DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

音楽療法を通じて、
相手と自分の成長を育む。

鈴木琴栄ゼミ
学芸学部音楽学科 音楽文化専攻

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -授業について

音楽学科 音楽文化専攻 鈴木琴栄ゼミ Faculty of Liberal Arts | Department of Music

歌や楽器など、音楽の療法的な働きを生かして、
こどもたちの成長を支える。

鈴木ゼミが専門とするのは、主にこども領域の音楽療法や即興演奏を用いた音楽心理療法アプローチ。音楽を使ってコミュニケーションを取ったり、音楽を通して自分の気持ちを表現し、発散、開放するなかで、感情とうまくつきあっていく方法を見つけたり。学生たちは、こういった教育・療法的な側面を持つ音楽療法から、こどもたちの成長を支える方法を学んでいきます。音楽を相手に合わせて自由自在に用いるスキルが重要になってくるため、授業ではゼミ生同士で即興演奏にも挑戦。演奏を通じてまずは自分自身を表現する経験を積むことで、療法への理解を深めます。

Teacher Profile

鈴木 琴栄 助教 Assistant professor Suzuki Kotoe

学生時代に見つけた、50年以上前の音楽療法セッションの音源に衝撃を受け、音楽療法を学ぶことを決意。卒業後渡米し、音楽療法士として障がい児や脳卒中後の成人などを対象に実践を積み、上級資格を取得。音楽療法の発展と後進の育成に携わる。『新しい芸術療法の流れ クリエイティブ・アーツ・セラピー』や『音楽中心音楽療法』などの書籍を発表する傍ら、自身のアルバム「KOTOE(2018)」「If You Come Back Here(2020)」もリリース。

What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 13年間培って来た音楽療法のスキルを、
    実践と研究を通じて開花させていく。

    1〜3年次に培ってきた知識を生かしながら、4年次のゼミでは、より高いレベルで療法を行う力をブラッシュアップ。こどもを対象にした音楽療法を軸に、卒業論文のテーマを見つけ、さまざまな研究の方法論について学びます。授業では即興を用いた音楽療法アプローチにも触れる機会がありますが、なかには即興が苦手な学生も。アドリブで音楽と向き合うことに慣れるため、ゼミでは「指1本で行う即興」「3音ずつ奏でるリレー演奏」など、簡単に始められるスタイルで授業をスタート。徐々に自由度を上げ、即興スキルを磨きます。また、研究を深める授業では、ディスカッションをしたり、自分の研究テーマに沿ったデータの集め方や分析方法などを学ぶことも。アクションリサーチを用いて、自分の興味に沿って主体的に学んでいくことで、自信を育みます。

    ※記事作成時の情報。2021年度以降入学生のカリキュラムでは、ゼミ活動を3年次より実施する予定です。

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  • Lab CAN 2仲間と支え合いながら、即興演奏を楽しみ、
    自分自身の成長と学びを叶えていく。

    メンバーが少人数であることも、鈴木ゼミの魅力。天気のいい日には屋外で活動を行うなど、和気あいあいと音楽を楽しむことを大切にしています。また、音楽療法士、音楽家としての経験から、療法的な音楽の使い方、奏で方について的確なフィードバックをくれる鈴木先生の存在も、学生たちの成長の糧に。その場で奏でる音楽に間違いはなく、ありのままを受け入れてくれる雰囲気の中で、信頼できる仲間と先生に囲まれながら演奏経験を積むことを通じて、元々は即興が苦手だったけれども、「自由に演奏するって楽しい」「もっとやってみたい!」という気持ちが湧いた、と語る学生もいます。研究自体はそれぞれに進めますが、時には授業で各学生のテーマに沿った活動を展開することも。即興やコラージュの作成など、別の学生が取り組むテーマに皆で挑戦することで、全員にとって有益な、研究に対する新しい気づきを得られるのだそうです。

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  • Lab CAN 3実習や合唱経験、好きな演奏スタイル。
    体験してきたことが、研究のテーマに。

    ゼミでは音楽療法を軸としながらも、各自が自由に研究に取り組みます。教職を志すなかで、学校の先生に向けた音楽療法について研究することを決めた学生。幼い頃から合唱団に所属し、歌うことを続けてきた経験から、合唱がこどもたちに与える影響を研究する学生。「即興演奏が好き!」という自身の気持ちを生かして、コミュニケーションツールとしての音楽を模索する学生。多種多様なテーマですが、根底にあるのは学生それぞれが楽しさやおもしろさを感じた、自分自身の音楽体験です。「音を楽しむ」という文字の通り、音楽に対して抱くポジティブな感情が、研究を進めるにあたっての何より大きな原動力になっていきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    学んできた音楽の力を使って、こどもたちを支えたい。

    中学校の音楽教諭になりたいという夢があり、教育分野での音楽療法を学べる鈴木ゼミを選びました。やさしく支えてくれる鈴木先生は、第二の母のような存在。教育実習の進め方も先生に相談し、授業に音楽療法を織り交ぜることに取り組みました。実践した際には、対象一人ひとりに向き合う療法を、大人数のこどもたちに応用していくことの難しさを感じる瞬間も。教科書通りにはいかないな、という現実を知ったことで、逆に「制約があるからこそ、それを乗り越えた先によりよい音楽教育のかたちを見つけられるんじゃないか」という期待が生まれる、良い経験となりました。

  • VOICE 02 VOICE 02

    大好きな「歌」を、学問的に捉えることに挑戦中。

    歌が好き、こどもが好き。そんな気持ちでこのゼミを選びました。小学生の頃から合唱団に所属していたため「歌」をテーマにしたいという想いがあったのですが、それをどう学問に落とし込むか、迷ってしまったことも。そんな私に鈴木先生は「音楽療法の視点を、合唱に取り入れるとどうなるだろう?」という問いを提示してくださいました。その提案のおかげで、合唱がこどもたちの成長に与える影響や、コミュニティとしての合唱団の機能などを調査していく、という方向性が定まり、好きなことと学びをうまく組みあわせながら研究に取り組めるようになったと感じています。

  • VOICE 03 VOICE 03

    「コミュニケーションとしての音楽」の可能性に気づけた。

    授業を通じて、鈴木先生の音楽療法セッションの動画を見たときのこと。セッションを重ねることで、感情をうまく表現できなかった子が生き生きとした笑顔を見せたり、ルールを守れなかった子が落ち着いて過ごせるようになったりしていく様子を目にし、「音楽の力で、人ってこんなに変われるんだ」と驚きました。現在は即興演奏を用いてコミュニケーションをとる方法を研究中。養護教諭になることをめざしているので、大学で得た音楽療法の知識とスキルを生かしながら、生徒たちの心に深くに寄り添い、支えとなれる先生になっていきたいです。

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

4年次生

  • 4月
    ゼミ配属、オリエンテーション、卒業論文のテーマ検討を開始
  • 5月〜6月
    文献検索ガイダンス、研究方法や先行研究を調査、文献要約
  • 8月
    調査、研究を随時進行
  • 9月
    ゼミ合宿
  • 10月〜11月
    文献調査、分析結果などに基づき卒業論文を執筆
  • 12月
    卒業論文発表、提出
  • 3月
    卒業