同志社女子大学写真コンテスト「SEITOフォトコン'24」は、2024年5月13日(月)~ 9月11日(水)までの約4ヵ月にわたり、高校生(女子)を対象に作品を募集いたしました。
第17回となる今回の応募総数は337点でした。多数のご応募ありがとうございました。
総評
- 審査委員長 森 公一
- 2024年度、SEITOフォトコンの応募総数は337点でした。残念ながら昨年と⽐べて⼤きく減少しました。しかし応募してくれたみなさんの、それぞれの思いがこもった表現に触れ、審査委員⼀同いつもと変わらず⼤いに魅了されました。写真表現は、カメラを向けた現実の被写体との対話によって導かれるのだと考えます。時間をかけて考え抜いて撮影対象を選ぶ、あるいは偶然居合わせた場所で瞬時に判断して撮影対象を選ぶ。また撮影後において、作品として相応しい⼀枚を選ぶ、選んだショットをプリントしイメージを定着させるなど。こうしたプロセスの中に「なぜこれを選んだのか?」「本当にこれで良いのだろうか?」「結局伝えたいのは何なのか?」など、⾃⾝の表現についての問いを育む契機がたくさん含まれています。写真表現を通じて対象と向き合うことは、すなわち⾃分⾃⾝と向き合うことであり、広い意味で修⾏のようなプロセスなのだと考えます。だから私たちは、⼥⼦⾼⽣のみなさんが、被写体への対峙を通じて⾃⾝と向き合った「修⾏」の軌跡に魅了されているのだと思います。なお今回の審査委員会において、最優秀賞の選考にあたり投票を⾏った結果、上位⼆作品が同数の得票数となりました。そこでこれら⼆作品の決選投票を⾏いましたが、再び同数となったことから、両作品を最優秀賞といたしました。2008年の開催以来17年を数えるSEITOフォトコンにおいて、初めての出来事でした。
- アドバイザー 綾 智佳(The Third Gallery Aya)
- 人生にとって欠かすことができないツールとなった携帯電話。四六時中使うスマートフォンの中にあるカメラ機能を無意識に使っているのが現代人だといえます。特にデジタルネイティブといわれ、物心ついた時から携帯を使っている世代にとって、写真を撮り、送信することは当たり前過ぎることでしょう。ただ、このフォトコンに出品する際の必要条件となる、プリントアウトということだけは普段ほとんどやることがない作業かもしれません。 応募数が減ったことは残念ですが、撮ることが自然なことになり過ぎた現在の状況が原因かもしれないかと感じています。
生き生きと高校生活を撮影した作品が今年も集まりました。友人達、家族といった身近な人達を捉えたものや日常生活の中でのちょっとした驚きや発見を記録した作品達は毎年たくさん寄せられますが、それこそが高校生であることの証でしょう。
その中で、地震の被災地に行った写真が異色で目をひきましたが、地震や大雨といった自然災害が例年になく増えてきている現在の日本の様子を反映したものだと思えます。
他国では戦争や紛争が勃発し、複雑さを増す時代ですが、そのような複雑さを知るからこそ、自分の身の周りをしっかり捉えることができることの意味が後でわかることになるのかもしれません。