現代こども学科 笠間 浩幸ゼミ Faculty of Contemporary Social Studies | Department of Childhood Studies
身近で自由な「砂場」を題材に、
砂遊びが人や社会に与える影響を探る。
公園や園庭、小学校のグラウンドなどにある「砂場」。笠間ゼミでは、誰もが一度は遊んだことのあるこの砂場を題材に研究に取り組んでいます。砂場は0歳のこどもから大人まで年齢を問わず、且つ一人でも複数人でも遊ぶことができるとても自由な遊び場。ゼミでは保育園や小学校などでの「砂場遊びプロジェクト」を企画・運営し、プロジェクトの内容を検証するかたちで卒論を執筆します。
Teacher Profile
笠間 浩幸 教授 Professor Kasama Hiroyuki
幼児教育学を専門に、こどもの成長・発達に関わる環境づくりについて研究を行う。自身の長女が3歳のとき、夢中になって砂遊びをする姿を見たことをきっかけに砂場に着目。砂場の存在が、年齢に応じたこどもの発達課題を手助けすることなどを明らかにしてきた。研究室内の「砂ラボ」で、砂遊びに適切な砂の物性を追究するなど、全国の砂場環境の向上にも精力的に取り組んでいる。
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ゼミの活動は砂場からスタート。
まずは砂遊びのスキルを身につける。笠間ゼミに配属された学生たちがまず学ぶのは、クリエイティブな砂遊びを行うための「砂場のスキル」。砂にどれくらい水を加えれば、型抜きがしやすくなるのか。サイズの大きなものをつくるときは、どのようにすれば壊れにくくなるのか。砂でつくったお城などに、美しく模様を描くにはどうすればいいのか。学生たちは笠間先生の指導のもと、実際に砂でタワーや動物をつくってスキルを磨いていきます。こうやって砂場で遊びながら学び、スキルを培うことで、学生たちは砂場を楽しむ方法が無限にあることを知って、砂場の持つ「自由な可能性」に気づいていくのです。
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活動の中心は、砂場遊びプロジェクト。
企画〜運営まで、学生主体でやり切る。こどもや親子を対象にした「砂場遊びプロジェクト」を実施し、その結果を卒業研究に収れんさせていくのが、このゼミの特徴です。イベントのコンテンツ企画はもちろん、行政や保育園・小学校の職員らとの連絡・調整、開催日当日のオペレーションまで、プロジェクト実施に関わるほとんどの業務をゼミ生が担当。2021年度には保育園での園庭遊び、小学校での砂場遊び、2022年度には大阪・桜ノ宮ビーチでの親子砂場遊びプロジェクトを実践してきました。役割分担をした上で、自分の担当業務に責任を持って行動し、イベントを成功に導く。チームで協働して0から何かを生み出す経験は、学生たちが卒業後どんな職業に就いたとしても必ず糧になっていきます。
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プロジェクト成功のカギは「環境構成」。
準備を通して知る、安全に遊ぶ大切さ。プロジェクト準備の大きなウエイトを占めるのは、「環境構成」と呼ばれる計画。「環境構成」では、砂山をいくつ、どのように配置するのか、水を運ぶ動線はどうするか、どのように人を配置すれば参加者に目を行き渡らせることができるか、などイベントをスムーズに、安全に実施するための枠組みを考えます。ゼミ生たちは何度もディスカッションを重ねて、計画を笠間先生にプレゼン。しかしこどもの安全がかかっているため、一度でOKがでることはなかなかありません。学生たちは先生の指摘をひとつずつ解消するなかで、運営におけるリスク管理の大切さや、イベント企画のノウハウを身につけていきます。
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プロジェクトが成功するたび、
砂場の新たな可能性が見えてくる。プロジェクト自体はゼミ一丸となって取り組みますが、実施後の検証においては、学生個人個人が持つ興味・視点が大切になってきます。「砂場遊びが親子関係に与える影響」「砂場遊びによる地域活性化」「自治体や企業等による砂場設備設置の可能性」など、学生たちはさまざまなテーマを設定し、独自の目線でプロジェクトを分析。例えば、桜ノ宮ビーチでの砂場遊びについて、親子関係をテーマに設定している学生は、重たい砂を運ぶお父さんを見て、こどもが「パパ、かっこいい!」と発言していたことに着目。砂場遊びを通して、新たな家族のコミュニケーションが生まれていることに気がつきました。プロジェクトを重ねるたび、砂場の可能性、砂場を生かす幅広い方法が発見され、それが学生たちの研究の種になっていきます。
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プロジェクトやチームを俯瞰で見る、広い視点が得られた。
学生主体でプロジェクトを企画・運用している点に惹かれて、このゼミに入りました。保育園での園庭遊びプロジェクトでは、保育士さんたちとの連絡業務を経験。ただ楽しければいいのでなく、こどもたちの安全を守っている保育士の方々にも納得いただけるレベルのリスクマネジメントを行う難しさを体感しました。何度も調整を重ねて、迎えたイベント当日。こどもたちが笑顔ではしゃいでいる姿に、大きな達成感を得ることができました。またゼミ長として、メンバーの進捗管理を任されたことで、チームやプロジェクト全体の動きを捉えて動かしていく、俯瞰的な視点が身についたと思います。
