DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

ひとつではない言葉の意味を、
模索しつづける楽しさ。

松崎正治ゼミ
現代社会学部現代こども学科

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -ゼミについて

現代こども学科 松崎正治ゼミ Faculty of Contemporary Social Studies | Department of Childhood Studies

児童文学から新たな気づきと学びを得る、
通称「ごんゼミ」。

小学校における国語教育を主題に、“ことばを学ぶこと”を多角的に解明するのがこのゼミの目的。ゼミでは新美南吉の作品、特に「ごんぎつね」を題材として扱うことが多く、「ごんゼミ」と呼ぶ学生も増えました。ゼミ生たちは文献研究やフィールドワーク、オリジナルの教材作成など、さまざまな研究手法を用いながら、国語という決まりきった解の無い対象に対する考えを、深めていきます。

Teacher Profile

松崎 正治 教授 Associate professor Tsukada yukari

研究のテーマは、国語の授業における指導方法や教材などを分析する「国語科授業論」。実際に行われる授業の観察や、現役の国語教師を対象としたインタビューを通じて、教師が自身の経験を元に確立する「実践的知識(実践知)」の典型化を試みている。ゼミでは「こどもと言葉」をテーマに指導を展開し、学生がどんな進路に進んでも役立つ、“想いをことばで伝える力”を育んでいる。

松崎教授が語る
同志社女子大学の学びについて dwcla TALK

What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 1 ひとつの作品をとことん議論。
    異なる意見も受け入れて、視野を広げる。

    配属後、学生がまずチャレンジするのは児童文学『ごんぎつね』の読み解きです。ゼミ合宿で新美南吉記念館を訪れ※、作者の人生や思想に対する理解を深めたり、編集者・鈴木三重吉の手によって物語がどう変わったかを調べたり。ゼミ生たちはあらゆる角度から『ごんぎつね』を見つめ、ディスカッションを重ねます。共通の題材に対する受け止め方の違いを学ぶのも、この授業の目的。例えば「鉄砲から出る煙」の描写について話し合ったときのこと。「ごんの魂が天に昇る様子」と捉える人もいれば、「ごんの悲しみの象徴」という意見もあるなど、生徒の数だけ異なる意見が出てきたのだそうです。議論を通して自分と違う意見を受け止め、咀嚼することで、学生たちはより広い視野で言葉について考える素地を身につけます。

    ※2021年度は中止

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  • Lab CAN 2 海外でのフィールドワークから、
    オリジナル教材作りまで、研究手法は十人十色。

    文献の読み解き方を学び、言葉に対する視野を広げた学生たちが次に行うのは、卒業論文のテーマの検討・決定です。「言葉の学び」という軸はありますが、研究テーマが「学習方法」だけに捉われないのが、ゼミの特徴。「オノマトペ」など言語そのものの表現方法に着目する研究もあれば、国語の教科書に動物が頻繁に登場する理由を探る研究、小学生の学習意欲を高めるオリジナルの教材作りに取り組む研究もあります。過去には『ムーミン』をテーマに設定し、フィンランドでフィールドワークを行った卒業生もいたのだとか。「言葉の学び」というテーマを独自の視点で捉えることを通じ、学生たちは自由な発想力やオリジナリティ溢れる思考力を磨きます。

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  • Lab CAN 3 「お父さん」のような先生と、
    心強い仲間に囲まれて、一歩ずつ成長。

    松崎ゼミ最大の特徴は、ゼミ内の絆の強さ。学生たちは担当の松崎先生のことを「理想のお父さん」と評し、研究以外のことでも気軽に相談を持ちかけています。歓迎会や七夕会などのゼミ内行事※も定期的に行われているため、先輩後輩同士の交流も盛んです。幼稚園教諭や小学校の先生、一般企業への就職など、ゼミ生たちの進路は多岐に渡るため、自分の希望と似た進路を歩んでいる先輩たちに話を聞ける交流会は、後輩ゼミ生たちにとっては貴重な機会。教育実習や就職活動について、実体験に基づく先輩のアドバイスを聞き、自身の活動に役立てています。研究による知識の蓄積もさることながら、こういった温かな環境に身を置くことで、ゼミ生たちはこれからの人生を豊かなものとする人同士のつながりの大切さを学んでいくのです。

    ※2021年度はオンラインで実施

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    ゼミで培った力を生かし、こどもを笑顔にする先生に。

    松崎先生の人柄に惹かれて入ったこのゼミで、本当にたくさんのことを学んできました。なかでも成長したと感じるのは、大勢の前で話す「スピーチ力」。レジュメの発表などを通じて、一文一文を短く話す、結論を簡潔に伝えてから説明を行うなど、“伝わりやすさ”を意識して話ができるようになりました。卒業後は小学校の教員として働くので、こどもたちとコミュニケーションを取る際に、このスキルを生かしていきたいです。卒業研究においてはこどもたちが楽しみ、自発的に学びたくなるような「教材開発」に挑戦中。ゼミの中でも珍しい試みで、苦労も多いですが、「こどもたちに笑顔を届ける先生になりたい」という想いが、研究を進める原動力になっています。

  • VOICE 02 VOICE 02

    相手を受け入れ、一緒に答えを探せる人になりたい。

    ゼミの授業で多くの児童文学を読み解いてきた経験を生かして、現在は「国語教科書における動物表象について」を研究中。物語に動物が登場することで、伝わり方がどう変化するのか、その狙いと機能について調べています。約2年間、松崎先生には本当にお世話になりました。先生は、学生のどんな意見も必ず肯定し、前進するための方法を一緒に模索してくださる方。その指導を通じて、「相手の意見に耳を傾ける姿勢」の大切さをいつも実感していました。卒業後も、相手を受け入れる姿勢を常に持ち、個人プレーではなく周囲とのチームワークで成果を出すような働き方をしていきたいです。

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

3年次生

  • 4月
    ゼミ配属・歓迎会
  • 5〜9月
    ゼミ合宿・新美南吉とその作品についての文献研究・3〜4年合同七夕会
  • 10〜3月
    卒業論文のテーマ設定・3〜4年合同クリスマス会

4年次生

  • 4〜9月
    卒業論文のテーマ探究・3〜4年合同七夕会
  • 10〜12月
    卒業論文執筆
  • 12月
    卒業論文提出・3〜4年合同クリスマス会
  • 3月
    卒業