2021年9・10月 今月のことば

2021/09/24

賛歌。感謝のために。全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ。
喜び祝い、主に仕え 喜び歌って御前に進み出よ。
知れ、主こそ神であると。主はわたしたちを造られた。
わたしたちは主のもの、その民 主に養われる羊の群れ。
感謝の歌をうたって主の門に進み 賛美の歌をうたって主の庭に入れ。
感謝をささげ、御名をたたえよ。

(詩編 100編1~4節)
日本聖書協会『聖書 新共同訳』より


この詩編から、神殿へと人々を招き、励まし、神殿での礼拝でみんなの心を一つにしていく光景や同じ場所に集まれなくても、主なる神様を礼拝せよ、という招きの光景が想像されます。

私がこれを書いている今、東京オリンピックが終わったばかりです。世界中から多くの選手や関係者が日本に集い、ハイレベルな競技を繰り広げ、多くの感動を私たちに届けてくれました。その中で、オリンピックに参加している多くの選手が、支えてくれた人々への感謝の言葉を口にする光景をよく見かけました。新型コロナウィルス感染症の流行により、入国が制限され、世界中から観客を迎えることができず、日本人の観戦も制限され、ほとんどの競技会場で無観客開催となりました。そのため、選手のみなさんを支え、応援する多くの人々がテレビやインターネット、SNSを通じての応援となり、また選手のみなさんもその応援を直接肌で感じることはできず、今までにない状況の中でオリンピックが開催されました。近年の通信技術の急速な進歩の恩恵を受け、たとえ選手と支援者の両者が同じ会場に集うことはできなくても、遠方からの応援でも、お互いの思いを一つにし、同じ場所に集えないからこそ、いつも以上にお互いへの思いを馳せながら応援し、選手のみなさんはその思いを感じながら競技をしていたのではないでしょうか。

新型コロナウィルス感染症は、オリンピックだけでなく様々なところに影響を与え、世界中で変革の必要性に迫られ、学会や会議、研修、講義なども遠隔での実施となっています。それにより、今まで交流することのなかった人や物との交流の幅が広まったことも事実です。変化にはネガティブなことばかりではなく、新たな可能性も包含されています。感染が終息した後も、私たちのすべてが元通りになることはなさそうです。同じ場所に多くの人が集うことが無くなるわけではありませんが、集い方に様々な変化が起こると思います。その中で、お互いに感謝を共有でき、喜びあえるあり方を模索し、選択していくことが、今後のわれわれに課せられた新たな課題ではないでしょうか。

(M.W)