dwcla TALK ようこそ新しい知の世界へ

教員が語る同志社女子大学の学び

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「こども」
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「社会」
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「成長」

実践的知識を典型化し
教師の専門性を
高める研究をしています。

現代こども学科

松崎 正治教授

こどもの成長をうながす授業をつくれる教師を育てたい。

小学校や中学・高校で、先生が自分の人生経験をもとに面白い授業をしてくれた、あるいは臨機応変な先生の授業でクラスが活気づいた、そんな経験はありませんか。

教師は理論的知識を児童・生徒に教えるだけでなく、教師自身が人生の中で経験的に身につけてきた「実践的知識(実践知)」をさまざまに組み合わせ、授業を行っています、実践知とは、経験を積んだ人の頭の中にある言語化できない暗黙知です。「こんなことが起きたら、こう対応する」といった事例の知であり、医療従事者やエンジニアなどあらゆる職種で生かされ、看護学や経営学等でも研究が進められています。
教育現場においては、児童・生徒の個性やクラスの人間関係、そのときの状況に応じて学習者の成長を促す実践知を運用することが教師の専門性であり、力量だと言えます。

国語の授業における指導方法や教材などを研究する「国語科授業論」を専門とする私は、教師の実践知をテーマに研究を続けています。教師が身につけてきた実践知をできるだけ言語化し、エピソードに富んだ物語形式で具体的に伝え、新しい知識として活用することを目指ししています。
研究のアプローチとしては、小中学校の国語科の授業を観察するとともに、教師へのインタビューを行い、知識や個性を形作っている人生経験に耳を傾けます。その上で、どのような状況で実践知が運用されたかを分析し、ほかの教師や研究者が事例として活用できるよう典型化します。約20年間共同研究させていただいた中学の先生のお力を得て、共同研究者とともに成果を著書としてまとめています。

人は「面白い、楽しい」と感じる中で、最も学びを深めることができます。授業に遊び心や楽しさがあれば、こどもたちは自ら学んでいきます。こども一人ひとり、そしてクラスを成長させる授業をつくれる教師を育てたい、というのが私の思いです。

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学科の学びは、企業活動でも大いに発揮できます。

こどもの目線で教育を考え、こどもを取り巻く現代社会の諸問題を幅広く学ぶのが本学の現代こども学科です。学生は小学校教諭や幼稚園教諭、保育士を目指す人だけでなく、本学科での学びを生かして一般企業へ就職する人も多数います。
例えば私の授業では、小学校の授業を想定し「教育内容」、「教材」、「指導方法」、「学習者(こども)」の4つの局面から、学習者の発達段階に応じて具体的に教育を考えていきます。
しかし、小学校教諭を目指すためだけの授業ではありません。学習者を顧客に置き換えると、顧客に対してどんな商品を、どういった方法で提供すればよいのかを考える学びです。
文脈は変わっても、ものごとの基本的な方法論は変わらない。より根本的な、課題へのアプローチの仕方や、ものごとの見方、考え方を学生に学んでほしいと考えています。

私のゼミでは「こどもと言葉」をテーマにしています。言葉やコミュ二ケーションについて考える中で、絵本研究やコミュニケーションの実態、SNSの言葉について研究するゼミ生もいます。テーマは違っても、全員が「こどもと言葉」に関心を持っていることから、学生同志が協力し、互いに刺激を受けながら卒業論文に取り組んでいます。

幼児教育の現場を目指す学生には、できるだけ多くの絵本を読み聞かせし、こどもたちとたくさん話をしてほしいと伝えています。読書とコミュニケーションの楽しさを感じる幼児期の経験が言語能力を鍛え、生涯の力の基礎となるからです。
小学校教諭を目指す学生には、こどもが自分の言葉で考え、感情を伝えることを大事にしてほしいと伝えています。言葉は思考と伝達の道具なので、あらゆる教科の基礎になり、その後のこどもの学びの土台となるからです。

一般企業へ就職した卒業生は、ゼミでの学びをそれぞれの職場で生かしているようです。金融機関に勤務する卒業生は、顧客と学資保険について話をするときにこどもに寄り添った提案をし、住宅メーカーの社員は、こどもの遊び方をよく知っているため、こどもの視点を大切にした提案をしているそうです。

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「人の役に立ちたい」と行動する学生の多さに感心します。

こどもの目線で教育を考えるうえで重要なことは、実践現場は想定外に変化し、それに対応できる力が必要なことです。対応力こそ実践知であり、現代こども学科では、学生が実践知を積めるさまざまな場面を、学科の教員が協力して作っています。教員からの突然の要求に応える経験を重ねていると、事前のリスク管理や、二の矢、三の矢も考えられるようになる。教育現場だけでなく、社会のあらゆる場面で生かされる能力です。

現代こども学科のみならず、同志社女子大学は大学全体で学生を育てる風土が根づいています。そのため周囲をおもんばかる行動が自然に行われ、人の役に立ちたいと考える学生がたいへん多く、感心します。
例えば、入学前から新入生をサポートする「ビッグシスター」や「新入生オリエンテーションリーダー」に、たくさんの学生が手を挙げてくれます。上級生が下級生を支える全寮制時代からのよき伝統が生きているのです。こうした同志社女子大学の温かな雰囲気に初めて触れたとき、とても心を動かされました。創立者の理念が脈々と息づき、それが大学の空気となって、学生のこころを豊かに育てているのだと感じます。

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受験生のみなさんへ

「幼稚園や小学校の先生、保育士になりたい」と思っていても、進路が変わることはあります。大学によっては進路を変えにくい場合がありますが、本学では多様な選択が可能です。現代社会学部の中にある学科ですから、広く現代社会を見つめ、その中でこどもを考えていくことができます。視野を広くし、自分が目指す世界に向けて大きく羽ばたいてください。

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松崎 正治教授

現代社会学部 現代こども学科 [ 研究テーマ ] 国語科授業論、教師の実践的知識

研究者データベース

卒業論文一覧

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卒業論文テーマ例

  • 対話能力の発達特性を生かした話しことば授業のあり方
  • 書く力の育成とその指導方法の研究-作文教育に着目して
  • 子どもの感性を伸ばす児童詩教育の研究
  • 文学教育における発問研究~『一つの花』を教材として
  • 小学校で扱うまど・みちおの詩の研究
  • 小学生における接続詞の発達に関する研究~書き言葉の場合
  • 小学校における漢字の学習指導の研究
  • 国語政策からみる『標準語と方言』の研究
  • ベトナムの国語教育研究―小学校国語科教科書の分析を通して―
  • 児童の自尊感情を高める教師の言葉かけの研究
  • 特別なニーズのある子どもに対する通常学級におけるインクルーシブ教育の研究~子どもがクラスに馴染む方法~
  • 教師のライフヒストリーから見る学級経営の研究
  • 読書能力の発達と小学校の読書指導の研究
  • メディアを用いた言語活動の研究~「にほんごであそぼ」の理論的背景とその活用~
  • 日本と英国における児童文学作品の比較研究~『ピーターラビットのおはなし』と『手袋を買いに』から
  • 上橋菜穂子『守り人』シリーズにおける「イノセンスの解体」についての研究~こどもから大人への変遷の道筋~
  • 絵本に見られるカラスの表象の研究
  • 児童文学作品における自己犠牲の研究
  • コミュニケーションにおける自己開示の研究~十代女子に焦点を当てて
  • Twitterを通した人間関係構築についての研究