DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

“教える”という観点で考える、
日本語の新たな可能性。

丸山敬介ゼミ
表象文化学部日本語日本文学科

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -ゼミについて

日本語日本文学科 丸山敬介ゼミ Faculty of Culture and Representation | Department of Japanese Language and Literature

日本語教育を多角的にとらえ、
日本語や日本文化への理解を深める。

日本語教育における教材や指導法、日本語教育をめぐる社会の動き、教師に求められる資質などを幅広い視点で考察し、教育現場の実情や諸問題を明らかにするのが丸山ゼミ(通称 まるゼミ)の目標です。学生たちはこのゼミで、日本語のあり方を見つめ直し、日本語教師としてのスキルや当たり前に使っている母語への新たな知見を得ます。ディスカッションを大切にしていたり、定期的な交流会を計画する「コンパ係」がいたりするなど、和気あいあいとした雰囲気と強いチームワークが魅力のゼミです。

Teacher Profile

丸山 敬介 特任教授 Specially Appointed Professor Maruyama Keisuke

専門は、日本語教師養成。ことばの指導にとどまらない教師の育成を目指す。 教養や趣味を除けば、外国語学習は政治的・経済的・文化的弱者が強者のことばを学ぶのが鉄則。その強弱の実態と移り変わりを知っておかなければ、教壇には立てない。また、外国人を「学習者」としてのみではなく、子を持った親・工場で働く労働者・〇〇小学校の〇年生...といった側面からもとらえなければ、教壇に立つ資格がない。そんな開かれた目をどうすれば一人一人の学生が持てるようになるのかが課題。

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What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 1 気になるテーマの文献を分析し、
    研究のヒントを探っていく。

    ゼミ確定後、ゼミ生たちが初めにトライするのは日本語教育に関する文献研究です。学生たちは丸山先生から提示されるいくつかのテーマの中から、興味のあるものをチョイス。テーマに沿った文献を読み、内容をパワーポイントでまとめてゼミの授業で発表します。テーマの中には海外における日本語教育を扱うものもあり、日本語を国際的な視点で客観視する力が身につきます。興味のあるトピックを深掘りし、自ら内容をまとめる。こうやって主体的に学びを深めることで、学生たちは得た知識の中から、研究テーマの種を見つけていきます。

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  • Lab CAN 2 プレ研究のテーマ選びから、
    ゼミ生同士でディスカッション。

    文献研究で興味を持てるテーマが定まってきたら、卒業研究への足掛かりとなるプレ研究を行います。研究活動を始める前、テーマ検討の段階からゼミでディスカッションを活発に行うのがまるゼミの特徴。ディスカッションでは、「そのテーマならこういう研究手法をとってみたらどう?」「おもしろそうなテーマだけど、調査対象はどうするの?」といった意見を、学生同士で積極的に交換します。学生たちは他のゼミ生の発表内容から新たな知識を得たり、客観的な意見を参考に研究内容を充実させるために研究方法を微調整。プレ研究で成果を上げる準備を整えます。

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  • Lab CAN 3 プレ研究をポスターにまとめ、
    卒業研究の足掛かりに。

    テーマが定まったら、各自研究を開始します。テーマによっては日本語話者と日本語を勉強中の海外の人たち、両方からアンケートを取って比較検討したり、研究対象とする小学校でインタビューを行ったりすることも必要。学外ともつながってデータを収集することで、学生の積極性も磨かれていきます。プレ研究のゴールは、成果をまとめたポスター発表。考察を1枚のポスターにわかりやすくかつ論理的にまとめることで、情報を編纂する力を養います。この力とプレ研究で得た知見を糧に、学生たちは4年次から始まる卒業研究に挑んでいきます。

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  • Lab CAN 4 日本語教育実習でふれる、
    日本語の難しさとおもしろさ。

