入選作品発表

同志社女子大学写真コンテスト「SEITOフォトコン'21」は、2021年 5月11日(火 )~ 9月9日(木)までの約4ヵ月にわたり、高校生(女子)を対象に作品を募集いたしました。
第14回目となる今回の応募総数は754点でした。多数のご応募ありがとうございました。

総評

審査委員長  森 公一
昨年に続き2021年もコロナの蔓延は止まることなく、マスク着用や外出の自粛、三密(密閉空間、密集場所、密接場面)の回避が常態化しました。2020年の緊急事態における非日常的な生活パターンは、出口が見えないまま日常化し、この異常状態こそが「あたりまえ」となってしまいました。
こうした事態は、SEITOフォトコンへの応募作品にも色濃く反映しているように感じます。これまで定番であった学園祭やスポーツイベント、友人たちとの旅行など、楽しく生き生きとした様子は影をひそめました。反対に、ごく身近な人や動物に静かに寄り添いつつ、これまで以上に繊細に対象の魅力を掴み取ろうとする作品が多かったのではないかと感じます。こうした「巣ごもりの感受性」とでも呼ぶべき美意識は、コロナ禍が続く日常に対して、しなやかに順応し始めたみなさんの、新しい感性の芽生えなのかもしれません。
アドバイザー  綾 智佳(The Third Gallery Aya)
2021年も新型コロナの感染拡大が続き、世界的な混乱が簡単に収まらなかったことは何よりも特筆されることでしょう。そんな中においても14年目のSEITOフォトコンは例年と同じように多くの作品が寄せられました。
写真を通してそれぞれの応募者が高校生活をどのように送っているのかが見えてきたことに、写真の記録性を強く感じました。何かを捉えることを意識して撮影された写真は記憶を引き出す力があります。後年、2021年の写真を見た時に、コロナ下での生活が蘇るのではないでしょうか?
例えば、顔だけを撮るのではなく、身体全体に現れる動きを撮ると、マスクをしていても身体の表情は捉えられると気づかされる作品がいくつかあったように思います。また、人がいない学校の教室を撮った作品も数点ありました。今年を象徴している表現といえるでしょう。
トータルでみて、自分の高校生活をどう感じているかをこれまで以上に、しっかり撮っている作品が多かったように思います。

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