入選作品発表

同志社女子大学写真コンテスト「SEITOフォトコン'23」は、2023年5月9日(火)~ 9月6日(水)までの約4ヵ月にわたり、高校生(女子)を対象に作品を募集いたしました。
第16回となる今回の応募総数は613点でした。多数のご応募ありがとうございました。

総評

審査委員長  森 公一
2023年、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に移行されたことをきっかけに、一気にかつての日常が戻ってきました。本コンテストへの出品作品も、アフターコロナを謳歌する、明るく弾けた作品が多いのではないかと想像しました。しかし実際はそうではなく、むしろ落ちついて静かに対象と向き合おうとする姿勢が際立ったように感じます。国際社会では、ウクライナ問題をはじめとする地政学的な紛争が続いています。また気候変動による大規模な災害も頻発し、多くの人々が犠牲になっています。こうした世界規模・地球規模の出口の見えない大きな問題が、アフターコロナにおいていっそう前景化する中で、たとえ直接的な影響でなくとも、対象に向き合う姿勢に影響を与えているのではないかと推察します。不安、憂い、戸惑い、諦めの中で、微かな望み、未来への光を求めて模索することが、写真を通じて試みられているのだと感じます。
アドバイザー  綾 智佳(The Third Gallery Aya)
新型コロナウィルスとの共存が日常化し、以前と同じように人が集まり、コミュニケーションをとれる生活に戻った2023年でした。
今回は昨年に引き続き、はっきりとした強いメッセージを伝える表現が多いのが印象的でした。友人や学生生活をテーマにした作品が圧倒的に多いですが、動物や植物を被写体にした作品や大雨といった自然災害を示唆する内容、家族や日々の出来事を捉えたスナップなどバラエティに富む写真が寄せられました。自分達の高校生活を正面から見つめて、そこで感じた楽しさや喜び、時には驚きを写真で表現していました。
一方ではっきりとしたテーマまで行きつかず、表現まで到達していない写真も多く、作品の二極化を感じました。携帯で簡単に写真を撮れる環境の中で、撮りっぱなしになる弊害が形になってしまったように思います。
コンセプトをしっかり書いてある作品は、表現自体がユニークであることが多いです。撮るだけでなく、書くことの両方を丁寧にやることが重要かもしれません。

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