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砂場遊びを通して、こどもたちの体と心を健やかに育みたい。
このゼミに入って、砂場遊びを通じてこどもたちが得る学びの大きさ、多様さを知ることができました。例えば「砂で何かを作る」ことは、こどもの創造性を刺激するだけでなく、手先を使うトレーニングにもなります。また家族や友達と一緒に大きなタワーを作ったり、川を作ったり、複数人で遊べるのも砂場の魅力のひとつ。砂場は協調性やコミュニケーション力など、発達に必要不可欠な能力を磨く絶好のフィールドでもあるのです。これから保育教諭として働くなかでも、笠間ゼミでの経験を生かして、楽しい砂場遊びを通した「学び」をこどもたちに提供していきたいと思います。
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家族同士がつながり、交流する場としての砂場の可能性。
私が着目しているのは「砂場で生まれる家族同士の交流」です。複数の家族が空間をシェアして遊ぶ砂場は、家族と家族の交流が生まれやすい場所。そうやって砂場で生まれた交流は、家族同士の支え合いを促し、ひいては虐待問題などの防止にも役立つかもしれないと考えています。実際、桜ノ宮ビーチプロジェクトでは、道具の貸し借りなどを通して、家族同士のコミュニケーションが自然に生まれている様子を見ることができました。これからも「交流の場」としての砂場の機能に注目し、核家族が増えている現代においての貴重なつながりのひとつとして、研究を深めていきたいです。
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砂遊びを愛する先生と、努力家な仲間と共に成長していける。
このゼミに入って、チームが一丸となるためには“イメージを共有すること”が大切だと学びました。いくらいい企画を立てて、スケジュールをきちんと管理しても、同じゴールを描けていないとチームはバラバラになってしまいます。そのため、笠間ゼミではプロジェクトに向けて、みんなの想いが揃うまでディスカッションを何度も実施。活動を通じて相手に自分の考えを分かりやすく伝える力、相手の意見を受け入れる傾聴力が身につきました。物事をやり抜く力を持った仲間と、誰よりも砂場遊びを愛し、情熱を傾けている笠間先生がいるからこそ、熱い想いを持って成長できる場所だと思います。
3年次生
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- 4〜7月
- 研究室配属。保育園での「園庭遊びプロジェクト」の企画・実施
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- 10〜11月
- 小学校での「砂場遊びプロジェクト」の企画・実施
4年次生
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- 4〜6月
- 桜ノ宮ビーチでの「親子の砂遊びプロジェクト」の企画・実施
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- 7〜9月
- プロジェクトの振り返り
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- 10月上旬
- 第2回桜ノ宮ビーチ「親子の砂遊びプロジェクト」の実施
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- 10〜12月
- プロジェクトの振り返り、卒業論文執筆
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- 2月
- 卒業論文の提出・発表
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- 3月
- 卒業
※2022年度の場合。プロジェクトの内容は年度によって変わります。
- 学芸学部 音楽学科 Department of Music
- 学芸学部 メディア創造学科 Department of Media
- 学芸学部 国際教養学科 Department of International Studies
- 現代社会学部 社会システム学科 Department of Social System Studies
- 現代社会学部 現代こども学科 Department of Childhood Studies
- 薬学部 医療薬学科 Department of Clinical Pharmacy
- 看護学部 看護学科 Department of Nursing
- 表象文化学部 英語英文学科 Department of English
- 表象文化学部 日本語日本文学科 Department of Japanese Language and Literature
- 生活科学部 人間生活学科 Department of Human Life Studies
- 生活科学部 食物栄養科学科 Department of Food Studies Human and Nutrition