きになり、新しいことにチャレンジしてみたいという思いが芽生え、思い切って応募しました。また、この活動について知ったきっかけが、本学Xで同女の先輩が京都・ミスきものとして活動されていた投稿を見たことなんです。「これはご縁かもしれない!」と感じたことを今でも覚えています(内藤さん)。
成人式の日、華やかなきものに袖を通した瞬間、その美しさに圧倒されました。きものは、ただ外見を引き立たせてくれるだけでなく、背筋が伸び自然と凛とした気持ちになれるんです。そんなきものの持つ力に魅力を感じました。そして、京都の大学に通っているからこそできる、何か特別なことに挑戦したいと思うようになり、オーディションに挑戦しました(岡口さん)。
Q.選出されたときのお気持ちはどうでしたか。
きものや京都の文化について学び、歩き方や所作の練習を重ね、努力をして本選考会に臨みました。だからこそ、選ばれた瞬間は素直に嬉しい気持ちと何よりもいつも近くで支えてくれた家族への感謝の気持ちが込み上げました。また、歴史ある京都・ミスきものの一員として活動できることに、改めて身の引き締まる思いがしました(内藤さん)。
本選考に向けて研修を受講し、自分で着付けができるように練習を重ねるなど、私なりに精一杯努力をしました。その分、自分の名前が呼ばれたときは言葉にならないほどの喜びでした。「こんな大役が自分に務まるだろうか」という不安もありましたが、2024京都・ミスきものの仲間をはじめ、多くの方々に支えられて活動を無事に終えることができました(岡口さん)。
「京都・ミスきもの」の活動について
Q.活動の中で印象に残っている出来事やエピソードはありますか?
全国各地の百貨店催事場で開かれる「京都物産展」ですね。現地を訪問し、京都の味や工芸品等をPRすることができました。4月中旬、長野県松本市へ伺いました。これは、2024京都・ミスきものとして初の派遣活動であり、さらに遠方での活動ということもあり、緊張と不安でいっぱいでした。しかし、松本市の皆さまが温かく迎えてくださり、そのおかげで無事に務めを果たすことができました。初めての経験に戸惑うこともありましたが、皆さまの優しさに支えられて、京都・ミスきものの活動が成り立っていることを実感しました。活動の合間にはみんなで集まって食事に行くことも。そんな何気ない時間もまた、大切な思い出のひとつです(岡口さん)。
Q.伝統文化を広める活動を通じて、新たに学んだことや感じたことはありますか?
活動の際に身にまとった京友禅の振袖と西陣織の帯。その華やかさに目を奪われる一方で、それが一人の職人が手がけるものではなく、実は分業制によって多くの職人の手を経て生み出されていることに驚かされました。それぞれの工程に、職人が長年培ってきた技術と熱い想いが込められており、どの工程も決して欠かすことのできない大切な役割を担っています。伝統として受け継がれてきた着物文化が、こうして今も息づいているのは、多くの職人たちの努力と情熱が絶え間なく注がれてきたからこそ。そうした背景を知ることで、着物文化を未来へと繋いでいくことの大切さを実感しました(内藤さん)。




「京都・ミスきもの」の活動を通して感じたこと
Q.きものを通じて、日本の文化に対する意識に変化はありましたか?
幼いころからきものが好きで、大学でも日本文化を専攻するなど、もともと日本の伝統には興味を持っていました。これまでは、表面的なきものの柄や色、それらの美しさに注目しがちでしたが、経験を重ねることで、それぞれの柄や色に込められた意味を知りたいという思いが湧いてくることも。日本文化の奥深さに触れるたびに新たな発見があります(内藤さん)。
Q.同志社女子大学での学びが、この活動に役立ったと感じた点があれば教えてください。
大学では、京都のまちを散策し歴史を学ぶことや、京ことばや染め物の実習、日本文化についてなど、多くの視点から京都を学ぶ機会がたくさんありました。仙台の藤崎百貨店へ派遣された際、「第51回京都歴代のれん市」で、自分が学んだ体験や感想を踏まえて、お客様に京都の魅力をお伝えすることができ、喜んでいただいたことは大切な思い出です。同志社女子大学での学びを、京都・ミスきものの活動にたくさん活かすことができ、先生方や大学の環境に感謝の気持ちでいっぱいです(内藤さん)。
Q.「京都・ミスきもの」の活動を経験したことで、今後挑戦してみたいことや、将来の夢に影響はありましたか?
この一年間の活動を通して、ますますきものに魅せられています。特に最近は、きもののコーディネートに興味を持っています。例えば、帯揚げの色を変えるだけで印象が大きく違って見えたり、季節のイベントに合わせた帯留を選んだり。そんなことを考えて、迷うことでもワクワクした気持ちになります。いつか、着る方の雰囲気に合ったコーディネートを提案し、さらに着付けをすることもできたらと思っています(岡口さん)。
最後に
Q.最後に、この経験を通して伝えたいことがあればお願いします。
最初は正直、不安な気持ちでいっぱいでした。自分の知識や経験が足りないのではないかと迷うこともありました。でも、そんな時に出会った多くの方々が温かく支えてくれました。大好きな着物や京都について学びながら、私自身も少しずつ成長できたと感じています。今後も挑戦する気持ちを忘れず、きものや京都、日本文化の魅力が多くの方に届き、次の世代へとつながっていくように努力していきたいです(内藤さん)。
きものは敷居が高いもの、と思っている方が多いと思いますが、今は普段着として着られるきものもたくさんあります。一度着てみると、その独特な魅力に引き込まれるはずです。自分自身の中に新しい何かが芽生えるような、そんな感覚を覚えるんですよね。また、京都きものオーディションに少しでも興味を持った方は、勇気を持って応募していただきたいです。きものの美しさや、京都の伝統文化を一緒に伝えていける仲間が増えることを心から願っています(岡口さん)。
プロフィール
同志社女子大学 表象文化学部日本語日本文学科3年次生
内藤菜奈
同志社女子大学 生活科学部 食物栄養科学科管理栄養士専攻4年次生
岡口万海