2026年5月 今月のことば

2026/04/30

「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」

《マタイによる福音書 7章13~14節》
日本聖書協会『聖書 新共同訳』より
 

人生には多くの選択の場面が訪れます。言い換えれば、私たちは数々の選択の積み重ねによって、今の自分に至っています。この聖句は私たちの日々の「選択」に道標を示すもののように思えます。一見すると「ストイックな選択の勧め」とも読めますが、必ずしもそれだけではないと感じています。

 「広い門」はそこに至る道も広く、大勢の者が行き交い、誰もが選びやすいものです。そのため熾烈な争いが避けられないかもしれません。一方で「狭い門」は、そこに至る道も細く、なかなか人が選ぼうとしないものです。一見すると魅力に欠け、気づかれにくいものかもしれません。しかし、その「狭い門」こそが「命に通じる」、すなわち豊かな未来へとつながる門である可能性があります。ある意味では競合するライバルも少なく、結果的に成功につながりやすいとも言えるでしょう。大学院生のころ、恩師からいただいた「複数の選択がある場合は、難しいほうを選びなさい」という言葉とも通じるものがあります。

年は、コスパやタイパといった効率を重視する価値観が広がり、効率が悪く見えがちな「狭い門」を選択するものは少ないことでしょう。だからこそ、
あえて「狭い門」を選択することに大きな意味があるのではないでしょうか。細い道を歩む過程で多くの試練を経験し、成長し、そして競争の激しさに振り回されることなく、自分の力を発揮できる場にたどり着くことができるのです。

また、恩師からいただいた「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」という言葉も思い出します。窮地や逆境に陥ったとしても、それらを乗り越える過程で多くの発見や成長の機会が与えられます。振り返れば、そのピンチがあったからこそ進歩や飛躍できたと感じる場面を何度も経験してきました。

近年、ダイバーシティの拡大により、多様性を尊重し、よりよい社会を目指す動きが広まっています。そのような観点からも、少数派とも言える「狭き門」を選択することには価値があると思っています。そう考えると、「命に通じる門」は「狭い門」であるということにも、より深い納得が得られるのではないでしょうか。

皆さんの日々の選択が、幸福と成功へとつながることを願っています。(MK)