DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

歌唱、演技、立ち回り。
オペラから、音楽を多角的に学ぶ。

オペラ
音楽学科 演奏専攻

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -授業について

音楽学科 演奏専攻 オペラ Faculty of Liberal Arts/Department of Music

学生が主体となってつくりあげる、
全編イタリア語の本格オペラ。

オペラクラスは、声楽コースの4年次生が履修する選択科目。必修科目ではありませんが、ほとんどの学生が参加する人気の授業となっています。4年次生が挑戦するのはモーツァルトが作曲した『フィガロの結婚』です。声楽とは異なり、演技や立ち回りが必要になる点、観客の心に届く舞台作品として完成をめざさなければならない点が、この授業の難しさ。学生たちは歌唱や演技のレッスンに加えて、作品がつくられた時代背景の調査、与えられた役が持つキャラクターの深掘りなど、自分なりの努力を重ね、本番をめざします。

Teacher Profile

井上 敏典 特任教授 Specially appointed professor Inoue Toshinori

声楽の本質を考え自然体の発声を研究。身体という楽器を有効活用するために、深層筋肉群とメタ認知能力などの解剖学的、心理学的な観点や、日本語とアルファベットに代表される印欧語との発音・発声の仕方に着目することで、聞き取りやすく無理のない歌唱法を研究、指導する。日本・ドイツ歌曲をライフワークとしつつ、多くのオペラの舞台を踏むことで幅広いパフォーマンスを実践している。

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What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

ゼミ生による詳しい解説は
ラジオでチェック! ビビッと同女スタジオ

  • Lab CAN 1「どんな物語?」「どんな性格?」。
    まずは、作品と役を知ることから。

    オペラクラスの配役は、先生によるオーディションで決定します。オーディションが行われるのは夏休みの前。配役決定後、学生たちは休暇中の時間を使って作品や自分が担当する役への理解を深めていきます。作品がつくられた時代背景を調べたり、イタリア語のセリフを自分なりに翻訳したり、作品中でキャラクターが果たす役割を考えたり。深掘りすることで、役で表現したい自分なりの解釈が見つかっていくのだとか。もちろん、作品や役の理解と並行して歌の個人練も行い、秋学期からスタートする仲間との合同レッスンに向けて、歌の精度を高めていきます。

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  • Lab CAN 2個人個人が考えてきた方向性を、
    チームで合わせてより良い演技に。

    夏休み明けから、仲間との練習がスタート。『フィガロの結婚』では、登場人物に対して参加人数が多いため、ひとつの役を複数人で担当します。そのため、全体を合わせる前に、まずは同じ役を演じるメンバーで集まって練習。それぞれが考えてきた役への解釈や歌い方をすり合わせ、演じる人が変わっても、ひとつの作品としてまとまる表現のあり方を模索していきます。指導教員と共に練習を取りまとめるのは、代表を務める学生。自分の練習もある中で、スケジュールを調整して練習時間を確保したり、メンバーごとの個性を生かすアドバイスをしたり。代表はとても多忙ですが、ソロレッスンなどからは得られない、チームの統率力を養えるといいます。

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  • Lab CAN 3先生からの指導やマエストロ練習で、
    立ち居振る舞いや演技に磨きをかける。

    練習が本格化していく過程で、本人が考えていた演技の方向性と、先生が求める表現のかたちが食い違うことも。学生たちは求められる役の姿を表現できるよう、歌唱や動きを注意深く修正。「このシーンの直前に、キャラクターはどんな出来事に遭遇したのだろうか?」「今、どんな気持ちで歌っているんだろうか?」といった、前後の文脈まで深く考え、演技に必然性を持たせていくのだそうです。12月に入ると、オーケストラとの合同練習がスタート。授業に参加するマエストロの先生から、より深い音楽的な指導を受けながら、作品の完成度をさらに高めていきます。

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  • Lab CAN 4オーケストラの生演奏をバックに、
    全員が歌うこと、演じることを楽しむ。

    集中稽古を終えたら、いよいよ本番へ。オーディションから約半年間もの間、重ねてきた練習の成果を観客の前で披露します。オペラの演奏を行うのは、同じ演奏学科の楽器専攻の学生たち。まさに演奏専攻が一丸となって、舞台をつくりあげていきます。ソロで歌うことの多い声楽コースの学生たちにとって、「チームで作品をつくる」「みんなと結果を出す」という経験は、非常に貴重。ハイレベルな歌唱や演技を行うことはもちろん、参加しているみんなで楽しむことを大切に、全力をつくすことで、観ている人に圧倒的な感動を届けていきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    舞台を通して、「もうひとりの自分」になることを、楽しむ。

    私が担当したのはスザンナというキャラクター。とてもかわいらしく、キャピキャピした一面を持った役です。そのため、演じることに、初めは少し恥ずかしさも感じていました。しかしセリフを読み込んで、歌と演技の練習を重ねるうちに、役に没頭できるように。もうひとりの自分を生み出すような気持ちで、演技を楽しむことができています。また、スザンナ役と並行して、学生代表も担当。みんなが持つ「こう演じたい」という意志や個性を生かしながらも、チームとして統一感を出す。二つの軸を両立させるという難しいチャレンジを通して、リーダーシップが養われたと感じています。

  • VOICE 02 VOICE 02

    作品に対する見え方、表現の仕方が、大きく変化。

    高校時代に『フィガロの結婚』のケルビーノのアリアを歌ったことがあり、同様の役に挑戦しました。経験があるし、と思っていたのですが、練習を進める中で、その考えは甘かったと痛感。演技や動きもセットになったオペラとして歌うために、ケルビーノのアリアを1から解釈し直すことに挑戦しています。声楽コースのみんなや、男声歌手と一緒に歌えることがオペラクラスの特徴。基本的にソロで行われる普段の声楽とは違う点がおもしろくもあり、違った角度からの努力を求められる部分でもあり……。この授業を通して多くの挑戦をしたことで、表現力や音楽性がぐっと高まったと感じています。

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