日本語日本文学科 大津直子ゼミ Faculty of Culture and Representation | Department of Japanese Language and Literature
一人ひとり、本気で向き合える古典作品を探し、
独自の切口で分析・解釈を行っていく。
古典文学やそれにまつわる文献を読み解きながら、独自の切口で作品理解を深めることがゼミの研究目的。大津先生の専門は『源氏物語』ですが、学生は研究題材を自由に選べるのが特徴です。文学作品の一部を深く読み込む学生もいれば、平安時代の風習や儀礼にフォーカスして、その様子を描いた作品をいくつも分析する学生もいるなど、アプローチ方法はさまざま。テーマ選定から論文執筆進行まで、学生の主体性を大切に運営されているゼミです。
Teacher Profile
大津 直子 准教授 Associate Professor Otsu Naoko
古典に興味を持ったきっかけは、中学校の教科書に載っていた『今昔物語集』。音読した際の独特のリズムに惹かれた。のちにそれが和漢混淆文と呼ばれる文体だと知る。高校では与謝野晶子訳『源氏物語』の読解に挑戦するも、「歯が立たない」と衝撃を受ける。現代語訳にも関わらず難解なのはなぜなのか。この疑問を起点に研究を志すように。現在は京都を歩きながら古典文学の地理について考えつつ、谷崎潤一郎の手がけた『源氏物語』訳に関する本を執筆中。
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作品が語る内容を知るために、
その背景にある事実・歴史を理解する。数百年〜千年にわたる時を超えて、現代に読み継がれる古典文学。作者自身が作品に込めた想いを語る機会が多く、読み手も作中の時代背景や文化を理解しやすい現代文学と違って、古典文学を読み解くためには、そこに書かれていない当時の当たり前や、その時代ならではの風習にまで知識を広げる必要があります。大津ゼミでは配属後まず、メンバー全員で課題として提示された作品を輪読。作品の時代背景など、客観的・歴史的事実を踏まえた考察方法を体得し、古典作品を学問として読み解くスキルを磨いていきます。
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テーマ設定から執筆まで、自分次第。
先生からの信頼が、自主性を養う。学生たちが次に取り組むのは、卒業論文のテーマ設定。その前段階であるポスター発表の題材を自由に選べるのが、大津ゼミの特徴です。論文執筆に適したテーマか、資料を集められるか、といった実現可能性に関するアドバイスはあるものの、基本的にアプローチ方法は自由。そのため『源氏物語』に登場するふたりの女君を比較する研究や、作中で描かれる「夢」にフォーカスして『浜松中納言物語』を分析する研究、平安時代の「七夕」に着目し複数の作品を読み解く研究など、さまざまなテーマで論文執筆が行われています。文献の調査や執筆の進行に関しても学生の手腕に委ねられているので、自然と進行管理能力と責任感が芽生えていくのだといいます。
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文法や品詞分解などの“定型”を超えて、
作品に深く共鳴していく。テーマ決定後は、各自で調査と作品の読解を進めます。「これが正しい」という確実な答えがない中で作品読解を進めるうちに、学生たちが学ぶのは、古典文学研究の壁であり醍醐味でもある「不自由の中の自由さ」。限られた表現、限られた資料の中から自分なりの論理を持って、深く深く作品を読み解くことは苦しい作業でもありますが、先生や仲間とのディスカッションを繰り返すうちに、古典のニュアンスに自分の感覚が追いつく瞬間がおとずれるのだとか。そうやって深く作品に共鳴することで、古典と現代がつながり、自分の視野が広がっていきます。
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のびのび且つとことん深く、古典に触れられるゼミ。
自分に合ったテーマをのびのびと研究できる環境、学生個人個人の興味を尊重してくれる雰囲気に惹かれて、このゼミに入りました。元々古典が好きだったので、作品の読解には自信があったのですが、ゼミに入って歴史や風土、当時の風習など、文学を取り巻く知識にまで視野を広げないと本当の意味で作品を理解できないんだ、ということを知りました。研究を深める中で、自分が「こうだろう」と思ったことを一度疑ってみる姿勢、情報の原点まで遡ってその確実性を確かめる癖が身についたと思います。興味をとことんまで突き詰められる環境に身を置いて、ますます古典文学が好きになりました。
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古典の登場人物の考え方が、自分の視野を広げてくれる。
私は『浜松中納言物語』に多く登場する「夢」の描写に着目して、論文を執筆しています。古典を深く学ぶことで、昔の人の常識や感性に触れ、自分自身の当たり前を破り、広い視野で物事を考える姿勢が身につきました。例えば現代では「夢」は記憶や感情の整理のために、“自分自身の脳が見ているもの”と考えられています。しかし『浜松中納言物語』が書かれた時代の人々は、夢は「自分を想う人」や「僧や神などの尊い存在」など“誰かが自分に見せているもの”とされていたそうです。そうやって過去の人々から学び、現代を生きる自分を成長させられるのが、古典研究の魅力だと思います。
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マイペースに、安心しながら研究に没頭できる場所。
論文執筆の多くのフェーズを学生自身の采配で行えると同時に、悩みや不安をいつでも先生に相談できるのがこのゼミの特徴。私は「このやり方でいいのかな?」と焦ってしまうことが多いので、その度に大津先生を訪問するようにしています。研究に対する学術的なアドバイスだけでなく、「焦らなくていいよ」という気持ちへのフォローまでしてくださるのが、大津先生の魅力です。自分が心地よいと思えるペースで論文執筆を進めながら自己管理能力を伸ばしていけること、優しく支えてくれる大津先生がいてくれることが励みになって、古典研究に没頭しきれるゼミだと思っています。
3年次生
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- 4月〜7月
- ゼミ配属。課題となる作品の輪読、発表
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- 8月〜9月
- 卒論テーマの検討
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- 10月〜12月
- ポスターセッションのテーマ決定。レジュメの作成・発表
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- 1月〜2月
- ポスターセッション準備・発表
4年次生
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- 4月
- 卒業論文のテーマ決定
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- 5月〜9月
- 卒業論文の調査・執筆
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- 10月〜12月
- 卒業論文の執筆・提出
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- 1月〜2月
- 卒業論文の発表
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- 3月
- 卒業
- 学芸学部 音楽学科 Department of Music
- 学芸学部 メディア創造学科 Department of Media
- 学芸学部 国際教養学科 Department of International Studies
- 現代社会学部 社会システム学科 Department of Social System Studies
- 現代社会学部 現代こども学科 Department of Childhood Studies
- 薬学部 医療薬学科 Department of Clinical Pharmacy
- 看護学部 看護学科 Department of Nursing
- 表象文化学部 英語英文学科 Department of English
- 表象文化学部 日本語日本文学科 Department of Japanese Language and Literature
- 生活科学部 人間生活学科 Department of Human Life Studies
- 生活科学部 食物栄養科学科 Department of Food Studies Human and Nutrition