2019年5月 今月のことば

2019/05/13

愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。


(ローマの信徒への手紙 12章9節~10節)
日本聖書協会『聖書 新共同訳』より


新入生のみなさん、大学生活のリズムに慣れてきましたか? 在学生のみなさんも2月、3月のお休み期間のあとは、体のリズムを戻すのに少し時間が要るかもしれませんね。

つい先立って、桜の開花を間近に控えた頃、イチロー選手の引退のニュースが飛び込んできました。彼が今日に至るまで、毎日どれほどひたむきに努力を重ねて来られたかを思うと、只々敬服の思いがつのります。「日々懸命に生きたい、それを重ねてゆく。懸命に生きられる何かを、モチベーションを見つけていくのが生きていく意味だと思う」「理想に近づくのに近道はなく、『打つ(バッティング)』ということに最終的な形は無い」…イチロー選手の言葉のひとつひとつに、弛まぬ努力を続けてきたからこその重みがあります。

そんなイチロー選手が神戸の一般市民の方々と共に、オリックスが本拠地にしてきた神戸のスタジアムで練習していたのがTVに出ていました。イチロー選手の表情は自分には徹底して厳しく、練習を共にする相手には極めて優しいものでした。「野球に対する愛は変わることはなかった」と引退時の会見で語っていたことが行動で示されていた一コマでした。野球を愛し、野球を通じて交わることの出来る人々を愛し、自分が出来るなりの形でそれを表現する、これこそ偽りのない愛の時間と言えましょう。

愛には色々な形があります。愛する対象も人によって様々でしょう。愛するものが人であれ何であれ、その対象を純粋に尊く感じ、それをひたすらいつくしむとき、人はきっと充実した人生の1ページを歩めているのではないでしょうか。それはきっと「幸せ」な一時でもあるのでは、との思いがふくらみます。

これから益々心身ともに成長してゆかれる学生諸姉のみなさんに、偽りなき「愛」を感じられる時が少しでも多く、豊かに訪れますことを心より願っています。

(B’s)