入選作品発表

同志社女子大学写真コンテスト「SEITOフォトコン'16」は、2016年5月18日(水)~9月16日(金)までの約4ヵ月にわたり、高校生(女子)を対象に作品を募集いたしました。
第9回目となる今回の応募総数は過去最多となる851点!!多数のご応募ありがとうございました。

総評

審査委員長  森 公一
2016年度のSEITOフォトコンには、過去最多851名の応募がありました。手軽に撮影できるデジタルカメラやスマートフォンが普及したことによって、写真作品を創作しようとする女子高生の数も年々増加しているようです。また気軽に美しい写真撮影が可能な機器の普及は、撮影者と撮影対象との関係にも影響を与えているように思えます。すなわち限りなく身体化しつつある撮影機材が、被写体との距離をますます接近させ、これまで以上に親密な関係性が際立ってきているということです。そもそも高校生の生活世界や視野は、大学生や社会人のそれと比べて広いとは言えません。半径3メートルが興味や関心の中心であり、世界の限界であったように思います。それが今や半径1メートル、いや数十センチの距離にまで縮んでいるのではないか。こうして、より繊細に、より深く、友人の、あるいは自らの心の襞に踏み込んでいるのだと推察します。メディアが人と人の関係を変えているのです。一方こうした閉鎖的な女子高生の楽園では、他者性や客観性が希薄であるともいえます。写真を撮ることは、現実の世界と触れ合うためのエクササイズでもあります。今後は、他者の視点や社会問題など、より広い視野に立った作品も期待したいところです。
アドバイザー  綾 智佳
これまでで最高の応募者数となり、写真を通して、女子高生の様々な声がより聞こえてくるように感じました。人と人とのつながりを楽しみ、考え、思いやる写真が多く、学生生活の重要な面を的確に表現していました。スマートフォンで写真を撮り、コミュニケーションをとることが日常化している現状がそのような表現を促進しているのでしょう。
写真というメディアだからこそできる表現、クローズアップや色のコンビネーションを探求するなど、写真表現を楽しんでいる作品も多く、我々を楽しませてくれました。
これまでにないような斬新な作品というのは見つけることができませんでしたが、写真を通して自分を見つめ直す高校生ならではの作品が目を引きました。自分達の高校生活から生み出された作品群は、少し内向きで、外への視線が少ないのが気になりますが、それが今の時代を表しているといえると思います。

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