情報メディア学科(メディア創造学科) 卒業生の声

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「自分が発信する情報」が
地域を動かすチカラになる。 大野 郁実 2016年3月卒業

株式会社山陰中央新報社
編成局 整理部

現在の仕事をめざしたきっかけ、その職種を選んだ理由を教えてください。

ものづくりに携わる仕事を、と思い、もともとは広告制作会社希望でした。

しかし、何がつくりたいのか、入社してどんなことをしたいのか明確な理由がなく決め手に欠けていたとき、1年次の「メディアデザイン」の授業で、出身である島根県の観光冊子をつくったことを思い出しました。京都の大学に出て気づいた地元の魅力。もっといろんな人に知ってもらいたいし、自分も知りたい、そう思いながら制作していました。そこで芽生えた感情が地元新聞社の入社につながりました。

現在の仕事内容についてお聞かせください。

翌日の新聞(朝刊)の紙面制作をしています。

紙面全体のレイアウト(割付)をし、見出しを考え、パソコンで実際に制作するところまで担当します。でき上がった紙面(ゲラ)はデスクや記者、校閲にチェックされ、全てからOKが出たらデータを印刷工場に伝送し、1日の仕事は終了です。

レイアウトをする際は、記者が所属する編集局や共同通信からの原稿出稿メモをもとにします。出稿メモには紙面に入れる記事が記載されており、大まかな内容、行数、写真の有無などが分かります。それらを参考に、デスクと相談しながら割付用紙にレイアウトしていきます。この段階では記事の完全原稿は手元になく、出稿メモの10行程度の内容から記事の価値判断をし、扱いの大きさや見出しの本数を想像してレイアウトしています。

当初のレイアウト通りに紙面が完成することはほぼありません。予定していた行数でこなかったり、横写真で考えていたものが縦写真だったり、記事が増えたり減ったりとさまざまな困難にぶち当たります。

そこで臨機応変に対応し、読者に読みやすい紙面を提供するよう心がけています。

また、読みやすさだけでなく、記者が書いた記事に矛盾や間違いがないか確認し、自分の考えた見出しは適切か客観的に見つめ直し、読者に誤った情報を提供しないように責任を持って新聞を各家庭に届けています。

現在の仕事のどういった点に魅力を感じていますか。
「この仕事をやっていて良かった」と感じた瞬間やエピソードがあればあわせてお聞かせください。

現在の仕事の「魅力」は、紙面が完成した達成感が味わえることです。

紙面制作の仕事は一日完結型なので、データの伝送締め切り時間に追われる分、必ず紙面はでき上がります。学生時代、完成した映像作品などうれしくて何度も見返していたように、社会人になってからも、うまくできた紙面は何度も見返したくなります。あまり良くない出来や後から気づいた訂正などがあると、翌朝新聞を開くのが怖いです。

記者のように取材相手の顔が見えるわけでもなく、反響が直接耳に入ることもありません。しかし街中を歩いていると、お店の壁にそのお店に関する新聞の切り抜きが飾られている光景を目にします。こうやって新聞が読者や地域の方の活力となっているのだと感じると、作り手の私たちもやりがいを感じます。

同志社女子大学、または所属学部・所属学科で学んだことで、現在の仕事に役立っている点を教えてください。

「伝えたいことを表現すること」です。

新聞は正確に、分かりやすく物事を伝えることが基本です。自分の取材対象者の、読者の視点を持って見出しを考えなければなりません。

かつ、扱う原稿、担当する紙面の面種(例えば政治面やローカル面)によって伝え方はさまざまです。

政治面では出来事を端的に見出しに持ってくることが多く、逆にローカル面では柔らかい言葉遣いの見出しを持ってきます。フィールドに適したアプローチ方法が要されます。


これらは学生時代、授業やゼミを通し様々なコンテンツで作品を制作した経験が生かされています。ACジャパンの公共広告CM制作コンペで電車マナーの啓発映像の撮影をし、卒業制作展では「アンビバレンスなコミュニケーション」をテーマに参加型インスタレーション作品を制作しました。何を伝えたいのか、作品の対象者とは、媒体や用途にあった表現方法とは。これらを考えることは全て紙面制作と一貫していました。

同志社女子大学での学生生活を振り返り、印象に残っている点を教えてください。

社会人になって気づくことは、ものを創造するのに非常に恵まれた環境であったことです。アイデアが浮かべばそれをつくる機材や空間がそろえられ、アドバイスをしてくれる先生や仲間がいたので臆することなく挑戦し、経験することができました。両肩にカメラと三脚を担ぎ、ノートパソコン2台を抱え、リュックにはプロジェクター…振り返ると、よくあんな重いものを身体中にぶら下げて登校していたなと思います。そう駆り立てたのも創造力!ものをつくる楽しさを知ったからこそ、ものづくりに携わる仕事を選びました。

今後の目標をお聞かせください。

今までに見たことのない紙面を作ってみたいです。

今は基礎を学んでいる最中ですが、いずれは、どこまで遊び心が貫けるのか…新聞の表現の限界に挑戦してみたいです。

これから同志社女子大学または所属学部・所属学科をめざす受験生へのメッセージをお願いします。

アイデアをカタチにする力が養える学科です。

誰かに役立つため、自分と向き合うため、面白そうだから。きっかけや理由はなんでも良いです。創造する楽しさをぜひ経験してください。すると同時に難しさも経験するでしょう。しかし、手を差し伸べてくれる仲間や先生にきっと出会えるはずです。

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