2024年4月 今月のことば

2024/04/01

イエスは言われた。「わたしだ。恐れることはない。」そこで、彼らはイエスを舟に迎え入れようとした。すると間もなく、舟は目指す地に着いた。

《ヨハネによる福音書 6章20~21節》
日本聖書協会『聖書 新共同訳』より

 


みなさんが同志社女子大学に入学された目的はなんでしょう?「目的を見つけることが目的です」という方もいるかもしれませんね。では、その目指すところにたどり着くにはどうしたらよいでしょう?

あれこれ考えはじめると、かえって何が正解なのかわからなくて不安になり、まったく前に進めなくなりそうです。加えて最近は「コスパ」「タイパ」などが求められがちですので、なお自分に自信が持てないということも起こるかもしれません。

ただ、当たり前のことですが、ゴールに近づくためには「歩きはじめる」ということが不可欠です。一歩を踏み出せば、それがどんなに小さな一歩であっても、必ずそれだけ前に進みます。

アメリカの思想家で詩人のH・D・ソローは「最も速い旅人は、足で歩く人である」(今泉吉晴訳『ウォールデン 森の生活』小学館文庫、2016)といいました。人はどこかに行くために、まず手段のことで悩み、さらにそのための費用を稼ぐことをしがちですが、もしすぐに歩きはじめたら、その方が早く着くのではというのです。

考えてみると飛行機や新幹線は確かに速いですが、足元に咲いている小さな花を見つけたり、さわやかな風を感じたりということも、ゆっくり徒歩で行くからこそ得られる発見や感動です。同じように、勇気をもって自分なりに人生を歩みだすからこそ与えられる出会いや経験があり、それにより私たちはありのままの自分を肯定し、どんな歩みであっても素敵で、間違いなどない、ということを確認できるのではないでしょうか。

新年度を歩みはじめるあなたを、神さまがいつも共にいて守り励まして下さいますようお祈りします。

 (B.D.)