2019年6月 今月のことば

2019/06/03

希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。


(ローマの信徒への手紙 5章5節)
日本聖書協会『聖書 新共同訳』より


キリスト教の三大祝日をご存知でしょうか?まずイエス・キリストが生まれたことをお祝いするクリスマス。これは皆さんご存知だと思います。次にキリストが復活したことをお祝いするイースター。これも最近ではよく知られるようになってきました。そしてペンテコステです。これはいまだに日本ではほとんど知られてないのではないでしょうか。ペンテコステは聖霊降臨日とも言い、聖霊が与えられたことをお祝いします。イースターの50日後で、毎年日が変わりますが、今年ですと6月9日日曜日です。

聖霊は神様の私たちに対する不思議な「愛の働きかけ」や「愛の導き」と理解されるものです。目には見えなくても、私たちを確かに励まし元気づける神様の「愛の力」です。この不思議な神様の愛の力をいただいたキリストの弟子たちはどうなったでしょうか?キリストが捕らえられた時には恐怖から逃げ出し、キリストを裏切ってしまった弱く情けない弟子たちでしたが、キリストの復活、そしてさらにこの聖霊降臨の出来事を経て、まるで別人のように力強く、キリストの教えを各地へと伝えていったのです。

キリストの教えを各地へ伝えるためには様々なものが必要です。たとえば体力や精神力、助けてくれる協力者などなど、いろいろ考えられますが、コミュニケーション力は絶対に必要です。聖霊という神の愛の力は、弟子たちのそうした必要を満たすものであったことが想像できます。特にコミュニケーション力に関して、弟子たちは聖霊を受けるとすぐに各国の言葉で口々に語りだしたといいます!(使徒言行録2章)これは外国語が突然ペラペラになったとも考えられますし、あるいはペラペラでないにしてもなんとか伝えようとする積極性が突然与えられたという事かもしれません。

わたしたちにとっても日々出会う人々ときちんと向き合い、お互いの理解を深めていくという事は本当に大切なことです。しかしそれは時にとても難しいことでもあります。だからこそ、キリストの弟子たちに与えられた神様の不思議な愛の力がわたしたちにも注がれていること、様々な人々と分かち合いつつ共に歩みたいという希望は裏切られることがないことをいつも心にとめておきたいと願います。

(B.D.)