生活科学部 食物栄養科学科食品機能学研究室 Faculty of Human Life and Science/Department of Food Science and Nutrition
果物や野菜、また京の伝統野菜である金時ニンジンや伏見とうがらしなどを対象に、
これらに含まれる食品成分が人の身体にどう作用するかを探究。
「果物や野菜は身体にいい」という言葉はよく聞くけれど、いったいどんな成分が、どんな風に影響を与えるんだろう。この研究室では、そんな疑問を起点に、身近にある食品を分析。京の伝統野菜である金時ニンジンや伏見とうがらしを対象にしながら、「生育条件や品種交配によって、機能性成分の含有量にどんな変化が起きるのか」「生鮮食品が持つ機能性成分が、どのような効果を有するのか」といった研究テーマに対し、動物細胞やLC-MS/MS(エルシーマスマス)などの高度な機器を使ってアプローチします。
Teacher Profile
杉浦 実 教授 Professor Sugiura Minoru
1990年京都工芸繊維大学大学院を修了後、民間企業等で生理活性物質の探索研究や健康食品等の開発・製造に携わる。その間1996年に東京大学薬学部で博士号取得(薬理学)。1999年に農林水産省へ入省。農林水産技官として果樹の加工・流通や健康機能性に関する研究分野を担当。2018年より本学教授。専門は食品機能学、食品分析学、食品流通学等。NARO Research Prize2013、日本果汁協会賞技術賞等を受賞。
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「機能性」についての知識を深め、
日々口にするものを客観的に観察。ゼミ配属後にまず学生たちが取り組むのは、「食品の機能性とはなんなのか?」を知るための文献研究。先行研究を自分で調べてまとめ、発表することで、食品機能学への理解を深めることが、この活動の目的です。日々目にしたり、口にしたりしている「食品」を扱うからこそ、文献からは多くの学びが得られるのだとか。学生たちは「実は機能性表示食品より、野菜そのものの方が栄養素を豊富に含んでいる場合もある」という気づきや、「本当に効果が立証されているのだろうか?」と疑問を持って流通している食品を眺める視点などを獲得し、卒業論文執筆に向けた研究活動に備えていきます。
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京都の大学という特性を生かし、
京野菜文化の保全にも貢献。研究室には、「京野菜」を題材にした研究テーマに取り組む学生も。京都府農林水産センターと連携し、さまざまな栽培条件で育てられた伏見とうがらしを調査しています。伏見とうがらしは「カロテノイド」という成分を多く含む野菜。とうがらしが赤くなる過程で、カロテノイドは「カプサンチン」に変化し、高い抗酸化作用を発揮します。学生たちは、どのような品種交配により多くなるのか、更には異なる栽培条件下/日照条件で育てられた伏見とうがらしをもちいて、カプサンチンを分析。おいしさだけでなく、栄養価が高くて身体にいい野菜づくりに貢献するためのデータを、日々蓄積していきます。
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高度な分析機器を用いた実験で、
研究者としてのスキルもアップ。高速液体クロマトグラフや質量分析計などの精密機器類が完備されており、学生たちが自らの手でこれらの分析装置を操作しながら、高度な調査・分析に取り組めることも、この研究室の特徴です。これらの精密機器類は、高感度な分析が行える分、目的に見合ったそれぞれの分析条件を見出すのも試行錯誤の連続。設定や試薬類の条件を少し変化させただけで、分析結果が大きく変わるため、研究テーマに応じた使い方は、学生が日々自らの手で操作・分析を重ねていくなかで見つけていくしかありません。そのため、学生たちはほぼ毎日研究室に通い、実験にトライ。実践するなかでノウハウを学び、研究を深めていきます。
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捨てられがちな野菜の葉から、健康に役立つ機能を見出す。
私が研究対象にしているのは京の伝統野菜である「金時ニンジンの葉」。現在は、連携機関から送られてくるニンジン葉の乾燥粉末を分析して、様々な生体調節機能を持つ「フラボノイド類」の含有量や種類を調査中です。捨てられがちなニンジン葉の機能性を明らかにすることが、ゆくゆくは食品ロスや健康問題の改善につながれば、と考えています。遊ぶときは楽しく、研究するときは真剣に、がこの研究室のモットー。毎日実験を行うため、時間の管理や計画性が育ちました。卒業後は食品メーカーに就職する予定。研究室で培った計画性や食品機能学の知識を生かし、日本の食卓に身体にいい食品を届けていきたいです。
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失敗経験も成長の糧にして、研究を突き詰めていく。
私も京の伝統野菜として有名な伏見とうがらしを題材に、日々分析装置を操作しながら研究に取り組んでいます。高度な機器を操作できるということが、研究のやりがいであると同時に壁になることも。今では扱いにも慣れましたが、実は一度、分析データがすべて消えてしまったことがありました。長い時間をかけて蓄積したデータだったため、ショックではあったのですが、悩んでいても仕方ない、と再度分析にトライ。より良い結果につなげていくことができました。失敗しても、諦めずに再挑戦する姿勢。機器を扱う技術力。研究室で培ったこれらの力は、食品の品質管理に携わる仕事に就いてからも役立つと考えています。
3年次生
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- 1月
- ゼミ配属
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- 3月
- 文献研究
4年次生
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- 4月
- 文献研究
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- 5月
- 卒論テーマの決定。研究開始
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- 5月~10月
- 実験、中間発表、ゼミ合宿
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- 11月
- 実験、卒論発表準備
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- 12月
- 卒論発表
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- 1月
- 卒論執筆
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- 2月
- 卒論提出
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- 3月
- 卒業
- 学芸学部 音楽学科 Department of Music
- 学芸学部 メディア創造学科 Department of Media
- 学芸学部 国際教養学科 Department of International Studies
- 現代社会学部 社会システム学科 Department of Social System Studies
- 現代社会学部 現代こども学科 Department of Childhood Studies
- 薬学部 医療薬学科 Department of Clinical Pharmacy
- 看護学部 看護学科 Department of Nursing
- 表象文化学部 英語英文学科 Department of English
- 表象文化学部 日本語日本文学科 Department of Japanese Language and Literature
- 生活科学部 人間生活学科 Department of Human Life Studies
- 生活科学部 食物栄養科学科 Department of Food Studies Human and Nutrition