DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
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デンプンの特性を、
とことん“粘って”解析。

食品物性学研究室
生活科学部食物栄養科学科

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -ゼミについて

食物栄養科学科食物科学専攻食品物性学研究室 Faculty of Human Life and Science | Department of Food Studies Human and Nutrition

10年以上、「デンプン」一筋。
食品を物理的な視点で捉えるゼミ。

「デンプン」に特化した研究を10年以上継続しているのが、この研究室最大の特徴です。デンプンとは、米や小麦粉、片栗粉、トウモロコシなど、世界中で主食として食べられている食品に含まれる成分。人の食生活に密着しているデンプンは、加熱と加水によって“粘る”性質を持っています。学生たちは複数のチームに分かれて毎日実験を行い、デンプンの粘性変化を物理的に解析して、新しい発見をめざします。

Teacher Profile

山本 寿 教授 Professor Yamamoto Hisashi

加熱・加水などによってデンプンの粘度が増す「糊化(こか)」を専門に、食品を物理的に解析する。食品素材に限らず、生分解性物質(土に還るプラスチックなど)素材としてのデンプンの可能性を模索すべく、熱水中、低温NaOH溶液中など、さまざまな環境下で糊化実験を実施。近年は米デンプンだけでなく、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプンなどにも、研究範囲を拡張している。

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What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 1 目の前で起こっている現象を
    、 試行錯誤しながら、数式に落とし込む。

    食品物性学とは、食品のもつテクスチャーを物理現象として捉えて数式化し、その特性を紐解いていくという学問。しかし意外にも「元々物理が大好き!得意!」という学生は少なく、改めて勉強していくパターンが多いのだそうです。そのため研究室での活動は、基礎的な知識の復習から始まります。配属直後、ゼミ生たちは毎週一回勉強会を行い、数式の意味や、自分で数式を組み立てる方法を学習。物理に苦手意識を持っている場合でも、目の前で起こっている現象を数式に結びつける形で学んでいくため、楽しみながら物理的な思考を身につけられます。

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  • Lab CAN 2 水とデンプンのみを
    使った実験で、物事を突き詰める力が育つ。

    現在、研究室ではデンプンの「糊化(こか)」に着目した実験を行っています。糊化とは、デンプンに熱と水を加えると起こる現象で、炊いた米や餅が柔らかく粘りを帯びたり、片栗粉で料理にとろみがついたりするのは全てこの糊化によるもの。研究チームは2つあり、それぞれにトウモロコシデンプンと、馬鈴薯デンプンを用いて実験を行っています。熱水による糊化を扱うため、実験に使う材料は水とデンプンのみで、特別な薬品などは使用しません。温度や水の量によって糊化がどう変化するのか、条件を微妙に変えながら毎日実験を行うことで、学生たちはシンプルな題材を突き詰めていく難しさやおもしろさを学びます。

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  • Lab CAN 3 研究を成功させるカギは、
    実験で培ったチームワーク。

    実験では、熱と水を加えてからデンプンが糊化していく経過を4〜6時間観測しなければなりません。学生たちは「粘度計」というストロー状のガラス器具を使って糊化したデンプンを吸い上げ、それが容器に戻っていく速度を計測します。糊化は時間と共に継続して強まり続ける訳ではなく、一度高まった粘度が、一定時間後に弱まる、というような変化も起こします。そのため実験中は常にデンプンから目を離すことができません。手間も時間もかかる作業なので、毎日のチーム会議は必須。翌日の計画を立てたり、個人の予定に合わせてシフトを組んだり、実験を進めるためにチーム全体で協力体制を築いています。

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  • Lab CAN 4 研究の行く末を考え、
    責任感を持って動く。

    「デンプン」という共通のテーマの下、継続して研究を行っているため、現在の実験はこれまで卒業生が積み上げてきたデータや発見に支えられています。もちろん、今年度得られた成果は、次年度以降の後輩に引き継がれていく予定。ゼミ生たちは自分たちの研究が将来の大きな成果につながることを意識し、地道な作業にも責任感と熱意を持って取り組んでいます。学生たちの責任感を育んでいるもうひとつの大きな要因が、担当の山本教授の考え方。教授は学生たちを「共同研究者」として位置づけ、対等な立場で指導を行います。研究室が一丸となって未知の現象に立ち向かっていくことで、学生たちは、周囲と協働し長期的なビジョンを描きながら、責任を果たす行動をとることの重要性を学んでいきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    学年を超えたつながりが、人としての成長を後押し。

    「食品加工・物性学実験」の授業で、ういろうの米デンプンを他の植物由来のものに変える実験を経験し、食品のテクスチャーが味わいに与える影響に興味を持ちました。研究室の魅力はたくさんありますが、特徴的だと感じるのは、学年を超えた絆の強さです。私たちが今の実験を行えているのも、先輩方の先行研究があるからですし、卒業生と在学生が交流するイベントも定期的に開催しています。特にEVE(大学祭)の日に卒業生が大学を訪れる「リユニオン※」は、毎年とても盛り上がるのだとか。卒業後は和菓子メーカーに就職予定。研究室で得た食品物性への知見とチームワークや責任感を大切にする姿勢を生かし、おいしい和菓子を世に送り出していきたいです。

    ※2021年度は中止

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

3年次生

  • 1月
    研究室配属・オリエンテーション

4年次生

  • 3〜4月
    勉強会・研究テーマ・チーム決定
  • 4〜6月
    予備実験・春学期中間発表
  • 7〜11月
    本実験・春学期期末発表・研究室合宿
  • 11月
    リユニオン(研究室同窓会)
  • 11〜12月
    実験データの整理・解析・考察
  • 12月
    卒業論文の発表
  • 1月〜2月
    卒業論文の作成・提出
  • 3月
    卒業