DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

消化管×栄養素の「未知」を、
日々の実験で解き明かす。

基礎栄養学研究室
食物栄養科学科管理栄養士専攻

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -ゼミについて

食物栄養科学科 管理栄養士専攻基礎栄養学研究室 Faculty of Human Life and Science | Department of Food Science and Nutrition

栄養素と消化管の可能性を探り、
病の予防や治療に役立つ知見を見出す。

私たちが口にした食事は、胃や小腸、大腸などの消化管を経て消化・吸収されています。基礎栄養学研究室では、身体の中で起きている吸収メカニズムや栄養素の働きにフォーカス。日々摂取する栄養素が免疫力向上や病気の治療、健康づくりにどう役立つのかを探究しています。培養した細胞やマウス・ラットなどの「生体」を用いた実験を通して、卒業論文を書き上げるのがこの研究室の基本スタイル。グループごとに実験を行うため、チームワークも育ちます。

Teacher Profile

鈴木 拓史 准教授 Associate Professor Suzuki Takuji

栄養素の消化・吸収を担う健やかな小腸機能を維持させる鍵は、日々の食生活。小腸はただ単に栄養素の消化・吸収を担うだけでなく、食事の情報を脳へと伝える器官でもあるため、腸と脳のつながりは我々の健康と密接な関係があり、そのつながりが小腸の恒常性にも関連している。健常な小腸機能を維持・回復させる食生活における「未知なる鍵」を発見することで、医療費増大などの社会問題にも一石を投じる研究をめざす。

What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 1 生体サンプルを扱うための実験スキルと、
    消化管への基礎知識をしっかり習得。

    摂取した栄養素が身体にどう吸収され、その後どんな機能を発揮していくのか。その仕組みや作用を、日々の実験で明らかにすることが、研究室の目的です。培養した細胞やマウス・ラットを用いるため、それら「生体」のケアを含めたきめ細やかなスキルが必要になります。こういった実験技術と、消化管の働きを総合的に把握する知識の習得をめざし、学生たちは配属直後から毎週1回、鈴木先生によるセミナーを受講。生体や実験機器の取り扱い方法、消化管に関する知識を、座学やプレゼンを通して学び、研究に向けた準備を整えます。

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  • Lab CAN 2 技術や知識を共有し合いながら、
    チーム全員で卒業論文を完成させる。

    提示された実験テーマから、それぞれに興味を持てるものを選び、チームを編成したうえで実験がスタートします。しかし、実験中に迷いや不安は付きもの。学生たちは技術と知識をチーム内で補い合い、実験のクオリティを高めていきます。自分の努力がチーム全体の実験結果に直結するんだ、という意識を持つことも成長につながるポイント。責任感を持って実験に向き合っていれば、失敗した際も「なぜだろう」「ここを変えたらどうなるだろう」と自問自答を繰り返しながら、何度でも挑戦する力が湧いてくるのだと言います。

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  • Lab CAN 3 人の健康を支える人になるために。
    管理栄養士として必要な、総合力を醸成。

    大学院に進学する学生や、管理栄養士として病院に就職する学生など、研究室のメンバーがめざす進路はさまざま。しかしその根底には、栄養素や身体の機能を深く理解し、誰かの健康に役立てたいという共通の想いが存在しています。こういった志を持つ学生たちに対して、鈴木先生は就職や資格試験対策などについてもきめ細やかにアドバイス。管理栄養士の資格を持つ自身の経歴を生かして、卒業論文の先に待つ未来も応援していきます。研究室での全ての経験が、必要な栄養素を揃えた献立を作るだけではなく、自分の仕事の先にいる「人」の存在を常に意識できる管理栄養士を育てていきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    失敗から学ぶ姿勢を大切に、
    栄養学を極めていく。

    私は現在、生体を用いた実験を通して、「口から食事を摂ること」が身体の回復を助ける、という仮説を実証しようとしています。実験では口からの栄養補給を一定期間絶ったあとに、小腸に直接栄養を注入して過ごした動物と、口から栄養を摂取した動物を比較検討。口からの栄養補給が絶たれて小さくなった小腸の「絨毛」が、どのくらい回復したかを見比べ、食事を自分の口から食べることの重要性を発見できればと考えています。卒業後は、大学院に進学予定です。この研究をさらにブラッシュアップし、病気や怪我で悩んでいる方の治療・回復の助けになるような発見を行うことが、私の夢です。

  • VOICE 02 VOICE 02

    食事を通して、患者さんの気力を引き出す管理栄養士に。

    この研究室に入るまでは、消化管に対して「食事が通り抜けるただの管」のようなイメージしか持っていませんでした。しかし小腸が身体の中で果たしている役割の広さや、消化管から吸収された栄養素が身体に与える影響の大きさを学んだことで、そのイメージは大きく変化。食べることが人の身体を支えているんだ、という実感を強く持てるようになりました。春からは、病棟で働く管理栄養士に。栄養学の知識を生かした献立で、治療の効果を高めていくことはもちろん、患者さんにとって「治療を頑張る原動力」になるような食事を提供する管理栄養士をめざしていきたいと思っています。

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

4年次生

  • 4月〜5月
    ゼミ配属。セミナーで消化管の知識や実験手法を学ぶ
  • 6月〜9月
    テーマごとにチームに分かれて実験
  • 10月〜12月
    卒業論文の執筆・発表
  • 1月〜2月
    卒業論文のブラッシュアップ・提出
  • 3月
    卒業