    まるゼミに所属する学生は、必ず内外の日本語教育実習に参加します。その一つ、「京都日本語教育センター」では先生方と協力しながら、10回ほどの授業を担当。実際に日本語を教えることで気づくのは、自分たちが自然と理解している「日本語のニュアンス」を伝えることの難しさです。そんな中でも授業を工夫し、伝えるための方法を模索するのが実習の醍醐味。「〇〇ができる/できない」という構文を教えるために、授業で“口笛”を用いた学生もいます。上手に吹けたら「できる」、うまく吹けなかったら「できない」と実演しながら教えることで、生徒からは「わかりやすかった」という声が集まったのだとか。教育現場に出て日本語教育を学ぶことで、学生たちは現場の抱える問題点や教師として必要な資質を実践的に学んでいきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    こどもの教育現場をフィールドに、日本の多文化共生を考える。

    イギリスに留学した経験から、“日本語のあり方”に興味を持つようになり、現在は「多文化共生教育」について研究を行っています。海外から移住してきたこどもたちが通う小学校でインタビューを行い、母語でないことばで教育を行うための工夫や問題点を明らかにするのが研究の目標です。当初は研究対象の選定に苦労したのですが、丸山先生の丁寧なアドバイスとサポートのおかげで、現在は順調に研究を進めています。将来の夢はシステムエンジニア。一見教育から遠いように思えますが、ITの力を生かして日本語学習ツールを作るなど、今学んでいることともつながる領域だと考えています。

  • VOICE 02 VOICE 02

    グローバル化に伴う地域課題を、教育で解決していきたい。

    私が研究テーマにしているのは、地元・滋賀県長浜市における外国人と地元住民の共生・交流について。現在、日本各地ではベトナムなどからの技能実習生が大勢暮らしています。そういった人たちと地域住民が分断されるのではなく、日本語教育を通じて交流を深められれば地域活性化にもつながっていくはず。そう考えて研究を進めています。直接的に教育とつながるテーマでなくても幅広い興味を肯定し応援してくれるのが、まるゼミのいいところ。今後は、地域のイベントなどで地元の方や長浜で暮らす外国人の方々にインタビューを行い、積極的にデータを集めていきたいと考えています。

  • VOICE 03 VOICE 03

    実習での経験が後押しとなり、国際交流にチャレンジ。

    ゼミでの学びの中でも、日本語教育実習を経験したことが私の価値観を大きく変えてくれました。実習に行くまで海外の人たちと面と向かって話したことがなかったのですが、日本語や英語を交えながら生徒の方々と交流するのが楽しくて、もっと国際的な交流の機会を持ちたいと思うように。一念発起して、夏休みに、「国際交流シェアハウス」で暮らしてみるという大きなチャレンジをすることができました。日本語教育を専門分野としながらも、海外から見た日本を知る機会が多く用意されている点が、まるゼミの魅力。ゼミで得られた国際的な視点は、卒業後、社会に出てからも役に立つ力だと考えています。

  • VOICE 04 VOICE 04

    文献研究や実践的な学びで、“教育”に対する考え方が変わった。

    元々教師になることをめざしていたこともあり、教育について学べるという点に惹かれてこのゼミに入りました。しかし、その期待はいい意味で裏切られ、教育ということばの枠を超えて、国際的な視点や教育現場の実情など、本当にたくさんのことを学べたと感じています。特に実習では、机上で学んだ教育論だけでことばは教えられないことや、その場の雰囲気や相手に合わせて手法を変化させ続けないといけないという、現場のリアルを体感できました。まるゼミで得た教育の現場感や広い知識、そして仲間と協力して研究を成し遂げる姿勢を忘れずに、これからの進路に役立てていきたいです。

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

3年次生

  • 4月
    ゼミ配属
  • 5月
    テーマごとに文献研究・発表
  • 6月
    図書館オリエンテーションに参加、文献の探し方についてレクチャーをうける
  • 7〜11月
    テーマごとに文献研究・発表、プレ研究
  • 12〜1月
    ポスター発表の準備
  • 2月
    ポスター発表

4年次生

  • 3〜5月
    卒業論文のテーマ決定
  • 6〜12月
    卒業論文の作成・提出
  • 3月
    卒業